第1話 異世界
大変お久しぶりです!
世界設定、一人称での書き方、ストーリー展開など試行錯誤してたらかなり時間が空いてしまいました!
ただ慣れていない書き方のため、読みづらいところやミスもあるかもです。気づいたことがあればコメント頂けると幸いです。
なお、更新頻度は特に決めません!頻繁に投稿する時期もあれば、数ヶ月くらい放置する時期もあるかも知れません……
私の名前は雪ヶ谷桜。いや、シャンって言った方がいいのかな?まぁそれはいいとして。私は今、すごく困ってます。
ー10分ほど前ー
「うーん、この本はどうしよっかなー。内容は好きなんだけど読む時間ないし……。ん?」
私は本棚の奥で本に潰されるようになっていたDVDケースを取る。中にはDVDではなく、ゲームソフトが入っていた。今では昔の存在になってしまったVRMMO。当時の流行りでなんとなく買って、結局プレイすることがなかった。ジャンルはRPG……だっけな。
「まぁせっかくだし息抜きにやってみよっと。」
本当にただの息抜きのつもりだった。名前を決め、役職、ステータスを決める。そしてゲームを開始する。ゲームについて詳しいわけではないが、だいたいよくある流れだろう。そして今に至る。ここだけ見れば、問題はないのだろう。ではなぜ困っているのか。まさかゲームにログインした先に誰もいないなんて誰が想像できるのだろう。加えてこの手のゲームはかじったことすらない。ゲームを中断する方法すら分からないのである。
「さて、本当にどうしよう。」
とりあえず考えてみたはものの、何もアイデアが浮かばない。とは言えじっとしているのも退屈である。
「よし!とりあえずあそこに見えてる街っぽい所を目指そう!流石にそこには人も……、いればいいな。」
まぁかなり古いゲームだし、人がいなくても不思議ではないか。そう思った矢先、私は絶体絶命の大ピンチに陥った。
「えっと……、こういうの、なんて言うんだっけ?モンスター?怪物?」
街を目指す途中で抜けようとした林というか森というか。どちらにせよ、とにかくそこで私はとんでもないものと遭遇してしまった。
大きさは3mくらいあるかな。外見は……、うさぎ?くま?よく分からないけど色々な動物を組み合わせたような感じ。というより、我ながら随分と冷静だなー。まぁゲームだもんね。むしろやられておいた方がゲームを終われそうだし。
ビュンッ!!
ドスッ
「え?」
私は思わず唖然とした。急に軽くなった左腕。ほんの一瞬遅れてやってきた激痛。叫びたくても声すら出ないほどの痛み。痛みに耐えかね、膝をつき地に伏せる。
「嘘……、なんで……」
いくらゲームをかじったことがないとは言え、ゲームに痛みがないことくらいは分かる。いや、正確に言えばあるのかもしれないが、ここまで現実味のある痛みではないはずである。だとするとこれは現実なのだろうか?いや、現実にあんな生き物がいるはずがない。でも……
痛みに慣れたのか、それとも限界を超え逆に痛くなくなったのか分からないが、とりあえず色々考えることはできるようになってきた。
そういえばさっきの怪物はどうして襲ってこないんだろう。目を開けようとしても瞼が動かない。もしかして私はもう死んじゃったのかな。だとしたら……。
私は考えることをやめた。死んでしまったのならもう何を考えても無駄だろう。そしてそのまま、私の意識は消えた。
「ん……。ん?あれ!?」
私が意識を取り戻すとふかふかしたものが身を覆っていた。
「これって布団だよね。てことは!」
私はさっきまでのはゲーム内で起きていたことで、今は現実に戻ってきたのだと思った。しかし、目の前に映る光景は、私が知っているものとはかけ離れていた。夢でも見てるのかな。私は気合を入れるように頬をビシッと叩いた。
「あれ?」
違和感を覚えたが、決して気のせいではなかったらしい。先程切り落とされたはずの左腕がくっついているのだ。まぁ切り落とされたのか、もっと別のもので吹っ飛ばされのかは置いておくとして。やはり今は現実なのかな。
ガチャ
「!?」
扉を開けるような音に私は焦る。ただでさえ状況が読み込めていないのだ。
「あっ、目覚めた?おにーちゃん!さっきの人起きたよー!」
「へーい。」
「あ、あの。」
私が困っていると、扉を開けた女の子が笑顔で話しかけてきた。
「驚かせてごめんね。ちょうどおにーちゃんとお昼の食材を集めてたらお姉さんが倒れてて。あっ、お姉さんを襲おうとしてたケリマは倒しておいたよ。あと腕も治しておいた!」
だめだ。全く理解が追いつかない。とりあえず今はまだゲームの中なのかな?で、危ないところをこの子とそのお兄ちゃんに助けてもらったと。
「ありがとうございます。」
ひとまずお礼は言っておいたほうがよさそうだ。ってあれ?そういえばこの人たちもプレイヤーならログアウトの方法を聞けばいいんじゃん!
