表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銃ひとつで転生させられた俺、味方が雑すぎるから仕方なく無双した件。  作者: くろこげめろん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/11

第5話 『ミングル』

 ……あれ?


 いつまで経っても死なないぞ……? あれれ?


 俺がゆっくり目を開くと、そこにいたのは。


「……ミングル君」


「別にA級封鎖区域ぐらいどうってことないんじゃない、ねえザンダーおじさん? 現に、このBoy(ショウネン)も無傷で帰還したわけだしさ」


 一人の少女が、ザンダーの放ったヘビ……もとい舁普(クァシン)を鷲掴みにして立っていた。舁普は手の中でジタバタもがいてるけど、全然逃げられそうにない。


 空色の澄んだ髪色で、服装は若干格式張った白いシャツ。後ろ姿だから顔は見えないが……どうなってるんだ? 助けてくれたみたいだけど……どっから出現した?


 俺の混乱に答えてくれるように、その少女はこちらを振り向いた。


「ああ、はじめまして! ボクはミングルって言うんだ。キミの味方だと思ってくれていいよ。Greetings(ヨロシク)♪」


「……よろしく?」


 前髪には白い渦状の不思議なメッシュがあり、ネクタイを緩めに巻いているのが見えた。


 見た目は快活な美少女って感じなのに、なんというかサラリーマンみたいな服装だな。


 そして何より――


「猫耳だ」


「お? キミは獣人を見るのははじめてかな?」


 ミングルの頭の上には、一対のかわいい猫耳が存在した。


 うわあ、ファンタジー世界だ! 猫耳獣人と生きて出会えるなんて。別に特別好きってわけでもないけど、なんか初めてみると感動するなぁ! 


 ……あー、こんなこと考えてる暇無いな。警戒は怠らないようにしよう、いつまたザンダーが仕掛けてくるかわかったもんじゃない。獣人感動はあとあとだ。


 ミングルはわざわざ俺にウィンクをした後、舁普をガレキに向けて投げ捨ててからザンダーへ向き直った。残念ながら、俺は舁普に同情しないからね。


「ミングル君が介入してくるとは予想しなかったけど、これは規定なんだ。理解を求めるよ」


 ザンダーは変わらない調子でそう冷淡に言い放つ。メガネの奥の紺色の瞳が、刃物のように鋭く細められる。


 ……相変わらず怖えぇ……。視線で他人殺せるだろこいつ……立場がけっこう上の方らしいし、実際にそれを実行できるのかもしれない。そうするしかなかったとは言え、よく戦う勇気があったな俺。我ながら結構ビックリだ。


「それに、ハルマントン旧街がS級指定に格上げされようとしているのも、ミングル君が知らないはずもない。そんな所に無断で立ち入ったのなら厳罰は避けられないんだよ」


「ふーん?」


 杖の雷が強まるが、ミングルはそれに物怖じした様子もなく腕組みをした。


 ただ、彼女のシッポ――なぜか二本ある――は不機嫌そうに、勢いよく揺れている。


「じゃあボクのとっておきの提案――ザンダーおじさん、ボクとConflict(センソウ)する?」


 えっ、戦争。


 ……戦争!? え、なにこいつ。ザンダーってこの国の冒険者ギルドの長だよな? え、戦争できんのこの子?


 いやまあ確かに、ミングルが助けに来てくれたのは全然分からなかったし、暗殺とかも得意そうだけど……。


「……」


 しかもザンダーさんめっちゃ黙りこくっちゃったよオイ。


 あ、もしかしてアレか? ザンダーとミングルが一対一で決闘するってことか? ていうか、そうでもないと理解が追いつかねえんだけど!


 ザンダーは目を閉じて少し考える素振りをした後、軽くため息を付いてから頷いた。


 ……おろ?


「確かにそれは避けたいね。なら、こちらの裁量で処分は保留にしよう」


「おっ! ザンダーおじさん話わっかるぅ!」


「あくまで保留だよ。……それに、私の裁量はそう大きくない。本部からの通達があればその少年の首は飛ぶことになる」


「うん! まあそうならないようにボクがいろいろするからさ。ザンダーおじさんはここのRepair(シュウリ)工事して待っとけばいいよ〜」


 ……おろろろ?


「ひとつ聞かせてくれ。なんでミングル君はその少年をかばう? 知り合いなのかい」


「いや、全然? でも、ちょっとこの人は気になることがあるんだよねえ」


「気になること……?」


「うん! ま、見当違いだったらボク恥ずかしくなっちゃうから、今はBoast(オオグチ)は叩かないでおくよ」


 …………うん?


 これ、マジで助かった感じ? ……ザンダーにボコボコにされずに済むのか?


「マジで助かった感じだよ。ボクに感謝してよね〜、ふふ」


 困惑しっぱなしの俺に向かって、ミングルはお茶目にウィンクした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