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◆二人の付き合い◆

◆二人の付き合い◆


晴れて私と涼太はお付き合いすることになりました。



「だから言ったでしょ?時間の問題だって。

今度ちゃんと紹介しなさいよ。」






敬子にはさんざん

「行動がおそい。」とか、

「自分の気持ちに鈍感すぎる。」とか言われたけど、最後には

「よかったね。おめでとう!」

そう言ってまるで自分のことのように喜んでくれた。







敬子。今度ちゃんと涼太紹介するからね。










きっと敬子も気に入ってくれるはず。
















涼太は、中学から続けている陸上部に入部したため、部活で忙しくなった。




せっかく付き合い始めたんだから、一緒に登下校したかったけど、

朝練や放課後の部活でそれは叶わぬ夢だった。




帰りは待っていようかとも思ったけど、涼太以外にもイケメンがそろっている陸上部は

女の子のファンで埋め尽くされて異様な熱気を発してる。







さすがに私たちのクラスは涼太が堂々と交際宣言したのが功を奏したのかは分からないけど、表だって涼太にアプローチしてくる子はいない。









でも、他のクラスや先輩たちがイケメン涼太を放っておくわけがない。






「涼太く〜ん!!こっち向いて〜。」



「涼太くんってば〜!!」






真剣に部活をしている涼太に対して黄色い声援を送る外野。







私はそれを見るのが嫌だったからいつも先に帰って、

涼太が家に来てくれるのを一人待つというスタイルを取ることにした。












でも、今でも信じられない。










あんなにみんなからキャーキャー言われるような存在の涼太が何で私なんかを選んだのか・・・・・・。





涼太が私を守って言ってくれた気持は凄く嬉しいし、信じてるけど、

もしこの先本当に涼太に相応しい人が現れたら、泣いて縋ったりしないで

一人でも生きていけるようにしなきゃ。















そろそろ涼太来るころかな?















少しでも涼太に可愛いって思ってもらえるように、家の中でもオシャレは欠かせない。








部屋も奇麗にしておかなきゃね。






『ピンポーン♪』





家のチャイムが鳴る。










あっ、涼太だ!!







「お帰りなさい///」



「ただいま。」








そう言ってニッコリ微笑みながら、頭をポンポンっと撫でてくれる。








それだけでも何か嬉しくなっちゃう私。



「夕実、ご飯食べた?」



「ううん。食べてないよ。

涼太が帰った後お菓子でも食べようかと思ってた。」



「も〜、夕実は!!

お菓子なんかじゃ体に悪いでしょ?」









はい・・・・






確かに・・・・・・・。








でも、私。



自慢じゃないけど、料理が全くできないの。












こんなことならお母さんにもっと色々料理を教わっておくべきだったなって思うけど、

今更だよね・・・・。





それに、あんまり食に興味がないんだよね。



お菓子は好きだけど、昔から


「今日はこれが食べたい!」


みたいなものを感じたこともないし・・・・・。




「夕実、買出し行くよ!!」





げっ///





いやな予感・・・・・






これって、


「夕実、僕夕実の作った料理食べたいな。」とかっていう展開じゃない?



「夕実、これ人間が食べる料理じゃないよ・・・・・」


とか言われて、最後には


「僕、家庭的な女の子が好きなんだよね。」


なんて言われて私のそばから去って行っちゃうんじゃ・・・・・・・




嫌だよ、そんなの・・・・・・・。





料理はできなくても、涼太のこと大好きだよ、私・・・・・・。






「どうした・・・夕実??何泣いてるんだよ。」



「だって・・・・、私、涼太に喜んでもらえるような料理作ること出来ない・・・・」



「ぷっっ///もしかして、夕実そんなことで泣いてるの?

夕実が料理できないことぐらい分かってるよ。」








わっ、バレてる///










でも何でだろ?私、一度もそんな話したことないのに・・・・・。






「何で分かったの?みたいな顔するなよ。冷蔵庫空っぽじゃん。

しかも、料理できる人は、夜ごはんをお菓子で済ませようなんて考えないよ。」









さすが、涼太鋭いじゃん。









でも・・・・






じゃあ、何しに買い出しなんて行くのよ?









色々買ったって駄目にしちゃうよ。





「夕実とね、ちゃんと付き合うようになった日に、母さんに夕実の話したんだ。

コソコソ付き合うのも嫌だし。

そしたら、夕実の家庭の事情もよく分かってくれて、一人の食事じゃ寂しいだろうから、

一緒に食べてあげなさい。って言われたんだ。

だから、僕がおいしいもの作ってあげるね。」











涼太・・・・・・










お母さんに私のこと話してくれたんだ。










なんか、凄く嬉しい。
















そりゃ〜、まだ私たち高校生だし将来どうなるかなんて分からない。








でも、きちんと私と付き合おうって思ってくれてるから、

お母さんに話してくれたんだって思ってもいいよね。






















ありがとう。涼太。






それに、やっぱり一人の食事は寂しかったんだ。






料理作れないから、コンビニのお弁当とか、スーパーでお惣菜買って食べたりもしたけど、

なんとなく食も進まなくて、結局残しちゃうことも多かった。





涼太が一緒にいてくれて、しかも涼太が作ってくれるなんてこんな幸せなことないよ。





「涼太〜!早く買い物行こうよ!!」



「ほんと分かりやすい性格だな。」






そう言って優しく笑う涼太の手をひっぱり買い物に出かけた。



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