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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
6章 新領地編
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お披露目試乗会

感想、評価お待ちしております!!

誤字報告ありがとうございました!


魔石を動力とするジェットエンジンを搭載した「魔導ジェット船」のお披露目は大成功であった。


ミキストリアは貴族の貴賓客を厳選し、各家1人とした上で領都に呼んだ。領都からは侯爵家で用意した馬車でシェヴァニーへ向かう。名目は魔物仲間の披露であり、それはそれで大きな話であったが、本当の狙いは魔導ジェット船である。


魔導ジェット船のお披露目は祥子が司会役を務めた。祥子もミキストリアもジェットエンジンやらこの「魔導ジェットエンジン」やらの詳細は全く分かっていないのだが、祥子の方がまだジェットとか反作用という概念への理解があったからである。


大貴族4人、船乗りギルドと船大工組合からの代表4人、合計8人の招待客を前に挨拶を終えた祥子が説明する。


「こちらが、今日のお披露目の魔石を使った魔導ジェットエンジンの試作機になります。試作はこちらのアキト魔道具工房が行なっております。ジェットエンジンというのは初めて聞く言葉かと思いますが、内部に火、水、風の魔石を仕込んでありまして、それによってフレイムバーストを発生させ前に進むという魔道具です。

 フレイムバーストは皆さまご存知のように、炎が爆発するように広がって、敵や物を吹き飛ばす魔法です。このエンジンではその吹き飛ばす力を使ってエンジン自体を前に前にと進めます。詳しい仕組みについては秘伝もありますので、この魔道具は火、水、風の魔石を使うとご記憶ください。


 さて、今からこれを開発したアキト殿に、少しだけ動作させてもらいます。お近づきになりますと非常に危険ですので皆様お席から動かずご覧になってください。

 ではアキト殿、お願いします」


アキトは操作盤に近づくとエンジンを起動した。風の魔石がその魔力によってエンジン内に風を起こし、フワーと微かな音を響かせる。


「今エンジンを起動しました。準備動作としてゆるく風を吐き出しています。これから点火しますと大きな音も出ますのでお気をつけください。またくれぐれもお席を立たぬようお願いします。ではアキト殿」


祥子が言うとアキトはエンジンに点火した。ボッボッボッボッという音に歓声が上がる。祥子が、エンジンの力で風車が回っていることを指摘すると歓声は大きくなった。さらにエンジンの出力を上げて風車が勢いよく回るのを見せてからエンジンを止めた。


「今ご覧いただきました通り、今日はお披露目のためにエンジンを台に固定していますから、エンジンが前に進む代わりに後方に強い風を起こすことになります。その風の力で風車が回ったということです。

このエンジンをつけた船を用意しています。ご足労ですが、湖畔までご移動お願いします」


前回の試乗の際にはまだ帆柱は残してあったが、エンジン一つでも戻ってこれる事、万が一立ち往生するようなことになっても新たに作ったもう一艘で救助に行けることから思い切って帆柱は切り落としてあった。帆もなく櫂もない船は見た目のインパクトも大きいのであった。


「ご覧のように実験用に小さな船を使っておりますので座る場所など十分なご用意がありませんが、それでもよろしければ是非お試しください」


粗末な船に乗せたなどと文句を言ってくる貴族はこの中にはいないはずだが、貴族相手ということを意識して祥子は説明した。


ヴァレリウス公爵は王国でも王家に次ぐ最上位の貴族であり来賓では唯一の当主であったが、祥子の台詞を軽く笑い飛ばした。


「ははは、ショーコよ。このような滅多に無い機会をそのような詰まらぬ見栄で逃す者はここにはおるまいよ。どれ、私が最初に乗ろう」


ルーカスはそう言うと、気軽な様子で船に近づき、弟子とアキトに手を支えられて船に乗り込むと慎重に先へ進んで腰を下ろした。


(ルーカス様、ありがとうございます)


ミキストリアは心の中で礼を言い、貴族4人を追って父ローレンスが乗った後に最後に船に乗ると、ライフジャケットを着こみ、他の試乗客もライフジャケットを着たことを確認してアキトと祥子に笑顔を向けた。


「では皆様、いってらっしゃいませ」



祥子が頭を下げる姿はあっという間に小さくなった。



〜〜〜



試乗会は大盛り上がりで終わった。貴族達の後に続いて試乗した船乗りギルドと船大工の面々が試乗を終えると、工房に戻って一息入れる。その後の話はミキストリアの出番である。


「皆様、新しい船、魔導ジェット船はいかがでしたでしょうか? 風向きに大きく左右されず安定して運航できる可能性があることがお分かりいただけたかと思います」


全員が頷くのを見てミキストリアは続けた。


「ご覧のとおりあの船はまだまだ実験段階です。次は沿岸を回るような船で実験して実績を積み、実用化に向けて進めたいと思っています」


貴族は全員が頷いていたが、船乗りギルド長は乗り気でないようだった。



読んだいただき、ありがとうございます。

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