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凶吉  作者: 夜桜ユウト
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━本複章━4、旅重なるブックマーク【一人目】

まえがきぃっ

━本複章━4、旅重なるブックマーク




【一人目、平出久】





俺にはわかんねぇよ

あんたらがそこまで、腕を切ってまで自分を傷つけないといけないのか。

俺にはわかんねぇ。

なんであいつらがここまで残酷なことしでかしてるのか。

それを自覚してるのに非に思わないでのこのこと暮らしてるのが。

わかんねぇ。

この学校もこの街もこの国もどうしてこんなに「負」の感情が満ち溢れてるのか。


傷ついたことないし


傷つけたことも、たぶんないし


傷つきたいとも思わないし


傷つけたいとも思わないし、たぶん、相手も自分も


物理的にも、精神的にも


親と、その二人の人間が産んだ一人の人間の子供が一緒に暮らして

そんなこともできない家族があるってのに理解ができないし、『「普通」が一番良い』っていう意味も分からないし。

そんなことないじゃんだって。

家族とはいっしょにいるはずだし、「普通」より「すごいやつ」の方が、「頑張ってるやつ」「優しいやつ」「できるやつ」がすごいのは当たり前だし。


辛いのは皆同じかもしれない。

確かにそうかな。

僕はそう思う。

だって「理由が違うだけ」だもん。

例えばさ、「親が殺されて孤児になった」とか「虐待がひどくて逃げ出したい」とかあるじゃん。

辛いのを我慢して耐えて発散する日も来なくて。

でもね

「普通であることがしんどい」「なんでつらいのかがわからない」「自分がやりたいことを分かってもらえない」とかが、こうも下に見られるようなさ、そういうのが全く分からない。

「悲惨さ」でしか物見ない大人にはなりたくないなって最近思ったね。

「悲惨さ」を、アニメとかドラマでしか見れないような大人にはなりたくない。

とかいってつらいのを体感するのはもっと嫌だしそんなとこ見たくもない。








そういえば話変わるけど





「悲惨さ」に負けて勝手に飛び降りていったやつもいたな。



「悲惨さ」を見て、勝手に自分のせいにして自分を斬ったやつもいたな。

 


「悲惨さ」を見て、勝手に弱いやつに立ち寄れるような「優しい人」に成りあがったやつもいたな。









全部同じに見えるけどな。









人が死んで


人が叫ぶ


人が生きて


人が泣く


どっちも同じじゃないか


そんなことで


僕の痛みだけ


僕だけ


忘れ去られることに


どうにも


どうしても


納得できない






───━━━─── ───━━━─── ───━━━───




<………………ぅいてのニュースです。今日未明、大阪府岸和田市で、17歳の女子高校生が路地裏で服を切り裂かれた状態で発見されました。その後病院に運ばれましたが、命に別状はないとのことです。右腕に多数切り傷が見られ………>





あさからむなくそなにゅーすながすんじゃねぇよくそが




「………は?」

何か聞こえた。



あなたの夢はどこから?



「あぁ?ぁぁぁ………ぁぁぁぁぁあああああ?!」

お目覚めの様で。

久の体内時計はおそらく8時であるが、さて電波時計が記す数字はというと。

「…………おぉぅ、11時20っぷぅぅんんん………………」

今日は特別何かがある日ではない。

学校は訳も分からず臨時休校のメールを配布するし、かといって友達と遊ぶ約束も家族で出かける予定もありはしない。

しかしながら、予定がないとはいえ昼まで寝るのはよそうと昨夜思っていたのにも関わらずこの醜態。

流石に自分でも呆れの感情を向けられる。


「まず、ごはんたべよう………」

今更だが自分が机に突っ伏して睡眠を得ていたことに気が付く。

どこまで終わっている人間なのだろうか。

取り敢えず、そんな終わっている思考をしている暇があったら朝ごはんという名の昼ごはんを用意するわけでして。

適当に冷蔵庫から卵出して、炊飯器からごはんを茶碗に盛る。

「『人間最悪これ食っときゃなんとかなるごはん』こと『TKG』の完成也~」

最近TVで『TKG』のことを『”た”ぶん、”こ”うだったんじゃないか”劇”場』

とか表してるのを見てひとりで笑っていたかな。

まぜまぜ。

「いただきますっ」

無意識にテレビを見ている。

先のニュースと打って変わって料理のコーナーになっていた。

相変わらず、人の死とお気楽料理は価値が同じようで。

視聴率しか考えないメディアとはよく言ったものだが、それに騙される自分らがいるからこの業界は成り立っているわけで。

この産業が無ければこの国が進展しないのもある意味事実だ。

もう少しいいように発展することはできなかったのだろうか。

昔から手前のことにしか興味がない人間の集合体が国家だ。

自分の金銭や生命に深く関する事柄であれば無駄に囃し立てる。

それもこの世界の人間だ。

久は高校生だが、そんな大人にはなりたくないと思う反面いつかはこの思想もこれから生まれてくる若い世代に否定されるのだろうと考えていた。

《それでは、いってらっしゃっ!》

例のニュースは迎えの挨拶にて幕を閉じ、なんで放映されてるのかも理解し難い釣り番組になっていた。

そんな中一人で黙々と米を掻き込み食を終える。


一つ溜息。


「着替え………………なくてもいいよなこれ。昨日の夜着替えたやつだし、ここで寝てたんだし。」

黒のパーカーは先週買ったばかりでまだどこも解れてはいない。

ズボンも然程ひどくないからそのままで。

椅子にかけてある上着を手に取る。

「あ」

テーブルの母の定位置で置手紙を発見した。

大体これが描かれているときは母と父でどっか買い物にでも行っているのであろう。

内容を見る

《冷蔵庫に昨日のサラダ残ってるから食べといて

あと、起きたらラインすること。》

「………………」

………

まぁいいか。

たった今これを読んだけど、面倒なことは見て見ぬふりをして避ける。

全く面倒だ。


それはさて置き

誰もいないのであれば、どこかふらりと散歩にでもふらりしようか。

「暇だしなぁ」

思い立ったのでスマホを探す。

布団を捌け、枕もとを模索する。

「あった」

枕の下敷きになっている赤い板を救出する。

赤色のぼろいカバーがついた古いスマホだ。

最近話題の新作ではない普通の携帯。

動画と連絡手段でしか使っていない。

パーカーのポケットに突っ込んで鍵を持つ。

ドアを開けて再び鍵を閉める。

「………さて」

どうしたものか。

財布を一応持ってきたのでコンビニ巡りでもしてやろうかとも考えたが、なんせ買うものがないのに入っては出てを繰り返すのは面倒だし、何より店の方に迷惑だ。


ピィロンッ


「ぴいろん?」

ラインの通知音だと気づくのに数秒かかった。

親だろうか。

なにかあったか、それとも起きたことの確認か。

暗証番号を一回間違えてから待ち受け画面を開く。

緑のアイコンを一回触り起動するのを待機する。

赤い通知の数字が見えた。

3。


「あれ」

親ではなかった。

めずらしく、他の生徒からのようだ。

一応久は学級委員を担当しているので連絡事項があってもおかしくはない。



しかしながら



「うん………?『吉上英織』………………?」


友達追加もしていない。

一度クラスメイトになっていたくらいの人間だ。

おそらくクラスラインから見つけてきたのだろう。

何の用だろうか。


「へ?」

吹き出しはこう言っている




『急にすまない。』

『去年”2-3”だった教室に来てくれ。』

『あと君だけだ』










二人目、卯花竜譜

あとがきぃっ

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