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芽生え  作者: 黒薔薇あず


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社会人四年目①

そんな業務に励んでいた中で、私は夏頃、体調を崩した。ある時から、夜眠れなくなったのだ。眠っていても途中で目覚めてしまう。眠りが浅かった。何となくやる気も出ない。そんな日々が続いた。ある日突然、出勤後売場に出る前に、パソコンでメールチェックや会社のお知らせを見ていたら涙が出てきた。何も悲しい事は無いのにだ。おかしいと思い始めた。

極め付けは課長に言われた一言だった。「頑張れよ。」と。何の気ない激励のつもりの一言だったのだろう。だが、その当時の私には酷く心に突き刺さった言葉だった。「これ以上どう頑張ればいいのか。」と。

コップの水が溢れる様に泣き喚いてしまったのだ。限界だった。家に帰っても涙は止まらなかった。「これは正常ではない」と思った私は休みの日に、心療内科に通った。結果は、「うつ状態」だった。

両親にも電話した。「最近こういう状況が続いていて、涙が止まらなくなった。今日、心療内科に行ったら診断書が出された。」と。両親は「会社に事情を話して休職しなさい。」と言ってくれた。だが、私は「明日は得意日だから会社には行かないと行けない。レジ開けだし。」と言っていた。完全に仕事脳になっていたのだ。それでも両親は、「会社の人には絶対に伝えなさい。朝一で課長宛に電話を掛けなさい。」「どうなったかまた教えてね。」と。社会人になっても両親を心配させてしまった。私は震えながら次の日の朝一に電話した。結果、休職する事が決定した。

心療内科には定期的に通院した。薬も処方された。最初は漢方薬だった。だが、漢方薬では症状は改善されなかったのだ。次に向精神薬が処方された。副作用も大きい薬の部類だ。正直、服薬するのは不安ではあったが症状は改善された。そのうち、夜眠れるようにもなった。実家に帰省し休息を取ったことも功を奏したのかもしれない。

帰省していた間は、中学生時代にお世話になった事がある心療内科に通った。そこで先生に言われた。「当時も同じ様な症状だったね。」と。つまり私は中学時代にも「うつ状態」を患っていたのだ。当時はそんな事は一言も言われなかった。多感な思春期時代だ。恐らく気にしない様に敢えて伝えられていなかったのだろう。


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