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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
6章 新領地編
88/135

ダンジョン討伐報告

感想、評価お待ちしております!!

誤字報告ありがとうございました!


ユリウス・マルキウス侯爵領のダンジョンを最深部となる5階層まで踏破して戻ってから3か月あまり、ミキストリアは家族、仲間、従者侍女と船に乗っていた。


(この三か月はばたばたしておりましたので、船旅ものんびりできて良いですわね)


ミキストリア達が乗る船はアキトが開発した大型船用の魔導ジェットエンジンを搭載し、竜骨と船体を鋼で補強してあり、順風状態で帆走する同型船と比べても2割ほど速いのだった。長距離航行の実験も兼ねているため、最悪の場合には帆走できるよう帆柱も帆も用意がある。鋼の錆対策として特殊な塗料が塗ってありそれの検証もするというのがアキトの弁であった。その魔導ジェット船に、資材を乗せた従来船を伴走させていた。


出発当初、魔導ジェット船に何かあった際には救助が必要という理由で従来船に乗っていた騎士や従者も、魔導ジェット船が安定して航行しており、傍から見ても揺れが少なく速いのを見て、数日後には全員で魔導ジェット船に乗るように変わったのだった。


ミキストリアは、陸に沿って南下する船の甲板で魔導ジェットエンジンの爆音を遠くに聞きながら、父ローレンスから聞いた王都での会議の様子を思い出していた。


~~~


ミキストリアがダンジョンを出て領都に戻ったのが年末。ミキストリアがダンジョンを踏破したことで危機が去ったという早馬は直ちに王宮に送られた。


侯爵家当主ローレンスが嫡男フィリップと共に王に拝謁し、ミキストリアの制圧行の詳細を報告したのが新年早々。この拝謁をミキストリアは欠席した。スキルや仲間になった魔物たちのことをあれこれと興味本位で聞かれるのが嫌だったというのが本音だが、表向きは、ミキストリアが参加するとなった場合、仲間とは言え魔物を王都そして王宮に連れ入るわけにはいかないということと、置いて行く場合に仲間になったばかりの魔物の傍を何日も離れるのは今はまだ良くないというのが表向きの理由である。


ローレンスは、ミキストリアが持ち帰った戦利品の中から、致死の戦棍と金、ミスリル銀、アダマントを半分を献上し、合わせてミキストリアが他にも宝具といえるアイテムを持ち帰ったこと、魔物を仲間として連れ帰ったことを伝えた。


攻撃を聖属性化するというアンデッド特攻ともいうべき致死の戦棍は、王と王妃だけでなく、ローレンスの前もっての依頼で同席したヴァレリウス公爵、カシウス公爵、ガルシア公爵の眼も見張らせるものであったが、それよりも大きな驚きで受け止められたのは言うまでもなく、ミキストリアの魔物仲間の話である。


テイムというスキルは知られており、それにより魔物を従属させるテイマーという職業も知られていたが、そのためには魔物を屈服させる必要があるため、強力な魔物は従属できないというのが常識であり、せいぜいが危険度Cランクどまりであったのだった。危険度Sランク、SSランクの魔物を従属させるというのはそもそもできるとさえ思われていなかったのである。


また、魔物を4体従属させたとことも問題を大きくした。1体ならまだしも、この4体が仮に敵対し、同時に襲ってくる様なことが起きた場合、王都の騎士団、魔術師、近衛師団でも対抗できないと予想されたからである。ミキストリアの、ひいては侯爵家の保有戦力は国王の直接配下の戦力を大きく上回っているのだった。


拝謁の場は荒れた。テイムされているとは言え、危険度S、SSランクの魔物が王都から1、2日の距離にいるという事実は、特に王妃を大いに慌てさせたため、ローレンスは一時的にせよ領内でも王都から遠ざけると切り出して、直ちに了承された。表向きには、制圧後のダンジョンの経過を観察し、必要なら追加の制圧を行うため、とされた。


(お父様からシェヴァニーへ急ぎ向かえ、と言われた時にはさすがに呆れましたわね。領地を移動する間も大騒ぎにはならなかったというのに…)


席が改められ、王妃が退席し、王太子エリックと第二王子アーサーが呼ばれた。途中、軽い昼食をとりながらも議論は続けられた。


ダンジョンからミキストリアが持ち帰った宝をどうするかについても揉めた。本来であれば侯爵家の一員であるミキストリアが持ち帰ったものは全て侯爵家に帰するのが当然なのだが、モノがモノだけにローレンスとしても侯爵家だけのものとするのはためらわれた。同じ派閥で縁続きでもあるヴァレリウス公爵でさえも、貴族間のパワーバランスを激変しかねないこの宝の山はそのままにしておけなかったようであった。


王太子エリックが、法具は国宝級、つまり国の宝であり王家が献上を受けて所有するのが当然であるという考えを言ったことも議論の混乱に拍車をかけた。国王はその考えを否定したが、その否定の仕方が簡単に過ぎたため、ローレンスだけでなく、公爵たちにも懸念を巻き起こしたのだった。ダンジョンに限らず、領地で掘り出したものがその価値によっては自動的に王家に徴収されるなど、貴族にとって到底受け入れられる考えではなかった。



読んだいただき、ありがとうございます。

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