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芽生え  作者: 黒薔薇あず


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社会人四年目②


三ヶ月程休職した後、私は復職した。

休職中は、組合からのお見舞金と傷病手当で賄った。休職中でも支払いするものは発生する。主に、住民税や健康保険代、厚生年金などの社会保障料だ。これが中々きつかった。生活費も払わなければならない。それに、病院への通院費もかかった。貯蓄が底をつく程では無かったが、財布の紐は固くなった。

復職先は総務部だった。リハビリ勤務を始めた。休職中に課長から「上司も変わったから売場に戻ってこないか」との打診があった。だが、私は元の売場での復職はできなかった。人前にもう一度立つ事が怖かったのだ。

お客様の前には立つことのない裏方の部署ではあったが復職一日目は、やはり緊張した。身支度をしている時から手が震えるくらい怖かった。足をすくませながら出勤してきた私に、部署の方は温かく迎え入れてくれた。不安と緊張が少しほぐれた気がした。

業務内容は、従業員の出退勤チェックやパートやアルバイトといった時間給社員の契約更新表の確認、社員宛の重要なお知らせの案内などだった。リハビリ勤務ということもあるが売場とは違い、求められるスキルはそう多くはなかった。どちらかと言うと単純な作業の方が多く、「私には向いているな」と感じた。

徐々に時間数を増やしていき、復職してから三ヶ月目頃にはフルタイムで働く事ができるほどに心身も回復していた。「このまま会社の事務的なポジションの部署で務めようか」とも考えた。だが、特段この会社で明確なやりたい事やビジョンが定まらなかった。それに自分のやりたい事ができる位置に着くには道のりが長い。昇格試験を受け、売場責任者といったような一定のキャリアを築かなければいけなかった。

「ここに居たところで平行線だ」と感じた私は、丸四年間勤め、桜が散り始める季節に退職した。


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