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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
5章 ダンジョン攻略編
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ダンジョン攻略開始


作戦会議に、ミキストリアは祥子を伴って参加した。父ローレンスからの要請もあったことと、祥子が作戦の全容を知ることで、サラやヒラリーへの説明もうまくできるだろうという配慮もあった。


作戦会議室には騎士団副長ジェスト、旅団長3名、魔法師団長バート、連隊長3名に、ミキストリアと祥子が加わっている。騎士団長のエルウィンと団長付き連絡士官、魔法師団副長と団長付き連絡士官は現地に残って指揮をしている。魔法師団には連隊の上位組織となる旅団がなく、団長に3つの連隊が付く構成である。


ローレンスは作戦会議室に入り席に着くなり話はじめた。


「皆そろっておるな? では、はじめよう。

 知っての通り、ダンジョンの様子がおかしいとエルウィンから報告があった。恐らく近いうちにスタンピード、つまりダンジョンから魔物が溢れ出てくるだろうということだ。

 ダンジョンは地下に降りていく様式だと言うことだ。まだ1階と2階までしか到達していないが、地図はできている。

 ここまでが今わかっていることだ」


ローレンスはお茶で喉を潤すと続けた。


「我々は迅速な行動が必要だ。だが無策はならぬ。この会議で全てを決め、未確定部分は作戦中に決めていくものとする。良いな」


ローレンスの言葉に全員が静かに頷いた。


「ダンジョンには少人数で入り戦わねばならない。

 大物相手ということだと、ミキストリアの魔法が一番強力な攻撃手段だ。よってミキストリアがダンジョン制圧を担当し、残る騎士魔術師で制圧中に溢れて出てくる魔物の対応を担当することとする」


静まり返った会議室にローレンスの声が響く。ローレンスはここまでの話に反論や疑問がない様子を見て話を進める。


「ミキストリア、制圧部隊の構想を聞こう」


作戦は制圧隊を指揮するミキストリアの案と、守備隊を指揮するジェストとバートの案にさまざまな角度から検討を加え案を練っていった。



〜〜〜



1週間後、ミキストリアは、新たにイディアと名付けられたダンジョン村にいた。作戦会議の後、制圧部隊の精鋭の選抜と連携調整に2日費やした。夜は家族の団欒と祥子との愛の営みで、ミキストリアは気合十分で領都を発った。


制圧部隊はミキストリアに加えて盾役の騎士3、近接戦闘の騎士3、火水土風の魔術師各1、聖2という構成になった。13人は行動を共にするパーティとしてみると多過ぎるが、魔術師の属性を揃えることを優先した結果であった。魔物を倒せないとしても、弱点属性は見つけ出し、編成し直して再度当たるためである。


ダンジョンの入口は下半分が岩で塞がれていた。ダンジョンから出てこようとする魔物を開いている上半分から攻撃していたが、強い魔物が多くなり、また攻撃してくる数も増え、そろそろ岩での足止め限界に来ているとのことだった。アルウィンは出口から縦深陣を敷き、側面からの攻撃を多数与えることで対応する考えだった。


「ミキストリア様、そろそろ次の群れが攻撃してくる頃と思われます」


縦深陣の柵を越え、ダンジョン入口の正面に立ったミキストリアにエルウィンが声をかける。


ミキストリアはエルウィンに頷くと、制圧部隊の隊員を見回した。


「それでは隊員のみなさん、一当てしましょう。ここで圧倒できなければ中には入れませんわ」

「「「「はっ」」」」


隊員も気合十分のようである。


「来たようですわね、2人ずつ行きましょう。仕留めたら交代を繰り返します」


入口は3人並ぶの幅があるが、戦闘となれば2人が適切であった。ミキストリアは入口から3mほど離れた中央に位置し、前方左右で隊員がそれぞれの獲物で魔物を討伐するのを見守った。2人の聖属性魔術師カリンとコルビーはミキストリアの後で負傷者の回復を担当する。


魔物はオークで、オークソルジャーも混じっている。数は多いが足止めできているうちは問題ない。4回転して隊員が手応えを感じ、少々キレも落ちてきた頃、ミキストリアは交代で入ろうとした火属性使いのシルバンを制した。


