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異世界ヒーラー世界を治す  作者: 桂木祥子
2章 修行編
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ステータスの更新


2回目のキャンプ会議も終わり、3人の去就が見えてきた頃、決起集会をやろうと七海を家に呼ぶことになった。夜ゆっくりできるようにと客間の準備も万全である。七海が自分の車で来るというので来客用駐車場の確保もした。


後は七海を待つだけと、祥子と紅茶を楽しんでいたミキストリアはふとステータス情報を確認した。つい先日、魔法レベルが上がりMP上限も上がったのだが、今日は酔い覚ましヒールなどヒール系を使うのは間違いないし、バーライト魔法も使うかもしれない。ミキストリアがヒールやバーライト魔法でMPを消費しつくすことはあり得なかったが、念のためにも残MPの確認もしておくべき、とふと思ったのだ。


ステータスを確認したミキストリアは思わぬ情報を見てカップを落としそうになり、慌ててテーブルに置いた。余りの予想外の出来事に顔が赤くなるのを自覚する。顔を上げていられず、両手で顔を覆って俯いた。


「え、なに? どうしたの? 大丈夫?」


祥子が聞いてくる。


「だ、大丈夫ですわ、びっくりしただけで……」


ミキストリアは俯いたまま応えた。顔を上げることも祥子と目を合わせることもできない。


「突然どうしたの?」

「あ、いえ、あの、残MPを確認しようとステータスを見たのです、自分の……」

「何かびっくりするようなことがあったの? スタータスに」

「え、ええ、その、状態がですね、えー、『両片思い』になっていて……」


ミキストリアが俯いたまま、なんとか伝えると、祥子が驚いたのか、息を飲むのが伝わってくる。


(祥子が固まっている? なぜでしょうか? なぜこのことで?)


ミキストリアは祥子のその反応が理解できず、俯いたまま動けなかった。


「そ、そうなの?

よ、よかったじゃない。ミキが好きな相手も、ミキのことを、す、好きってことでしょう?

ど、どこでそんな素晴らしい出会いがあったのか、わたしは知らなかったけど、お、おめでとう、応援するわ」


祥子が震える声で言うのが聞こえた。ミキストリアは、赤面していた自分の顔が急速に冷えていき、頭に血が上るのを自覚した。両手で顔を覆っていたが、驚きでそれも外れた。腕がぶるぶると怒りで震える。


顔を上げると困惑した表情の祥子と目が合った。


「こ、この、鈍感女ー!!」

「え? 何? なんで? ひどい。声大きい」

「声も大きくなるわよ!!」

「ミ、ミキ、言葉使いが……」

「言葉使いだって悪くもなります!」


ミキストリアは激情を抑えられなかった。よりによっておめでとうと言われるとは……。


「ひぃ~、ミキが怖い~」

「誰のせいですか!!」

「え~、なんでよ~」

「こっちに飛ばされてから、私のどこに出会いがあったというのですか!!」

「……」

「いつ出会いがあったというのですか!!」

「……」

「ずっと祥子と一緒だったではないですか!」

「わ、わたしの知らない出会いがあったかもじゃない」

「小説絡みで話した人も全部オンラインじゃないですか。

いないんですよ、誰も。

祥子以外は七海さんくらいですよ、ちゃんと話をしたことがあるのは。

七海さんを除けば祥子以外にちゃんと話した人なんていません!!」


ミキストリアは自分も意識しないうちにまくし立てていた。


祥子はぽかんとした様子でミキストリアを見ていたが、急にハッとした表情になると、恐る恐ると言った様子で言った。


「ミ、ミキ、あなたまさか……」


ミキストリアは頭痛がしてくるようだった。


「マジ鈍感すぎる……」


ミキストリアは床に目を落とした。これ以上祥子を見ていたらどうにかなってしまいそうだった。


祥子は一転、ハイテンションになっている様だった。ミキストリアはそのことを感じて逆に自分が落ち込んでいくのを感じた。


「ありがとう!!

ミキが私のことを好きだったなんて!

これは女神様のお導きね!」


ミキストリアは、祥子ののぼせっぷりに、悲しくなってきた。涙がにじんでくる。


「…… わたくしは冷めてきたかもしれませんわ。

ステータス再確認しないと……」


祥子は急に狼狽えた様だった。


「ちょ、ちょっと、ミキ。なんでそんなこと言うの?」

「なんで、って……」


ミキストリアの声は涙声になっていた。



「ショーコは、まーたミキちゃん泣かせてるわけ?」


七海の呆れたような怒ったような遠くから聞こえた。ミキストリアはハッとし顔を挙げると玄関につながるドアを背に七海が立っていた。


「七海!」

「いや、ベル鳴らしても出てこないし、鍵はかかってなかったから入ってみた」

「な、七海はいつからそこにいたの?」


祥子がゆっくりと聞いた。


「『ありがとう』ってショーコが絶叫しているあたりかな。

次はショーコが何か言う番じゃない? 続けて?」

「できるかー!!」

「あ、やっぱり?」


ぐだぐだだった。



翌日、七海が帰った後、ミキストリアは祥子に改まった声で呼び止められ、祥子の気持ちを聞いた。その日から2人は主寝室で寝起きするようになった。


ミキストリアのスタータスは、祥子の恋人、に変わっていた。


読んだいただき、ありがとうございます。評価、感想おまちしてます。

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