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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
5章 ダンジョン攻略編
69/135

ダンジョン 2F 3


「隊員のみなさん、ご苦労様」


ミキストリアが隊員が集まるほうに戻って声をかけると、呆然と惚けていた隊員も気を取り直した。後衛防御に当たっていたジェフリーとジョルジがドロップアイテムの収拾に行き、カリンとコルビーは手分けしてヒールを全員にかけて回る。



ミキストリアはこの戦闘でレベルが上がっていた。


ーーステータス (差分)ーー


ミキストリア ユリウス・マルキウス

状態: やや高揚

LV: 40 [up +1]

HP: 943/943 [up +93]

MP: 2195/3130

腕力 76 [up +2] / 体力 87

速度 76 [up +1] / 器用 143

幸運 103 [up +2]

スキル:

 威力制圧 [new]

称号

 ボス討伐:リザードマンエンペラー (2%/2%) [new]

従魔:ブーディカ [new]


【威力制圧】

 威力制圧スキルを上乗せした攻撃で対象のHPが0以下になるとき、対象はHP 1で制圧された状態になる。その後、その対象を仲間にすることができることがある。

 仲間にできる確率は習得レベルで変動。


ー-ー-


ミキストリアのステータス表示は差分のみの簡易版になっていた。


(またステータス表示が変わりました? 差分?? 何が変わったのかと思いながら発動したせいですの?

これはこれでアリ、ですわね。

そしてこの、威力制圧。これがあの効果というのは明白ですが、スキルを身に着ける前から発動するとは。

これも導きの一部ということなのでしょうか???

それにしても女神ユグラドルは魔物を仲間にさせてわたくしに何をさせるつもりなのでしょうか?

なぞが増えてしまいましたわね)



輪になって座り、お茶とお茶請けが配られた頃、ドロップ品を収拾に出ていたジェフリーとジョルジが戻って来た。


「ミキストリア様、今回はこの魔石4つと指輪、皮でした」

「ご苦労様。2人もお茶をいただいて」

「「はっ」」


ミキストリアはお茶で喉を潤すと隊員を笑顔で隊員を見回した。


「今回は作戦通りの連携で上手くいったといえるでしょう。大きな損傷もありませんでしたわね?」

「「「はい」」」

「MP消費もボス戦の割に少なかったのではないかしら?」

「ええ、オークキングの時よりも消費は少ないです」

「はい、まだまだ大丈夫です」


ミキストリアはコクリと頷くと続けた。


「ブーディカが仲間になったのは想定外でしたが、これも何かの縁。隊員の皆様も仲間と扱ってくださいね?」

「「「「はっ」」」」

「ブーディカのステータスも見ましたが、レベル40、魔法レベル50となかなかでしたわ。しかもレベル40としてみても、HP、MPなどの数値が高いのです」

「「「え?」」」

「ええ。おそらくですが、初期能力値が多いのかもしれません。あくまでも推測ですが……」

「なるほど、そういうこともあるかもしれませんね……」

「それから、さきほどわたくしのステータスを見ましたが、魔物を仲間にすることができるスキルを習得していましたわ」


ミキストリアはあえて何でもないことのように話してみたが、無駄であった。


「……ミキストリア様……」

「……やっぱり……」


もう誰も驚かないようである。


「これからも仲間を増やしてみようかと思っているのですわ。ですから、先ほどのように倒れた魔物がダンジョンに消えず、白く光った場合には攻撃しないでください。

 万一ということもありますから、その場合は攻撃待機、魔法はホールド待機とします。わたくしが話しかけると仲間になるようですので、そのまま攻撃はしないようお願いしますね?」

「「「「は、はい」」」」

「それでは2時間ここで休憩し、先に進むことにしましょう」


隊員が諦めたかのような顔で一斉に頷いた。


(さてこのドロップアイテムは……)


【リザードマンエンペラーの秘宝<氷晶の指輪>】

 装着するといつでも丁度良いひんやりとした状態に保たれる。

 火属性ダメージを30%減少。


【リザードマンエンペラーの皮】

 リザードマンエンペラーの皮。

 水属性攻撃と物理攻撃に耐性がある。



「隊員のみなさん、ステータスは確認しました?

 今回もボス討伐称号が付いておりますわね。これもオークキングと同様の効果のようですわ」


ミキストリアは隊員達がコクコクと頷くのを見て自分も頷き返した。


「それからこの指輪は、火属性攻撃のダメージを軽減する効果があるようですわ」

「「「はい?」」」

「もしや、それで私の魔法がダメージ少なかったのですね?」


シルバンが腑に落ちたという顔で言う。


「ええ、それで間違いないでしょう。これは、盾役のジェフリーがつけるのが良いかしら?」

「いえいえ、それはミキストリア様がおつけになってください」

「ジェフリー? あなたのダメージが少なくなれば、それだけ他の人が助かるのですわ。後ろからヒールする回数も減るでしょう? これはあなたの為ではなく全員のためですわよ?」

「ですが……」

「今はこれだけですが、他に同様のアイテムが出たら同じように盾役に使ってもらいますわ」

「そこまで仰って頂けるのであれば、この作戦中はお借りしております」

「ええ、そうしてくれると助かるわ」


(わたくしにはイージスもありますし、ということは言わないでおきましょう。イージスの範囲にジェフリーも入れていますから、ややこしくなりますしね)



車座になって休憩している間に、ミキストリアのサーチに引っかかるものがあった。ボス部屋につながる通路の遠い端のあたりであった。ミキストリアが要撃準備のために隊員に声を掛けようとすると、車座の外側、1mほど離れたところに寝そべって休んでいたブーディカが鼻をひくつかせながら音もなく立ち上がり、通路へ出ていくのだった。


ミキストリアが驚いて出入口に近づくと、慌てたジェフリーとカテリンが護衛ポジションにつく。程なく通路の先から、激しく、肝を冷やすような威嚇する咆哮が聞こえた。見るとジェフリーもカテリンも青ざめている。


ミキストリアは、2体のリザードマンナイトがボス前部屋から逃げ去っていくのがサーチで分かった。


「ブーディカが追っ払ってくれたようですわ」


ミキストリアが安心させるように言って車座に戻ると、ジェフリーとカテリンは顔を見合わせ信じられないといった表情で戻って来た。


(なるほど、同種の血はなるべく流さない。これがブーディカの王家の誇りということですわね)


ミキストリアは、程なくして、笑顔のように見える顔つきで戻って来たブーディカの頭を撫で、クッキーを上げるのだった。



読んだいただき、ありがとうございます。評価、感想おまちしてます。

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