◆告白◆
◆告白◆
「ね〜、涼太。もう少し時間大丈夫ならうちに寄って行かない?」
「えっ、いいの?」
嬉しそう///
涼太が嬉しいと私も嬉しいよ。
「おじゃましま〜す。」
礼儀正しく挨拶をして家に入る涼太。
涼太には、私のこと、そして家族のことちゃんと知ってもらいたい。
そのチャンスがきっと今だと思う。
お父さんも、お母さんもきっと涼太なら気に入ってくれると思うんだよね。
「涼太、今飲み物出すから、そこのソファーに座ってて。」
「うん。」
何故か口数が少なくなる涼太。
やっぱりいつも強引な涼太でも、さすがに女の子の家は緊張するのかしら?
「はいどうぞ。」
「ありがとう。」
二人ソファーに並んで座り、無言のままオレンジジュースを飲む。
最初に切り出したのは涼太の方だった。
「ねえ、夕実。
今日夕実の家の人留守なの?」
そうだよね。
もう夕方なのに、私たち以外誰もいない我が家。
普通疑問に思うよね・・・・・。
「今日ね、涼太に家に入ってもらったのは、
ちゃんと私のこと知ってもらいたかったからなんだ。」
「うん。」
「私ね、この家で一人で暮らしてるの。この間の春休みにね、両親が事故に遭って・・・・・・」
ちゃんと話そうと思ったのに、涙があふれてくる。
そう言えば、両親が亡くなったことを言葉として話すのは初めてかも知れない。
高校へは私の今後を心配した中学の担任が報告してくれていたし、
お父さんの会社へは敬子のお母さんが連絡してくれた。
だから、今まで誰にも話したことなかったんだ・・・・・・。
流れる涙を優しく拭いながら肩を抱いてくれる涼太。
決して先を急かすことなく、私が落ち着くのを待っていてくれる。
私は大きく息を吸い込んで、ゆっくりと話し始めた。
「親戚は誰もいないし、施設に入った方がいいんじゃないかって言われたんだけど、
私にはこの家があるから、一人で頑張ってみようと思ったんだ。」
「話してくれてありがとう。
ありきたりなことしか言えないけど、僕できる限り夕実が寂しい思いしなくて済むように守りたい。
僕じゃその資格ない?」
不安そうに私の顔を覗き込んでくる。
涼太・・・・・。
資格だなんて、そんなもの必要ないのに。
涼太が私のそばにいてくれるだけで、笑ってくれるだけで、
どんなに勇気付けられてるか分からないくらい。
もう、私の中で涼太は誰よりも大きな存在になっていて、
涼太がいない日常なんてありえないよ。
「私こそ、今まで素直じゃなくてごめんね。
私、涼太が好き・・・・・。そばにいて欲しい・・・・・。」
告白って恥ずかしいけど、自分の気持ち今伝えなかったら、絶対に後悔すると思う。
「僕も夕実が好き。ずっと一緒にいよう。」
近づく涼太の顔・・・・・・。
柔らかく優しく重なる涼太の唇。
私のファーストキス、涼太で本当によかった。
涼太、ありがとう。