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雷哭ノ桜花戦記 ― 奪われた鍵を求めて  (表)  作者: 田舎のおっさん
第4部

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113/113

第5部 第3話(表)

――先に踏み込む


 夜明け前、桜花は先行部隊の報告を受けていた。

 まだ剣は鳴っていない。

 だが、時間はもう残されていない。


「……動線を押さえられ始めているな」


 矢上が地図を示す。


「中立勢力、街道脇の要衝に前進。

 兵数は多くありませんが、

 “先に立った”形です」


「それで十分だ」


 桜花は、静かに言った。


 先に立つ。

 それだけで、人は迷う。

 迷った瞬間に、被害が出る。


     ◇


 第5部の戦は、待ってはいけない。


 第4部なら、

 待って、削って、終わらせることができた。


 だが今回は違う。


「……矢上」


「はっ」


「こちらから行く。

 先に踏み込む」


 矢上が、一瞬だけ驚いた顔を見せる。


「交渉を挟まずに、ですか」


「挟まない」


 桜花は、迷いなく答えた。


「今は、

 言葉より“位置”がものを言う」


     ◇


 桜花は馬に乗った。


 剣は抜かない。

 だが、隠しもしない。


「中立を名乗る者ほど、

 “誰が一番前に立つか”を見ている」


 桜花は前を見据える。


「ならば、

 一番前に立つ」


     ◇


 先行部隊が動き出す。

 桜花自身も、その後ろに続いた。


 避難は間に合っている。

 守るべき民は、いない。


 ここは、

 踏み込むための戦場だ。


     ◇


 丘を越えた先に、

 中立勢力の陣が見え始めた。


 旗が揺れ、

 槍が並び、

 様子見の視線が飛ぶ。


「……来たな」


 桜花は、足を止めない。


「ここで止まれば、

 第4部と同じになる」


 それは、もう許されない。


     ◇


 桜花は、剣に手をかけた。


 抜く理由は、

 もうはっきりしている。


「これは、守る戦じゃない。

 秩序を戻す戦だ」


 桜花は、一歩踏み出した。


 それは、

 中立を名乗る者たちの前に、

 はっきりと示された答えだった。

引き続き、




《雷哭ノ桜花戦記 ― 表裏双章 ―》




表と裏、両方から描いていきます。








もし「続きを読みたい」と思っていただけたら、




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