◆カラオケ◆
◆カラオケ◆
「夕実〜、今日帰りみんなでお近づきの印にカラオケ行くんだって〜。
夕実も行く?」
「どうしよっかな〜。真咲が行くならちょこっとだけ顔出そうかな。」
「じゃ〜、決まりね!」
どうせ早く家に帰っても一人だし、みんなと仲良くするのも大事だよね。
結局、クラスの半分ぐらいが参加することになって、かなりの大人数。
「みんな、ちゃんとついてきてね〜。」
今回の主催者なのだろう。
みんなを先導しながら歩いているボーイッシュな女の子。
こういう子がいると助かるよな〜。
クラスも纏まりやすくなるし、雰囲気が明るくなる。
「夕実〜。カラオケに涼太君くるの?」
「知らないよ〜。何で私に聞くのよ??」
「だって、今日から夕実の彼氏でしょ?」
ニヤニヤと笑う真咲。
もしかして、私で遊んでるでしょ〜。
まったく・・・・・・。
しばらく歩くと綺麗な外観のカラオケ屋さんについた。
室内も、大きくて綺麗だった。
「みんな〜、適当に座ってね。
飲み物頼むから決めといてよ。」
ボーイッシュの彼女がテキパキみんなに指示を出し、皆がそれに従う。
「真咲〜、私ちょっとトイレ行ってくるから、真咲の隣席とっておいて。
それから私、オレンジジュースね。」
「はいは〜い。いってらっしゃい。」
なんか、凄くクラスの雰囲気が良くてみんな今日初めて会った感じがしないくらい。
部屋に戻ると、
「夕実、こっちこっち〜。」
真咲が手を振ってくれた。
ほんと、真咲って美人なのに変に気取った所とかなくて憧れるな〜。
「真咲、ありがと。」
すでに運ばれていたオレンジジュースに手を伸ばした瞬間、
隣からの視線を強く感じて振り向くと・・・・・・。
やっぱり・・・・・。
嫌な予感は的中するもので、涼太が真咲とは反対側の私の隣に座っている。
「ちょっと、何で私の隣座ってるのよ。
他にも席あったでしょ?」
「だって、僕達付き合ってるんだから、隣に座るの当然じゃん。」
あのね・・・・・・・。
誰があんたと付き合うなんて言ったのよ!!
ちょっとイケメンだからって、女なら誰でも思い通りになると思ったら大間違いなんだからね。
しかも、私より真咲や他の子の方が断然かわいいじゃん。
なんで、私にこだわるの?
「え〜、ほんとなの??
涼太君、夕実ちゃんと付き合ってるの〜?」
「マジで〜?俺密かに狙ってたのに・・・・・」
いつの間にかみんなが私たちの関係に興味心身の様子。
ちょっと、何でこうなっちゃうわけ??
違うよ。誤解だよ。
私と涼太は何でもないから。
そう言おうと立ち上がるよりも早く、
「そういうことだから、みんなよろしくね。」
涼太が勝手に宣言してしまった。
「違うよ〜。誤解だから!」
その後叫んでみたけど、すでに大音量で音楽が流れてしまったのと、
皆自分の選曲に気を取られて全く聞いてもらえなかった。
涼太のバカ・・・・・。
こんな強引な人とは絶対付き合わないからね。
そう固く心に誓ったのだった。