欲望
私は幾つもの「欲望」を抱えて生きている。だが、半ば諦めたことの多い人生でもある。海外に初めて行った、高校生頃から「ワーキングホリデー」に行ってみたいとずっと思っていた。
だが、その夢は、諦めることにした。そもそも、ワーホリは年齢制限があることが殆どだ。それに、倍率も高い。私は、家庭を持ってしまったので、「挑戦したい気持ち」を強く抱えていたが、「夫と一緒になりたい気持ち」を優先した。
表現者にも、子供の頃から強く憧れを抱いていた。アイドルをテレビの前で観ている時には、「アイドルになりたい」と思ったし、テレビドラマや映画を観ている時には、「役者になりたい」と思った。歌手が、歌番組で歌を披露している時には、「歌手になりたい」と思った。本当は、「大学進学」もしたかった。
社会に出てから、「大卒入社」と「そうではない者」の現実に悩まされた。今、私は、「法学」を学んでみたいと思っている。「法律家」なんて言う立派な職業になれるとは、甚だ想ってはいないが、時に「無知は罪」なのだ。自分を守る為にも、この国の「法律」を学んでおくことは、自分にとって価値や資産になると思っているからだ。
今から約一〇年前には、自分が「物書き」をしているなんて到底思っていなかったのも事実だ。本を読むことは昔から好きだったが、自分には、小説なんて書けないと思っていた。読書感想文は、「あらすじ」で原稿用紙の半分を埋めていたタイプである。では何故、私が今、「作品を書き上げよう」と思っているのか、気になるだろう。きっかけは、夫の綾斗である。彼が私に、「文才があるから、小説書いてみたら?」なんて言ってくれたのだ。彼の為に、身内の為に、私を救ってくれた人たちの為に、世の中の人たちの為に、そして自分の為に、この作品を書き上げようと、全身全霊を込めている途中だ。




