【第一話】血税
葉月です!よろしくお願いします!初めて物語を書きました。厨二病が激しくて妄想ばかりをしているので、どうせならこの妄想を終わらせてみようと(いつも妄想だけでストーリーが終わらなかったので)、決意した作品です。この作品が有名になったらどうしようとか夢を見てしまうどうしようもない語彙力皆無の凡人ですが、暖かいめでお願いします!
小窓から見えた景色は薄暗かった。空を見上げても全て鉛色だ。英雄物語で読んだ青い空は、未だに見たことはない。
金髪に黄金色の瞳の特徴を持つ青年の名は、ノラといった。もうすぐ18を迎える歳だ。この歳だが色恋沙汰はないと言っても等しい少し寂しい青年だ。この青年の心模様はまるでこの空のように薄暗かった。
「もうすぐ18ね」優しく母が声をかける。
そう、もう時間は残っていないのだ。残っていない…はずなのだが実感がわかない。
「何か誕生日に食べたいものあるの?」
母の瞳は悲しかった。
彼女は、話しながらなんでもこなす、器用な人だ。今もいつもの癖でドラム式の乾燥機に洗濯物を入れようとしたところ ーー 何か気づいた。少し腹立った様子で、嫌々にベランダの入り口を開けた。
「こんな時に電気ないって本当に…」続きを終わらせられない母の代わりにノラは、心の中で言った。
『ーー本当に神様なんているのか』
あと少しで18を迎える。何か食べたいもの…
食べたいものはあまりないっというより食べれるものが多くないのだ。この世界には青い空と偉大な太陽は存在していない。存在はしているのかもしれないが、濃い霧で太陽の光は届かない。光のない環境で育つものっていったらキノコ、ジャガイモなど数は限られてるし、肉って言ったら小川の魚か野良猫ぐらいしかない。
「うーん、なんでもいいよ。母さんの手料理が食べたいなぁ。っていうか、まだ死んだわけじゃないからね?」っと強がって笑ってみた。
この国は、小さい土地の面積に悪魔祓いの結界が張られている。それと同じくらいの範囲で石の煉瓦でできた外壁があるのだ。その内側に人間が大聖堂を中心に街を建てた。人口はおよそ五万人。この街の発電所は、一個しかなく、それも聖セントラル=アンドリューズ大聖堂にあり、神の恵だと言われている。しかしながら、その神の恵は人口5万人の電気量を支えるのは足りず、国を八当分で分かれている区域で日にちごとで、区域に電気が流れてないこともある。今日はたまたま第七地区に電気が通らない日らしい。第七地区の民は、お湯も沸かせない寒い朝を憎んでいるのであろう。
*****
いつもの通りでいつもの場所でいつものようにノラは座ってまっていた。
「なーにぼーっとしてんの?」っとユウマは後ろから声をかけた。
「ん?ああ、いや、突然ビビるだろ」
「ビビってねーくせに」っとケラケラとユウマは笑う。
何が笑えるのかノラには全く理解できなかった。もしかしたら、何かあるのではっと無駄に考えてしまったのもノラの悪い癖だ。
考えながら、ユウマのことを見つめた。
「なーに、惚れてんのー?」
違う。ボーッとしているだけだ。
「マジなら、やめろよ?俺だって童貞は、マグリアさんに捧げるって決めてんだ。男は勘弁だぜー」
「ちげーよ!って言うか人妻はやめろ!食料不足が改善されんぞ!」思わず突っ込んだノラにユウマは、またもケラケラ笑い始めた。
ユウマとの腐れ縁と言うやつももうすぐ終わりだとしたら、少し寂しいものだ。物心ついた頃から、一緒にいて、一緒に泣いて、一緒に食って、一緒に遊んで、一緒に笑った。小さい頃はコレが一生続くものだと思っていた。
「明日だっけ?」笑い終わったら真顔でユウマがきいた。
「…っていうか覚えてんだろ?」
「うん、まあ、正気あるかなーって心配しただけだよ」
「余計なお世話だよ。気にすんな、バカ」
「そっか、頭悪いからそれは助かるわ。けど、頑張れよ。」
「おう、ありがと」
親友との最後の会話はそれで終わった。
ノラの18回目の誕生会はあっけなく終わった。笑顔で終えるように努力していた妹も母も最後にはしわくちゃになって泣いていた。そして父の泣き顔を初めてみた。
「当本人の方が…辛いよね…ごめんねぇ、本当に…男の子で生まれちゃってごめんね…」
やめろよ。今更。ノラは我慢した。堪えていたのだ。
しばらくすると家のドアを叩く乾いた音が家中に響いた。
聖騎士団だ。ノラはダイニングテーブルに手をついて立ち上がった。心のせいで身体が重くなったのか、だるくなった鉛のような身体をひきづるようにドアを開く。
「ノラ=キールっとお見受けする。我々と共についてきて欲しい。家族との別れの時間は5分だ。その時間内に必要なものがあったら準備しろ。すぐ出発する。目的地は、聖セントラルアンドリュー大聖堂だ。」
「わかりました。貴重な時間をありがとうございます。」
敬礼。
家に入りながらキッチンにいる家族をみた。青ざめてる顔だ。
「ごめん、お兄ちゃん、なんか笑えって送れないや」いつもならお兄ちゃんっと呼ばない強気な妹も今日は、ノラには可愛らしく見えた。
「わかってたことだよ、気にしないで」笑ってみる。
血税をもらったのだ。いかないわけにもいかない。
太陽がない、食物不足が年中起こっている過酷な世界だ。しかし、43年前から、18を満たした男性のみが血税書という手紙をもらって悪魔調査と言うの名の人口制御が行われている。すなわち戦闘経験の少ない若者が、結界の外に出るのだ。霧に紛れてる悪魔の生贄となって。
家族に最後の挨拶をして、兵車に乗った。隣は誰もなってない。兵士2人が前に座り深く息を吐いた。
「…辛いだろうな」ポツリと兵士がつぶやいた。
「…はい」ノラは答えた。
「坊主、必ず生きて帰ってきて抱きしめてやれよ」
「……はい!!」
そこでノラは初めて涙を流した。
読んでいただきありがとうございます!色々とたりなかった部分などあるのかもしれません!このサイトにコメント機能等ございましたら、どんどん指摘してください。一緒にいい作品していただけらなって考えております!二話までは、少し時間がかかるかもしれません!ありがとうございます!そして、よろしくお願いします!