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銃ひとつで転生させられた俺、味方が雑すぎるから仕方なく無双した件。  作者: くろこげめろん


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第4話 尋問……または処刑前

 すぐに、体に天地の感覚が戻ってくる。


 俺が目を開くと、そこには――


「……!」


 夜の帳が下りたように暗い部屋と、異質な雰囲気を纏う、白銀の杖を構えた男がいた。


 白髪をオールバックにし、顔にはいくつもの古い傷跡が刻まれている。黒を基調とした決して華美じゃない、しかしながら王者を思わせる儀礼服に身を包んだ壮年の男。


「ご苦労、星胡(シンウ)……そしてようこそ、少年」


 コイツは……さっき星胡が話題に上げたサンダーなんちゃらか?


 思わず銃を握る手に力が入る。……穏やかな表情だが、纏っている雰囲気は明らかに平穏ではない。これから拷問でも初めそうな感じだな。


 しかもあの杖、明らかにただの杖じゃない。たぶんアレだ、ニルちゃんに貰ったノートと同じ、魔道具。ファンタジー世界っていうメタ読みを加えれば、十中八九戦闘に使えるもののハズ。


「サンダーなんちゃら、か?」


「サンダーではない。ザンダーだよ」


「それはごめん」


 ふ……と、ザンダーは笑った。


「ひとつ、事前に少年に忠告しておくことがある」


「……忠告?」


「ああ」


 石と石がぶつかり合うような鈍い音が響き渡った。ザンダーが握っている杖を床についたようだ。そしてそれと同時に、杖は一瞬だけ強い光を纏った後、青い雷が迸る!


「この場において少年は被疑者だ。質問に答えなくとも構わないが、こちらは答えを聞かせて貰う必要がある――実力行使もためらうつもりはないよ」


「……いきなり穏当じゃねえな……」


 俺、全く状況の理解が追いついてないんだが……。


 無人の街を探索してたら、カラスに保護を提案され、それに乗ったらこの……いきなり訳の分からん尋問が始まってたわけだ。あのう、説明を。マジで。


「少年、君は自分がいたあの街について正しく理解しているかい?」


「たぶんしてねえ」


「……淙類(ズウルイ)


 ぴょこ、とザンダーの影から一匹の黒ウサギが出現した。……いや、星胡みたいな影の生き物……つまりザンダーの使い魔か。


「これは淙類。嘘を見抜く能力がある――この後に言いたいことは分かるね」


 うえぇ……しょ、正直に答えよう。あのバチバチしてる杖、普通に怖いんだが。触ったら感電で即死しそう。


「話を戻そう。ハルマントン旧街は現在、特定枯渇領域に指定され、A級封鎖の処置が取られている――と言えば理解できるかい」


「すごそうだけどごめん、分からん」


 ハルマントン旧街っていうのか、あそこ。


 えーと、今の文章の中に特定枯渇領域、A級封鎖、と二個も知らないワードが出てきたな。


「まあ要するに、非常に厳重な立入禁止が執られているということさ。あの場に立ち入りが可能なのはS級冒険者、特別の司令を受けたA級冒険者のみ――例外はない」


「……なるほど?」


 つ、つまり俺は一般人が絶対に入っちゃいけないエリアをてくてく闊歩してたわけか。


 とはいえあの『特定枯渇領域』とやらがどういうものなのかわからない以上、ただ漠然とした『危なそう』以上に知れることがないな。


「君があの区域に立ち入ることが許可される身分なのなら、この非礼を詫びよう。が、そうでないのなら処罰が必要だ」


「……」


 絶対そんなお高い身分じゃないよな俺……。


「ちなみにその処罰ってのは?」


「死も覚悟したほうがいい」


「うわぁ……」


 ヤバいじゃん。


 どうしよう、ザンダーと戦うわけにもいかねえし……逃亡は絶対に最終手段だからな。十中十九くらいで即死することになる。可能ならなんとか、弁論や交渉で和平を結びたいんだが……。


「ないのかい?」


「えーっと、このノートじゃ無理か?」


 ポケットに突っ込んであった、あのノートを掲げてみせる。ニルちゃんの神オーラとかないかなー、とほんの少し期待を込めて。


「それは何の証明にもならないな。生憎だけどね」


「あーあ」


 無理でしたね。まあ分かってたけど。


 青い稲光がますます迫力を増していく……。


「無いようなら、ここで君を殺すしかないよ。冷酷なようだけど、こちらとしてもあの封鎖区域に一般人に立ち入られるといけないんだ」


「クソ……!」


 結局戦うことになんのかよ……!


 だが、俺が『轟響の夜明け(レコ・ラ・ローヴ)』を構えようとすると――


「っ!?」


 刹那、それは圧倒的に重みを増し、床が揺れるほどの勢いで落下した!


「『星へと降りて(プレイ・フロムレイン)』。私の固有魔法(ユニークスキル)のひとつだ。効果は単純に、対象となる物体にかかる全ての力を増幅させる」


 なるほどな……それで銃にかかる重力を増やし、叩き落としたわけか。


 こんな冷静に分析なんてしてる暇はなさそうだな……クソ! 唯一の武器が無くなって、マジでどうしろと。ニルちゃんヘルプも、未だに離席中みたいで応答がない。


「チッ、んならとことんまでやってやるよッ!!」


「!」


 ――バゴンッ!


 予想通りだ! 俺が『轟響の夜明け(レコ・ラ・ローヴ)』を踏みつけると、その衝撃までもが『星へと降りて(プレイ・フロムレイン)』で増幅し、床板を踏み抜くことができた!


「ぐふっ……畜生、げほっ……」


 どうやら階下は無人だったようで、大量のガレキと共に俺は落下することになる!


 あー……痛えけど、動けないほどじゃないなっ! 割れたランタンをザンダー目掛けて蹴り飛ばし、できるだけ距離と時間を稼いで離脱しないと……!


「時間稼ぎか……できると思うかい? 舁普(クァシン)!」


「!」


 ……いきなり雰囲気が変わった――こちらの目的を見抜きやがったかっ!


 ザンダーの呼び出したヘビが、その大口を開け、まるで弾丸のようなスピードで突っ込んで来た――!

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