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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
6章 新領地編
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グラリオン島で初治療 4

感想、評価お待ちしております!!

誤字報告ありがとうございました!


「ローリーの言うように、魔法の練習の場になっているということは否定しませんわ。全ての治療の現場は同時に回復魔術師にとっては学びの場なのですから」

「ミキストリア様、それは回復魔術師に限ったことではありませんぞ。護衛騎士も同じです。突然このように食堂に入って飲食など……」


護衛騎士のランスが話に割り込んで来る。ランスは侯爵家騎士団でもナンバー3の地位にあり、本人の希望と侯爵家騎士団団長エルウィンの指名により、ミキストリア付きとなる新設の騎士団団長としてグラリオン島に来ていた。ミキストリアの会話に割り込むことが公に許されている数少ないうちの1人である。この新設の騎士団が「ミキストリア付き」を謳うのは、ミキストリアがどこに行こうともその身を守るようにとの父ローレンスの心配心からであった。もっとも騎士に限らず、侯爵家の人々の認識からすると「最果て」ともいえるグラリオン島にまでミキストリアに付いて行こうとする騎士、魔術師、従者、侍女にとっては「グラリオン島付き」も「ミキストリア付き」も変わらないのであった。


「あら。それでは今日は良い練習の場になったと言うことですわね、ランス」

「ええ。いつもミキストリア様と行動するリディたちがぐんぐんとスキルを伸ばすのもよくわかります」

「話の雲行きが怪しくなってきたわね。そろそろ次にいきましょう」


ミキストリアは同行する従者のマークに目配せし、かなり多めの支払いをさせた。金で領民の歓心を買うことはミキストリアの良しとするところではなかったが、吝嗇な領主と思われるのもこの先問題だからである。


ラミーアの「化粧料」としてこの島をもらったものの、もちろん現状ではラミーア1人分の税収も心もとない。とはいえミキストリアと祥子には個人的な収入もあり、また侯爵家でも2人分の予算は取ってあるので、滅多に社交の場に出ないミキストリアと祥子はドレスにも宝飾品にも金は使わず、この島くらいでは予算を気にする必要はなかった。


この後の2人の対象者も予想通り毒、しかも強毒で、そのうちの1人はあと何日保つかというような酷い状況でもあった。ミキストリアはリディ達に完治するまで任せる予定であったが途中でリディ達のMPも尽き、4人目はミキストリアが1人で対応することになったが、MPに余裕のあるミキストリアは多めのMPで一気に完治させたのだった。


(毒に冒されて時間が経過してしまうと色々な症状を併発するというのが良くわかりましたわね。わたくしも経験を積むことができましたし、結果花丸でしょう)


ミキストリアは、改めてローリーに案内の礼を伝え、別れる前に付け加えるように言った。


「町長たちにも言いましたが、島の住民がどの町に住もうと自由ですし、できればもっと混ざり合って住めればとさえ思っています。もしあなたの知り合いでシェルストンに興味がある、この町には居づらいなど、どんな理由でも良いのですがシェルストンにに住んでも良いという人がいたらぜひ連絡してください。歓迎しますわ」

「承知しました」

「それから、今日はもうこのまま教会に戻ります。町長にはあなたから報告を。わたくし達のことは、挑戦しがいのある患者ばかりでヘトヘトになったから帰ると伝えなさい」

「それだけでよろしいのですか? 町長に何か叱責などは……?」

「なぜ叱責が必要なのでしょう? 町長はわたくしの求めに応じて医者も諦めるような患者を紹介した。わたくし達はそれを治した。それだけですわ」


ミキストリアがにっこりと笑うと、ローリーはビクッと一歩後退りする。


「し、承知しました」

「では、ごきげんよう」



~~~



宿代わりにしている教会に戻ると、祥子も孤児院から戻ってきており、サラとヒラリーは昼寝の最中であった。


「2人の可愛い寝顔は癒されますわね」

「ほんとね。癒しだわぁ」

「そちらの様子はいかがでした?」

「盛り上がってたね。サラとヒラリー2人が気に入った姉妹もいて、侍女で働く気があるなら、って声はかけてある」

「仲良くなれて良かったですわね」

「うん。あ、そうそう、闇属性の子も居たの。その子はミキと話をしてもらったほうがいいかもしれない」

「ええ。明日にでも話してみましょう」

「うん。そっちはどうだった?」

「結果的としては予定通りではあったのですが……」


ミキストリアは、この日の様子を祥子に伝えた。


「ふーん、随分とまた、見くびってくれたものね」

「ええ、随分と」

「ミキが治療できてもできなくても自分の立場が悪くなるってことには気づかないのかな?」

「気づいたらやっていないでしょうね」

「そうよね。頭悪いってことね」

「今でなくても、どこかで取り替えないといけないかも知れませんわ」

「候補は自治会の人たち?」

「まずは、それが手堅い選択ですわね」

「んー、そうなるとシェルストンは後にして、先にリアの町を大きくしちゃうのが良いかもね」

「ええ、わたくしも同感ですわ。その上で新旧両方の住民に眼が届く人を町長に据えるのが良いですわね」


ミキストリアは町長の小狡い逆心には叱責を加えるつもりは全くなかったが、能力に欠ける人物をそのままにするつもりもなく、変化を加速させて篩にかけることには躊躇しなかったのであった。



読んだいただき、ありがとうございます。

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