◆電話◆
◆電話◆
あ〜、今日は楽しかった。
やっぱり友達っていいな。
最後は、涼太が優しくするから泣いちゃったけど、涼太の意外な一面も見ることができて、
ちょっと嬉しかったかも。
あっ、そうだ!
敬子に電話してみよ〜っと。
「あ、もしもし。敬子?私夕実だよ。」
「お〜、夕実。ずいぶん元気そうな声じゃない?
何かいいことあった??」
「それがさ〜、・・・・・・・・」
私は、一番話したかった涼太とのことを敬子に話した。
「え〜っ?突然の告白??
いいな〜。私そういうの憧れるよ〜。」
「ちょっと、どこがいいのよ?
ムードも何もなく涼太のファンの前で告白されたんだからね。
しかも、言うだけ言って自分はどこか行っちゃうし、
残された私がどれだけみんなの痛い視線浴びたと思ってるのよ!」
「まあまあ。
でも、イケメンなんでしょ?
それに、涼太君に出会わなかったら、きっと夕実そんなに元気になれなかったと思うよ。」
確かにそうなんだよね。
私もそれは感じてた。
一人になってからは、泣かないために極力両親のことを考えないようにしようって思ってたけど、涼太と出会ってからは努力しなくても、考える時間が少なくなっていた。
もちろん、忘れてるわけじゃないし、心のどこかにはいつもあるけど、
必要以上に考えて暗くなってしまう。なんてことがなくなっているのは事実。
「もし付き合うことになったら。って、もう付き合ってるのか〜。」
「違うよ〜!!涼太が勝手に言ってるだけで、私はまだOKしたわけじゃないんだからね。」
「ま〜、時間の問題でしょ。
贅沢言ってないで誰かに取られる前にさっさとOKしちゃいなさいよ。」
「だって、涼太が本気かどうかなんて分からないじゃん。
からかわれてるだけかもしれないし・・・・・・。」
「でも、そんなことして夕実からかったって、涼太君にとってなんの得にもならないでしょ?」
「そうなんだよね・・・・・・・」
もう、今日一日でいろいろありすぎて疲れたな。
涼太のことはいくら考えても分からないし、とにかく今日はもう寝よう!
電話を切り、深い眠りへと落ちていった。