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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
6章 新領地編
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ラミーア会見

感想、評価お待ちしております!!

誤字報告ありがとうございました!



南方の島を与えるという決定から2ヶ月後、ミキストリアはラミーアを伴って、父ローレンスと王宮に出向いた。ラミーアを伴うのは、ラミーアが神話の中の国の女王であるということに敬意を表し島を「化粧料」としてラミーアに与えられるという形になっているからである。


ミキストリアもラミーアも爵位がないまま領地を管理することになる。つまるところ、生活が立つようにするので出てくるな、王国政治に関わってくれるなという体のいい厄介払いなのであった。


(王家の目の届きにくいところで色々な事に挑戦する良い機会ですわ)


もとから王家と縁続きになる気がさらさらないミキストリアはこの決定を喜んで受け入れた。



~~~



ミキストリア達は、20人でも囲める大きさの楕円のテーブルがおかれた応接室に通された。しばらくして国王と王妃が入室し、挨拶も早々にしてミキストリア達を着席させると、リチャード王が口火を切った。


「ミキストリア、この度の働き、見事である。宝具についてもそなたの案を受け、王家所蔵とするが後生大事に飾るだけでなく、必要な際には実戦で使うべく取り計らう事にした」

「もったいないお言葉でございます。法具についてもご賢察頂き感謝いたします」


(最初は全部を差し出すつもりもありませんでしたが、使用権も頂きましたし、そのうえで島と引き換えならば上々ですわね)


「うむ。して、ミキストリアよ。ダンジョンで仲間を得たそうだな?」

「はい。女神ユグラドル様のご神託もあり、得難い出会いに恵まれました。こちらがその1人、神話で伝えられる失われた国の女王、今はラミーアと名乗りわたくしの客分となっております」


ミキストリアはそう言って隣のラミーアに視線を送る。ラミーアは急ぎ作らせた、古風というよりむしろ古代風と言いたくなる様な、凝った装飾を付けたシンプルな型の薄紫のドレスで装っている。紫は神話の時代では貴色、王とその家族のみが纏える色であった。ラミーアは王宮へ入る時から一貫して傍若無人な態度を取っており、王の入室の際にも面を下げることはなかった。これは、元であるとはいえ一国の王が別の国の王に会うという立場を取っているからである。ミキストリアも「神話時代の王を伴って拝謁」という体裁を取っている。


「聖ユグラドシア王よ、お初にお目にかかる。ラミーアである。縁あってミキストリアの客分となる事になった」


ミキストリアの隣でラミーアは、優雅に扇を動かしながら、目線を下げるだけの挨拶をする。


「聖ユグラドシア王国のリチャードだ。ラミーア殿、神話の中の国というのはいささか驚かせてもらったが」


ラミーアはつまらなそうな顔を隠そうともしなかった。


「リチャード王、無理もなかろう。(われ)も逆の立場であれば、直ちには信じぬ。だが、おそよ神話に書かれているという通りだ。もっとも(われ)は神話とやらは知らぬがの」

「……」

(われ)は国を治め、神に請われ妻になると正妻がいた。(われ)はそれでも構わんのだが正妻はそうもいかぬという。また正妻は神代を統べる大きな力を持つ女神で他のどの神も頭が上がらぬ。(われ)は正妻に神代を追われ冥海で眠りについた。今に伝わる神話でもそう書いてあると聞いた」

「そのラミーア殿とこうして話を交わすとは、いやはやこれほど不思議なことはあるまいて」


リチャード王は頭を振った。


「さてラミーア殿はミキストリアの客分ということだが、この国に居を構えるということでよろしいか?」


リチャード王がラミーアを見据えていう。


「そのつもりである。ミキストリアの行くところ全てに付き合うつもりもないが、縁あってのことゆえ、ミキストリアを捨てて他の国へ行くつもりはない」


リチャード王は小さく頷く。


「小さな島だが、ラミーア殿とミキストリアの新たな仲間が問題なく過ごせる場所を用意した。そこで楽にしていただけるとありがたい」


ラミーアは小さく頷いた。


「気遣い、感謝する」

「うむ」

「リチャード王よ、一つ良いか?」


ラミーアがついでの話といった風情で王を見た。ミキストリアはその様子に嫌な予感を感じるが、元王とと国王の話に割り込むこともできない。客分を預かる側としても、悪い予感というだけで割り込めるものではなかった。


「なんであろうか、ラミーア殿?」


ラミーアは不敵に口角を上げる。


「先にも述べたが縁あってミキストリアに付いておる。(われ)は自ら厄介ごとを起こすつもりはないが、飛んでくる火の粉を見逃すつもりもない。これはミキストリアが仲間にした他の者も同じであろう」


ミキストリアは内心クラクラしながらも必死に表情を取り繕った。


(ラミーア、言い方! 言ってくれるのはありがたいですが、直球すぎではありませんこと?)


「ラミーア殿、忠告感謝する。身の程を弁えん奴がいるようで失礼した」


リチャード王が内心の怒りを薄く滲み出させ、目線だけでラミーアに謝った。

ラミーアは扇をひらひらとさせて呑気な調子で返した。


「いや、詫びには及ばない。(われ)らが火の粉を振り払えばいいだけであるしな。振り払った火の粉で火傷をするのは愚か者の勝手であるしな。

 ふふふ。

 では、(われ)らはそろそろ暇乞いしようぞ」

「ラミーア殿、話が出来て重畳であった」


読んだいただき、ありがとうございます。

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