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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
5章 ダンジョン攻略編
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ダンジョン 2F


ダンジョン2階に降りた先の部屋で、ミキストリアは昼を摂りながら3時間休憩することにした。これによって魔術師はMP残量が40%程度にまで回復する計算である。通路から時折、リザードマンウォリアーが入ってくるため、騎士6人は交代で昼食を摂り、警戒についていた。魔術師はよほどのピンチにならない限り待機であり、そのようなピンチはやってこなかった。ミキストリアがここでもサーチを発動しており、近づいてくる敵は事前に察知したからである。


地図を見ながらすべてのルートを巡るが、3つ目の部屋では北側の出入り口と通路の一部が浸水していた。その水は、風があるわけでもなく流れているわけでも無いのにさわさわと波立っていて、クロムグリーンに見えたりプルシャンブルーに見えたりキラキラと光っている。


挿絵(By みてみん)


「波打っていたり、色が変わって見えたりと尋常の水ではありませんわね。

 何か心当たりある方いまして?」


ミキストリアは不思議な水を前に隊員を振り返った。誰もが首を振る。


「危険な感じはしませんが、これに不用意に浸かるのも下策。アビー、これに覆いをかけられまして? あちら側に渡る間持つだけでよろしいですわ」

「全員同時に乗るのはお勧めしませんが、3人程度であれば問題ありません」


アビーがすかさずストーンウォールを横に展開し、自分が渡って見せた。盾を構えたジェフリーと殲滅の剣を佩くカテリンが続く。2列縦隊のまま全員が渡った。


「先に進みましょう。この先の部屋にまたリザードマンウォリアー2体とウィザードがいますわよ」


リザードマン上位種が3体いたその部屋は東西に出入口があり、その東側の出入口とその先の通路2mほどはまた同じような水で浸水していた。


「2度目となると、これは何か意味があるのかもしれませんわね」


ミキストリアは、目の前でさわさわと波立つ水を前に呟いた。


「<ステータス>」


ミキストリアは先を急ぐあまり、ダンジョンの中で鑑定スキルを多用してこなかったが、この尋常ならぬ水が2度出て来たことでその正体を見てみる気になったのだった。



【竜己の恵みの水】

 ダンジョンによって生成された魔力を含む水。竜やワニ、トカゲ、カメ、ヘビなど竜己類のHPとMPを50%回復する。



「なるほど……」

「ミキストリア様、いかがされました?」


ミキストリアは隊員達に振り返った。


「今、この水をステータスで見てみたのです。

 この水は竜己の恵の水と呼ばれるもので、竜己類、竜やワニ、トカゲなどがこの水につかるとHPとMPが50%まで回復するものだ、と……」

「「「なんと!」」」

「それでは、もし竜がこの水につかっている状態だと倒せないということになります!」


カテリンが首を振りながら言う。


「そうですわね。もっとも竜を倒すということがそもそも容易ではないとは思いますが。

 あるとしたら、HPを50%まで減らしたうえで、残り50%を一撃で奪うようなダメージの攻撃を与えるくらいでしょうか。即死させる攻撃も有効かもしれませんわね」

「なるほど。そういう手もあり得ますな。そもそも竜が、というのは残りますが」

「ミキストリア様、竜の話はさておくとして、リザードマンもこの恩恵を預かるということでしょうか?」

「おそらく、そういうことでしょう」

「この水は要注意ですね。高ダメージの攻撃で押し切る、というのは今後の作戦としてよいかと」

「ええ、その通りですわ」

「ではまた橋をかけます」

「アビー、ちょっと待って」

「ミキストリア様?」


ミキストリアはステータスを自分以外、ドロップ品以外の鑑定に活用していないことに反省して、他の魔法もいろいろ活用してみようと思い立ったところである。


「<収納>」

「「「はい???」」」

「「「えぇーーーー!?」」」


ミキストリアが目の前の竜己の恵みの水を収納した。収納リストは「竜己の恵みの水(320L)」となって追加されているのだった。


「水も入りますのよ?」


ミキストリアは唖然とする隊員に微笑みかけた。



3つ目の部屋でリザードマンジェネラルとリザードマンウォリアー、メイジ2匹を討伐した後、ミキストリアこの部屋で野営することとした。その部屋は行き止まりになっており、出入口の警戒もやりやすい。


「今日はここで野営しましょう」


この日休憩は多かったが、時間的には夕方に近づいていたこともあり、余裕を持って1日を終えることにしたのだった。



4日目。殲滅の剣を持ったカテリンが抜群の働きをしていた。長槍を持ったグリンダが牽制し、カテリンが仕留めるというコンビネーションが上手く機能していた。ウィザードなど遠距離攻撃をしてくる相手は、シルバンの火属性魔法やスエーレの風属性魔法で対応できた。シルバンとスエーレのMP消費を抑えるためにミキストリアも順番で攻撃に参加し、遠赤外線レーザーでリザードマン上位種を焼いていった。


2階の残りの部屋と通路を全て巡り、ミキストリア達は円形の部屋で野営準備をしていた。この円形の部屋は、長い通路によってボス部屋につながっている「ボス部屋前」である。


翌日。ボス部屋の中にはリザードマンエンペラー、リザードマンキング、リザードマンクイーン、リザードマンアドミラル、リザードマンジェネラルがいることが判明する。


(リザードマン クイーンとはなんともごろの悪い種族名ですこと。

 それはさておき、この中の2、3体は魔法攻撃をしてくると思ったほうがよいですわね。となると……)


ミキストリアはいったんボス部屋のドアから距離を取り、作戦会議をして全員の意識を統一すると、ボス部屋に入った。



ボス部屋はサッカーのフィールドが入るくらいの大きさであり、中央部分はひな壇のように盛り上がり、リザード エンペラーが寝そべっていた。その周り、ひな壇の下には、キング、クイーン、アドミラル、ジェネラルが同じく寝そべっており、鼻をひくひくさせていた。臭いで敵の襲来を感知したようだった。


奥には水場があるようで、壁のようになっている部分から水が流れ落ちている。


「アビー、水場を取り囲んで!」


ミキストリアはその水が竜己の恵みの水、あるいはもっと、例えば100%回復と言った、より強力な水である可能性を感じてアビーに命じた。


読んだいただき、ありがとうございます。評価、感想おまちしてます。

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