◆登校◆
◆登校◆
ん〜っ!!
ゆっくりと伸びをして起き上った。
なんか、久々によく寝た気がする。
早速今日から授業か〜。
ダルイな・・・・・・。
学校は友達がいるから好きだけど、勉強はあんまり好きじゃないんだよね。
お母さんがいたら、
「何のために、高校行ってるの?
しっかり授業聞いてきなさいよ!!」
そう言うんだろうな。
そして、私も
「うるさいな〜。そんなこと言われなくたって分かってるよ!!」
こう返したと思う。
懐かしいな。
あの頃は、本当にお母さんの小言がうるさくて、
一週間ぐらいどこか旅行でも行ってくれればいいのにな〜。なんてよく思ってた。
もう二度と聞けないんだと思うと、あんなにも厭だった小言までも懐かしく思えるものなんだね。
親が自分より先に亡くなることは漠然と理解はしていた。
でも、それはずっとずっと先の話で、私が結婚して子供が生まれて、
その子供が大きくなる頃、みんなに
「おじいちゃん。おばあちゃん。」
そう呼ばれるようになる頃に天国へ旅立つものだとばかり思っていた。
不思議だよね。
テレビのニュースだって、毎日いろいろな人が事故にあったり、
犯罪にあったりしてまだまだ若い命を突然落としている人もいる。
ニュースでは報道されなくたって、突然何かの病気になって亡くなる人だっている。
でも、それは自分とは全く関係ない世界での出来事で、
間近にあって自分に降りかかるかも知れない日常なんだって思うことなんてないよね。
普通・・・・・・。
何の親孝行もできなかった私が今できることは、元気に明るく過ごすことだよね。
よし!今日も頑張るぞ!!
真新しい制服を着て外に出る。
うん!今日もいい天気!!
天気がいいと気持ちまで晴々して明るくなよな〜。
駅までの道を空を見上げながら歩いて行く。
「おはよ〜。ちゃんと前見て歩かないと危ないよ。」
??
なんで、ここに??
朝から爽やか過ぎる笑顔を振りまく涼太。
やっぱり涼太ってかっこいい///
わっっ///
見惚れてる場合じゃなかった。
「ちょっと、涼太なんでここにいるの?」
「ここで待ってれば夕実と一緒に学校行けると思ったから。」
あ〜。そういうことね・・・・・
って違うでしょうに!
「だって涼太はこの駅じゃないでしょ?」
「大丈夫。定期もあるしね。」
「私がいつここを通るかなんて分からないじゃん。
もし先に私が行っちゃってたらどうするつもりだったの?」
「時間に余裕をもって家は出てきたからね。」
えっ?
それって、私と学校行くために早くからここで待っててくれたってことだよね??
「ね〜。どうしてそこまでしてくれるの?」
「昨日の帰り気になったからね。
夕実、帰り際泣いたでしょ?
僕、夕実のことはちゃんと守るから。
強がったり隠したりしないで、僕に見せて欲しいんだ。」
「どうして・・・・・
私のこと何も知らないでしょ?
そこまで私にこだわる理由も全く分からないし、涼太に守ってもらわなくても私は大丈夫だよ。」
本当は誰かに守ってもらいたい。
友達以上の存在の人に私の寂しい気持ちを埋めて欲しい。そう思ってる。
でも、私が心を許した瞬間にいなくなってしまうようなそんな不確かな存在なら
最初からいない方がいい。
期待した分だけ、心の傷は大きくなるから。
「これからお互い知っていけばいいよね。
夕実は僕が初めて深く知りたいと思えた女の子なんだ。
初めて出会ったときからず〜っと気になってた。
最初はただなんとなく気になる存在だったけど、
少しずつ知るたびにどんどん夕実を好きになっていったんだよ。
これが、夕実にこだわる理由。
好きだから守りたい。そう思うのは自然なことでしょ?」
「う〜ん。分かったような、分からないような・・・・・・。
涼太って外見に拘らないの?
もっとかわいい子がいいなって思わないの?」
「外見はこだわるよ。だから夕実を選んだ。夕実は誰よりもかわいいよ。」
・・・・・・・・・。
やっぱりこの人頭おかしい。
よく朝から恥ずかしげもなく、こんなことスラっと言うよ・・・・。
こんなやつ放っておいて早く学校行かなきゃ・・・・・って、
「涼太!ちょっと今何時?」
「わっ、急がないとギリギリだ!夕実走るよ!!」
そう言うと、私の手を握り走り始めた。
ドキドキ・・・・・・・
やけにドキドキするのは走ってるせいだけじゃない。
女の子とは違うしっかりと大きな手。
優しく包み込みながらも、引っ張っていってくれる強さ。
確実に私の中で大きな存在に変化している涼太。
涼太、私・・・・・あなたに頼ってもいいの?