◆クラスメイト◆
◆クラスメイト◆
入学式も無事に終わり、皆それぞれ自分の教室に入って行った。
「クスッ。残念だったね。
僕と同じクラスだから、名前名乗ってもらおうかな〜。」
もう。
なんでこんな奴と同じクラスになっちゃったんだろう・・・・・・。
ホント腹立つわ〜。
しかも、周りの女の子の視線が痛いです。
きっと、みんなこいつの極悪な性格知らないんだよ。
確かにこいつがイケメンなのは認めるけど、私はこんな奴好きでもなければ、
話しかけられることさえ迷惑だと思ってるんだからね!!
誤解しないでよ!!
「フンッ。名前ならそのうち分かるでしょ?」
出席番号と自分の名前の書かれた紙が置いてある席に座った。
すでに私の横には女の子が座っていて、
「私、斉藤 真咲。よろしくね。」
にっこり微笑む彼女。
わ〜。超美人。
何この学校??
確かに、先輩達がイケメンで、自由な校風がうりの学校ではあるけど、
女の子もこんなに綺麗な子がいるなんて・・・・・・。
「私は、松田 夕実。夕実って呼んでね。
えっと・・・・・・。」
「私も真咲って呼んで!」
「うん。真咲って可愛い名前だね。」
「そうかな〜。
発音違うと男の子の名前みたいで結構嫌だったんだけど、夕実にそういってもらえると嬉しいな。」
見た目綺麗なだけじゃなく、性格までもいい感じ。
出だし最悪だったけど、真咲のおかげで学校生活楽しく過ごせそうで良かった。
やっぱり、重要なのは性格よね。
あの性悪男、なにやってるんだろう??
気になり振り返ってみると・・・・・
「涼太くんって部活何入る予定?」
「ね〜ね〜、涼太くん、今度さ〜、カラオケでも行かない?」
「あ〜、私も行きたい。絶対一緒に行こうね。」
はいはい。
予想通り女の子に囲まれてるわけね。
さっきの笑顔とは違って、迷惑そうな作り笑いを浮かべてるけど、
周りの女の子たちは、そんな様子に全く気付いていない様子。
ま〜、しつこくされて、ちょっと可哀想な気がしないでもないけど、私には関係ないし・・・・・
そう思って、視線を戻そうとした瞬間、涼太と目が合ってしまった。
私を見るなり近づいてくる涼太。
ちょっと、何なの?
こっちこないでよ・・・・・・。
涼太と一緒に移動してくる女の子達の気迫に押され、席を立って逃げようとした瞬間。
「夕実。なんで逃げるの?」
??
はいっ???
今夕実って言わなかった??
驚いて振り返る私に、最高級の笑みを見せる涼太。
「ちょっと、何勝手に・・・・・」
「あれ、名前夕実だよね?」
当然のように、人の名前を連呼し、
しかも
「何か僕間違ったこと言ったかな?」
みたいな顔をする涼太。
「そうだけど、なんで勝手に呼び捨てしてんのよ?
しかも、いつの間に私の名前知ったの?」
「さっき自己紹介してたの聞こえたから。」
聞こえたって・・・・・・・
ずっと女の子に囲まれてたじゃない。
あんな騒がしい中にいて、私が真咲にしてた自己紹介が聞こえたってどんだけ地獄耳なのよ!!
「だからって、呼び捨てしないでよ。
私の彼氏じゃないんだから。」
「じゃあ、付き合っちゃえばいいんじゃない?」
・・・・・・・・・・
はい??
ついにこの人頭おかしくなったんじゃ・・・・・・。
それとも、熱でもあるのかしら。
涼太のおでこに手を当ててみたけど、う〜ん。特に熱はないみたい。
「なにしてるの?さっきから。」
だから、その悩殺スマイルやめてよ。
ドキドキするじゃない。
「あんた、具合でも悪いの?
それとも朝変なもの食べたとか?」
「プっっ。夕実って変ってるね。
じゃ〜、そういうことだから。よろしく。」
そして涼太は教室を出て行ってしまった。
「夕実、凄いじゃん。
入学一日目であんなイケメンに告白されるなんて。」
「ちょっと、真咲までやめてよ〜。
あんな性悪男彼氏にするつもりなんてないから。」
真咲まで、何言っちゃってるんだか・・・・・。
私だって一応乙女なのよ。
告白されるなら、こんなシチュエーションがいいな。
とか思い描いてるものがあったのに、
こんなムードも何もないよう状況で告白されるなんて・・・・・・。
私、告白されたの初めてだったんだよ。
しかも、同意なんてしてないのに、勝手に付き合うことになってるみたいだし。
いったい私はこれからどうしたらいいの??