「わたくしも入ります」


ミキストリアは前に出ると、オークソルジャーが入口に迫ってきているところだった。


(ここで、レーザーの実践を積んでおかないといけませんからね)


ミキストリアは右手を突き出し、手のひらをオークソールジャーに向けた。オークソルジャーは岩の隙間から右肩をだし剣を振り上げて岩を砕こうとしていた。入口を塞いでいる岩はオーク、オークソルジャーが次々に体当たりするのでぐらぐらし、また、剣戟で少しずつ削れていた。


(まずは……)


「<グリーンレーザー>」


ミキストリアはオークソルジャーの胸を狙ってグリーンレーザー魔法を発動する。50MPをつぎ込んだグリーンレーザーはオークソルジャーの胸に命中し、脊椎を蒸発させて貫通し、後にいたオークソルジャーの右腕にダメージを与える。直撃を食らったオークソルジャーは崩れ落ち、光の粒子となって消えていった。後にいたオークソルジャーは剣を取り落としたが、左手で持つ盾を構えて岩にタックルをかましてくる。ミキストリアは全てのレーザーを試すつもりだったので交代しない。


「<パルス グリーンレーザー>」


パルスはレーザー魔法を0.1秒に1発の割合で2秒間、断続的にレーザーを打つ。緑の光は盾に当たり蒸発させ、腕、肩などに直径2cmのpの抉ったような傷を与え続ける。グリーンレーザーには不思議なことにノックバック効果があり、突進してきたオークソルジャーも20発のパルスを受け続けるうちに突進が止み、最後には崩れ落ちた。


「盾役は両側へ。攻撃はわたくしが!」


ミキストリアの指示で左側で交戦していた騎士が後ろに下がるのを待ち、ミキストリアは入口正面に移動する。盾役の騎士が左右を守る。残る魔物は10匹だが、オークソルジャーとオークナイトだけのようである。


ミキストリアは左手も前に出す。


「<ポインター>」


ポインター魔法はいわゆるレーザーポインターを出す魔法である。これには攻撃効果はないのだが、その名の通り目標をターゲットできる。赤外線レーザーもUVレーザーも目に見えず、どこに当たったかの判定ができないこともあるため、予めターゲットするようにしていた。ミキストリアはオークソルジャーとオークナイトの胸をターゲットする。


「<マルチプル 赤外線レーザー>」


60MPを注ぎ込んだ赤外線レーザーはオークソルジャーの胸に当たり周辺の組織を蒸発させながら貫通した。胸の表面は20cmほどのすり鉢状の穴が開き黒く焦げていた、と、みるなりオークソルジャーは光の粒子になって消えた。もう一方のオークナイトに当たったレーザーは金属製の鎧に20cmの大穴を開けたが胸の傷は致命傷にはならなかった。オークナイトは痛みで剣を取り落としたが、左腕で岩を壊そうと殴りかかる。両脇の盾役の騎士が身構える。


ミキストリアはそのままもう一度魔法を放った。


「<赤外線レーザー>」


胸にレーザーを喰らったオークナイトが光の粒子となって消える。


(流石に装備持ちに60MPは舐めすぎでしたわね)


背後にいたオークナイト2匹が唸り声をあげて岩に突進してくる。


ミキストリアは落ち着いていた。


「<ポインター>

 <マルチプル UVレーザー>」


今度は80MPを使う。それでも60MP2発よりは省エネである。突進して来たオークナイトの鎖骨を起点にすり鉢状のダメージを与え胸椎を粉砕する。背中から血飛沫を飛び散らせたオークナイトはそのまま光の粒子となって消えた。


ミキストリアの、もう一度グリーンレーザーからの4種類試し打ちでちょうどで今回の群れは終わりだった。


「オークナイト級は余裕でいけますわね」


ミキストリアは隊員を振り返った。入口に背を向けるがサーチは発動しっぱなしなので問題ない。


隊員だけでなくエルウィンも守備隊員もミキストリアの魔法で魂を飛ばしているようだった。


「隊員のみなさん? これくらいで驚いている場合ではなくってよ?」


読んだいただき、ありがとうございます。評価、感想おまちしてます。

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