出逢い③
次に交際を始めた相手は、年上の専門職の方だった。出逢いは、街中だ。所謂、「ナンパ」をされたのである。当時私は、アルバイト後にイヤホンを付けて、音楽を聴きながら歩いていた。街にイルミネーションの光が灯る時期のことだ。最初は無視をしていた。だが、めげずに声を掛けてくれたので、申し訳なく思い「話を聞いてみるか」という気になったのだ。「お姉さん何歳ですか?」なんて会話から始まったと記憶している。やましい気持ちがあった。会話を数回交わし、食事に行くことになった。私が今まで入ったことのない、お高めの居酒屋だった。友達と会う約束があったらしく、一、二時間程食事の時間を楽しみ、その日は解散した。私も失恋したばかりで、人肌が恋しくなったのだろう。出逢って二週間程で、この人と交際することを決めた。
歳は、九個上だった。私は、当時二十歳を迎えたばかりのピチピチの女の子だった。彼は、二十九歳だ。それくらいの時期は、歳上の男性が魅力的に写る。経済力もあり、心に余裕があるなと感じた。だが、この人との恋愛は半年程で終わりを告げることになった。クリスマスには、ケーキを事前に買ってくれており、プレゼントも用意してくれた。卒業旅行に、大阪のテーマパークに連れて行ってくれた。勿論チケットは事前に用意してくれていた。お金を払って、優先的にアトラクションに乗ることができるチケットだ。初めての経験だった。
だが、心から好きな人では無かったのだろう。私は、この人との恋愛で、元彼を忘れたい気持ちの方が強かった。小賢しい女である。それに、毎度の様に奢られるのは、気分が余り良く無かった。何故か、「自分が下に見られている」気がした。一般的な女性なら、喜ぶところなのだろうが。それに、毎度奢られるのは申し訳ないと思っていた。一度だけ、彼にご馳走したことがある。商業施設に入っている飲食店だったので、そんなに高い代金では無かったが。それから彼は、「痩せ型」の人がタイプだった。私は当時から、細い方ではなかった。標準体型だ。会う度に、「一緒に運動しよう」と言われていた。何度も言っているが、私はスポーツが苦手だ。勿論、彼にも伝えていた。それを言われる度に、私の存在価値が否定された気分になった。




