0020[本の紹介] コンピュータ 新人類の研究
今日コンピュータは、普段使用する携帯電話を筆頭に
私達の日常生活に欠かせない物となりました。
商品の購入や電車を使用するときの電子通貨での支払い等
多岐にわたります。
1980年代半ばに、それまで企業で使用していた大型コンピュータから、
庶民が使用できるパーソナルコンピュータが開発されて、一般に
広がっていきました。
今まで存在していなかった物が、どのように人々の生活に
変化させるか人間の行動様式に当てはめて行くのか纏めた書籍です。
表題 コンピュータ 新人類の研究
著者 野田 正彰
出版年 1987年
出版社 文藝春秋
題名ではコンピュータと書かれていますが、[Ⅳ コンピュータの作り手と
受け手] では1983年に販売されたファミリーコンピュータについても
言及されています。特に当時の任天堂社長であった山内溥氏のインタビューも
書かれています。
[Ⅴ コンピュータ時代の開拓者たち] でコンピュータ黎明期で頭角を
現した4名が特集されています。
アスキー社長 西和彦氏・ソフトバンク 孫正義氏・トロン計画(OS) 坂村健氏
・CG 河口洋一郎氏 のインタビューがあります。
Ⅵ パソコンの輪はひろがるか
電子掲示板についての記載もあります。
今では当然のように使用していますが、当時では知らない人と話が
出来るのは斬新でした。
かなりの人数のインタビューされていて、読みごたえがあります。
当時既に問題になっていた、ソフトウェアのコピー問題や開発者の
ワーカホリックによる薬依存 等は長い時間かけておさまってきたように
思います。(コピー問題は著作権法の厳格化・薬依存は働き方改革 等)
著書から40年経ってますからね。
社会の変貌予測がなされています。
未成年の変容についても書かれています。
子供にとって危険な玩具(火薬を使用するもの・口に入れると有害なもの)の
追放運動がおこり、無色無臭の生活にしました。
次第により清潔に漂白されていきました。
子供のスケジュールの合間合間に細切れの時間があり、その隙間に
ゲームが退屈な時間を吸い取ってくれる。
流通では家庭サイズから個人サイズへ変化して、商品は希薄化・均一化されて
快適さ、便利さが求められる進歩はやまない社会になっていきます。
実際、国内旅行しても観光地以外では似たような街並みになっています。
「ただ、こうして余剰になった時間を、人はこれまでできなかった自分の
人生の目標に使うようになったのであろうか。」となかなか手厳しい
事が書かれていたりします。
[物質的な豊かさ] や [精神的な充実] は本人が望めば、目の前の装置を
使用することで手に入る時代になりました。
実際に私達、現代人は幸福になったのだろうか?
[幸福] という言葉の定義で遊んでいるかもしれませんが・・・




