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芽生え  作者: 黒薔薇あず


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専門時代②

専門学校で学ぶ内容はとても有意義だった。英語や中国語といった語学は勿論だが、ホテル経営の基礎知識や料飲知識、テーブルマナー、婚礼知識なども学べた。接遇関係の資格や、秘書検定も取得した。

「帝国ホテル」や「リッツカールトン」といった、四つ星・五つ星ホテルに宿泊できる研修もあった。

二年生の夏季休暇の一部リゾートホテルでの研修があった。約一ヶ月程度だ。給料も発生した。私は、当時仲の良かったグループの友人同士で長野県の蓼科にあるホテルで研修した。山の中だ。避暑地でリゾートには持ってこいの場所である。

私は一人だけ、仲の良いグループから離れた部署に配属された。ホテル内にある朝食ブッフェも行っているイタリアンレストランだ。

ホテルのレストランは特殊な勤務体制だ。所謂「中抜け」と呼ばれる時間がある。準備合わせた朝食ブッフェの時間勤務したら、夕食の準備開始時間まで休憩時間があるという様な勤務体制だ。この休憩時間は基本的には何をしてても良い。間が短ければ、ホテル内の従業員休憩所で休んだ。長時間空けば、寮に帰り仮眠を取った。

この研修が結構しんどかった。山の中で約一ヶ月缶詰状態だ。閉塞感は果てしない。蚊にも刺されまくった。体質上、蚊に刺されやすくはあるが、蓼科の蚊は強い。刺された箇所が、熱を持ちパンパンに膨れ上がり、発熱した事もある。救急病院にも通った。当時は蚊に刺されたと思っていたが、今思うとあれは蚊では無かったかもしれない。

休みの日には、山を降りて一人で松本市内まで遊びに行った事もある。

「松本城」を観に行った。帰りに近くに「PARCO」があったので、寄って帰ろうと思ったが「臨時休館」だった。そんなことがあるのか。何故か、行く先々で臨時休業や年中無休を謳っている施設の休館日を引き当てることが多い。運が良いのか悪いのか分からない。

そんな研修期間を経て、勤務体制が過酷だった為「私はホテルで働くのは向いていないかもしれない」とこの時思った。

だが、給料は二十万近く貰えた。初めてこんな大金を稼いだ。頑張りが認められた気がした。


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