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違和感

 翌日、特に変わったこともない朝を向かえ、そして普段どおり登校した。

 本当に何もなかった。俺としては、高石たちは自首せず野沢の死体は放置され今日にでも発見されて大騒ぎになる、という展開を期待していたのだが、全くそういった様子はない。


 おかしい。仮に高石たちが自首し昨日うちに警察が来たとしても、ドラマで見るような鑑識やら何やらの作業が一晩で終わるだろうか。素人の考えだが、そう手早く済むような作業であるはずがない。

 また終ったとしても、警察官全てが引き上げていくとは考え難い。犯人の性格や普段の素行などを、教師から聞いて回る警察官がいてもいいはずだ。


 しかし、クラスメイトの話を聞く限り、学校で警察官がいたという話は聞かない。無論人が死んだ、などという話題もない。


「津久井君おはよ~」


 クラスメイトの挨拶に、俺は片手を軽く上げて返す。余りにいつも通り過ぎる。


 ……まさか、野沢はいまだに発見されていないのだろうか。

 

 これならば一応辻褄が合う。死体が発見されていのならば警察がいるはずはない。

 だが、今の今まで誰も気づかないなどということがあるだろうか。

 確かに野沢が死んだ場所は、階段でありながら人の通りが極端に少ない。だが、昨日の俺のように通る人が少ないだけで、誰も通らないというわけではない。

 それに、あの胸糞悪い血の香りを誰も気づかないというのもおかしな話だ。あの匂いならば、多少離れた所にいても容易に気づくことが出来る。


 他にも気づくための材料はいくらでもある。気づかないはずがない。

 だが、それでは現状を説明できない。一体どういうことだ。


「……ったく、仕方ねえな」


 いい加減考えることが面倒になってきた。

 朝のSTまでまだ10分ある。気乗りしないが、死体がどうなったか自分自身の目で確かめてくるか。


 俺は教室を出ると、足早に昨日の場所に向かった。

 


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