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俺は幽霊が見えるだけ  作者: 東京人
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朝からロリコン疑惑・・・

この作品は作者が高校生の時から書きかけで放置していたものを、こちらにアップしたものです。完結まで・・・書けるといいな・・・

 


「おーい、起きてよ。お兄ちゃん!」

 いつもの朝。今年で高校三年になる俺の毎日はこうやって妹に起こされるところから始まる。愛らしい顔立ちで兄を思う慈愛に満ちた声。それを聞いているだけで癒される、なんてすばらしい妹なんだろう。俺も誇りに思うよ・・・・。

 ・・・・あれ?



「・・・・・そんな訳ねえだろ!!」

「きゃああ!突然どうしたのよ、お兄ちゃん!」

 布団を跳ね上げ、怒声を上げる俺に怯えてみせる自称・・妹。

「何がお兄ちゃんだ!俺に妹なんかいたことねえんだよ!」

「え~、こんな可愛らしい妹に起こされてうれしくないの?」

 そう言って彼女は可愛らしく頬を膨らませている。俺は決してロリコンではないが、確かにその少女は可愛らしい部類に入るだろう。拗ねてみせるその表情は、世間のロリコンなら拝んででも見に来るかもしれない。・・・・その背後が透けて見えなければだが。




 ここで一応自己紹介をしておこう。俺の名前は榊原正人サカキバラマサト。どこにでもいる高校二年生だ。そんな俺の唯一の特技とも言えるのが、幽霊が見えることである。



 そう、この少女は世間で言わずと知れた、幽霊なのである。名を楓と言うらしいが、こんな奴はクソガキで十分だろう。

「いつまでも妹ヅラしてんじゃねえぞ、このクソガキ!」

「別にいいじゃん。むしろ役得だと思ってれば。」

「殴るぞ。だいたい、いつもテメエが起こすせいでこっちがどんなに迷惑していると・・・」

 俺が今日こそは説教を始めようとしたとき、楓が左を指差した。

「あの・・・そろそろ左見たほうが・・・」

「あん・・・?」



「ちょっとさっきから、アンタ頭大丈夫?」


 ・・・そこに立っていらっしゃったのは、何を隠そう、我が姉貴である。


「ぬおおおおおおおおおお!?」


 繰り返しになるが、一応言っておくと楓は幽霊だ。なぜかわからないが俺には見えている。しかし、当然ながら姉貴には見えていない。すなわち、俺は姉貴から見ると、何もない空間に向かって見えもしない少女に話しかけているただの狂人である。加えて、〈妹〉という単語まで連呼しているのだから、変態以外の何物でもない。


「いや、ちょっと待て姉貴。これには深い訳があってだな・・・」

「はあ。アンタ前からオタクっぽいと思ってたけど、ここまで重度のロリコンだったとは・・・。恥ずかしいから人前でわたしの弟だと名乗らないで頂戴。」


 必死に弁明しようとする俺にゴミでも見るかのような視線を向けると、彼女は去って行った。



「おい、どうしてくれるんだよ!このままじゃ俺が家族から変態扱いされるだろうが!」

 そう叫ぶと楓はひどく驚いたような顔をしてこちらを見てきた。

「え、気がついてなかったの?この前も息子が壁に向かって叫んでるとこ見て、ご両親が心配してたのに・・・」


 ナ、ナンダッテ・・・!?


 道理で最近、母親が「学校で困ってることとか無いの?」なんて尋ねてくるわけだよ・・・チクショウ!


「それとね、お兄ちゃん・・・」

「なんだよ楓。まだ何かあんのか?」

「うん、あのね?そろそろ学校に行く時間だと思うよ?」



 ・・・・は?



 時計を見ると、現在8時ジャスト。学校は8時半から始まるし、家から学校まで約30分はかかる。



「今すぐ出れば間に合うよ、お兄ちゃん。」

「ああ、そうだな・・・。確かに今すぐ出れば間に合うな・・・」

「でしょ~。教えてあげる私ってやっぱできた妹だと思わない?」


 自慢げに語る自称妹。だが、俺はその口元が、爆笑をこらえて痙攣しているのを見逃さない。


「絶対ずっと前から気づいてただろ!!! わざとギリギリに教えやがったな!?」


 全力で怒鳴りつけながらも俺は全力で着替えを始めた。朝飯なんか当然抜きだ。自転車に飛び乗ると学校を目指して走り始める。



 こんな感じで俺のいつもの日々が幕を開けた。




 なお、怒鳴りながら家を飛び出していく姿を見て、家族がさらに俺の頭の心配をしたのは言うまでもない。

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