「あの、すみません。助けてもらったばかりで言うのもアレなんですけど、私このゲーム初心者でして。ログアウトってどうやってやるんですか?」
「……。」
今度は女の子、イズちゃんの方がポカンとしてしまった。あれ?何か変なことでも言ったかな?
「え、えーっと。」
私がなんて言えばいいのか分からずにいると……
「げーむって何?あとろぐあうとっていうのも。」
んー。これは本当にピンチかもしれない。なんとなく頭の中をよぎっていたけど。もしかしたらここはゲームの中でも、元の現実世界でもないのかもしれない。
「ゲームっていうのはこことは別の世界に存在する遊びのひとつ。ゲームにおいてのログアウトっていうのはまぁゲームの中断を意味する。だよな?」
今度はイズちゃんのお兄さんが部屋に入ってきて、彼女の質問に答えた。
「え。あ、はい。」
この聞き方的にやはりここは異世界なのだろう。でも、だとすればこっちの男の人はなんで知ってるんだろう。私の疑問の眼差しを感じ取ったのか、その男の人はすぐに答えを出してくれた。
「実は前にも一度だけ他の世界から来たってやつと会ったことあるんだよ。名前は聞きそびれちまったけど。で、そいつとあんたの顔立ちっていうか雰囲気っていうかが似てたんだよ。」
「え、ちょっと待って!私そんな話聞いてないよ!?」
「だって言ってねーもん。」
どうやらこの兄妹は仲がいいのだろう。見ているだけでそれが伝わってくる。ってそんな場合じゃない!
「あの!元の世界に帰る方法とかってあるんですか?」
「あー、うん。やっぱり帰りたいよな。ただ俺らもこっから異世界に行けるなんてのは聞いたことねーんだ。」
「そうですか。」
正直、異世界での生活をしてみたいという気持ちもある。絶対に帰りたいというわけではない。
「まぁ、なんだ。落ち着くまではここでゆっくりしてるといいよ。なんも知らない状態で外に出るのも危険だしな。」
それはさっきので身にしみた。
「いやぁでもケリマになさやられてるのを見かけた時は嘘!?って思ったけど、お姉さん異世界のひとだったんだね。」
「うん。因みにそのケリマっていう怪物?はどのくらいの強さなの?」
「え?ケリマは動物だよ。強さはランク適用外。」
私は耳を疑った。もっと詳しく話を聞くと、まずこの世界の生物は3種類に分けれらる。人類種、魔物種、動物種。人類種というのは私たちのような人間や、エルフなどの人型の生物はこの人類種に含まれる。魔物種は文字通り、私がイメージするような怪物である。そして最後の動物種というのは外見こそ魔物種に近いのも存在するが、基本的には全く危険性のない存在らしい。ケリマはその中でも特に安全な部類に入るそうだ。
「まぁ、動物種は魔法も使えないしね。」
「え、魔法?」
「うん。あれ?もしかして魔法知らない?」
「えっと、はい。」
「うーん、そっかぁ。おにーちゃん、なんで説明すればいいの?」
「いや、多分魔法っていうものについては知ってるけど使い方が分からないとかだろ?」
「はい、そうです。前の世界では架空の存在だったので。」
「魔法を使うときに1番重要なのはイメージだ。どういう魔法を使いたいっていうイメージだな。だけど当然、イメージすれば使えるってもんでもない。使えるか使えないかは属性適正だったり、魔力量で変わるな。」
「なるほど。イメージ。」
「まぁいきなりじゃきついだろうからな。イズ。」
「ん?あ!任せて!」
あれ?この流れはもしかして……
「じゃあ私が教えてあげるよ!」
やっぱり。でも生きるためには必要だよね。
「よろしくお願いします。」
「うん、よろしくね!えーっと……」
「あっ、私はシャンです。」
「シャンさんね!私はイズ。こっちはお兄ちゃんのディーン。」
「よろしくー。」
「はい!」
こうしてゲームの誤作動で異世界に飛ばされた私は、生まれて初めて魔法を使うための修行を行うこととなった。
急展開すぎるかな?
ただ序盤ははっきり言って重要性はあまりないので飛ばしていきます!!