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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
6章 新領地編
96/135

グラリオン島で初治療 3

感想、評価お待ちしております!!

誤字報告ありがとうございました!


「では、もう一度」

「「「「はい。<ステータス>」」」」

「どうです?」

「毒というのが少しはっきりとわかりました」

「わたしはまだぼんやりです」

「毒がぼんやりと」

「毒がうっすらと」

「ええ。皆も上手になってきていますわ。では、リディとメーシャが解毒、アルベルタは消化系、レイチェルは全体の回復ということでやってみましょう」

「「「「はい」」」」


4人の回復魔法で手足や顔の痙攣は弱く、間隔も長くなったものの完全には治らなかった。


「治らない……」

「この毒は思ったよりも強いようですわね。毒の強さもステータスでわかると良かったのですが、これも今後の課題ですわね」

「ミキストリア様、私にもう一度やらせてください」

「わたしも、お願いします」


解毒を担当したリディとメーシャが懇願してくる。これも珍しいことであった。


ミキストリアは首を傾げた。


「あなたたち、MPはまだ残っています? もう一度やるにしても秋ほどよりは多くの、できれば2倍のMPを使わないと同じ結果になってしまいますわ」

「大丈夫、だと思います」

「わたしは、もしかしたらこの後の治療でMP不足になるかもしれません。ですが、ここでもう一度やらせてください」


ミキストリアは素早く考えを巡らせた。MPがここで切れるか、次か、その次なのかは重要ではありませんわね。最終的にはわたくしがヒールを掛ければよいこと。この子たちのこの先を考えれば、いちど完全に治るまで担当してみるというのもよい経験になりますわね。その後のことはわたくしが責任をとればよいわけですから。


「ええ、ではお願いしますわ」


ミキストリアは2人に笑顔で応えた。リディとメーシャはぱあぁというように笑顔を見せた。隣で成り行きをはらはらしながら見守っていたレイチェルとアルベルタもほっとしたような表情になる。


(いろいろな症状を経験するために人数をこなすことと、最後まで完全に治すということと両方をやっていく必要があるということですわね)


リディとメーシャはこの後、2倍ヒール、3倍ヒールと追加の回復魔法を掛け、ようやく毒を完全に排除することに成功した。集中し多くのMPを一気に使った2人は額に汗をかき息も挙がらせるほどだった。その後、アルベルタも2倍ヒールで消化系を完全に治し、全ての処置を終えた。


ふらつきながらも起き上がった兄とそれを支える妹からの、終わらない感謝の言葉を聞きながら、ミキストリアはその場を離れた。


「領主様、わたしからも心からの感謝を」

「ええ、ローリー、上手くいって良かったわ。わたくしも、この子たちも、良い経験になりました」

「休憩したほうがよろしいのではないでしょうか?」

「ええ、わたくしもそうお願いしようとしていたところよ」


ローリーに案内されて、その近辺では一番という食堂に入る。食堂は閑散としていて、休憩時間のようでもあったがローリーが無理を言って果実水を人数分用意させたのだった。食堂も、だされたコップも果実水も粗末なものであったが、それが手抜きや嫌々でしている対応ではなく、むしろ精一杯のものであることが明らかなので、ミキストリアは不快に思うことはない。ミキストリアに対して過保護な護衛騎士も文句を言うことは無かった。


護衛騎士が毒見した果実水を一口飲んで、ミキストリアは切り出した。


「ローリー、あなたはいつ気が付いていたの?」

「領主様、なんのことでしょう?」

「今日、町長が選んだ4人が全て毒症状だということに。この後の2人も毒なのでしょう?」

「1人は知りませんが、もう1人は毒にやられたという噂を聞いたことがあります」

「ローリー、一般的な回復魔術師が使うヒールは毒には効かないということは知っていて?」

「……」

「ヒールは人の自己治癒能力を高めることで怪我や病気を治す。つまり、人の治癒能力では治らない毒はヒールでは治らない」

「……」

「毒の治療には別の解毒魔法デトキシファイが必要で、この使い手は少ない」

「ですが、領主様のヒールは!」

「ええ、わたくしたちのヒールは一般的なものではないのです。そして侯爵領でしか知られていないのです」

「……」

「つまり、町長はヒールでは治らないということを知っていて今日の4人を選んだ」

「……」

「それで最初の質問にもどると、あなたはいつ気付いたのかしら、今日4人がすべて毒症状だと」

「最初のお爺が毒とは知らなかったのですがお爺を見たときになんとなく、もしかしたら、って」

「わたくしは町長に嫌われているようですわね」

「そんなことは……」

「ローリー、あなたはどうなのです?」

「領主様、正直、最初は人気取りで、チヤホヤされたり、それで町の人をを味方につけて良いようにしようとしているのかと」


護衛騎士や従者が人を殺せそうな目線でローリーを見る。


「い、いえ、今はもう、アイツも治してもらいましたし、魔法修行の材料に使われていることもわかりましたが、治してもらえるんならそれもどうでも良いことで……」


ローリーは慌てて護衛騎士や従者に向かってブンブンと手を振るのだった。



読んだいただき、ありがとうございます。

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