表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
債務奴隷解放宣言  作者: 大垣 壽雄
1/18

1,決算書を燃やす

「債務奴隷解放宣言」


目   次


1、決算書を燃やす

2、裏金

3、再会

4、務奴隷

5、悪夢

6、倒産

7、離婚

8、鬼になる

9、経営コンサルタントへの道

10、拉致

11、訪れた女社長

12、会社売ります

13、駆け込み寺

14、針の穴くらいの抜け道はあったのに

15、気がついたら愛していたのです

16、倒産五周年記念パーティー

17、居酒屋チェーン
















1、決算書を燃やす


心地よい風が秋の訪れを予感させる。しきりに小鳥の声が聞こえてくる。季節の移ろいを忘れていたのはいつの頃からか。

大滝龍二は過ぎ去った闘いの日々をたぐり寄せながら、十三年前に立ち上げて倒産した会社の決算書類を燃やしていた。このほどやっと会社の整理が終わったのである。

十三期分の書類は思いのほか大量にあった。

消えていく決算書は大滝のすべてを賭けてきた夢であつた。胸に痛みを感じるのは当然のことである。

「これが最後の仕事だ」大滝は独りつぶやいた。

こんなときに便利なシュレッターは、ほかの事務機と一緒にリース会社に引き揚げさせていた。

大滝竜二、四十七歳。妻の京香とは、目下別居中である。生活の糧は学習塾の経営をするかたわら経営コンサルタントで得ている。

請われて始めたとはいえ、会社をつぶした人間が人様の会社の経営指導することに抵抗を感じないわけではなかった。しかし、食べていかなければならない。この仕事を本業にすることも選択肢の一つだと考え始めていた。

中肉中背で浅黒い端整な顔をした、いかにも一匹狼らしい風貌である。

悪戦苦闘の数年間が精悍さを増したようだ。

どこか少年の匂いが残るのは時折見せる、はにかんだような表情のせいであろう。

手塩にかけて育ててきた十三店舗のレストランを、営業を続けながら一店舗、そしてまた一店舗と、三年がかりで処分してきたのである。経営を続けながらの整理は、生き恥をさらすような敗戦処理で一般的な倒産とは別な辛さがある。

最後の店はショッピングセンター内のテナントであった。テナント仲間へのあいさつ回りが最後のつくり笑いであった。

 灰の中で未練を残すように燃え残る紙の束、それをバラして燃やしながら大滝は思う。       屈辱的なこの思いが、決算書を燃やすように消え失せるときがくるのであろうか。

誰もいなくなった社屋の裏庭。煙が目にしみる。残された灰を見つめていたが、意を決したかのように、用意していたバケツの水をかけた。

澄んだ空気の中に舞い立つ紫色の煙。

静まり返っている事務所に入る。自分の足音だけが妙に大きい。

ここは、宇都宮市の郊外で大滝が経営していたレストランチェーン「フロンティア」の本部があった場所である。

雑木林など、緑に囲まれているせいか市街地と比べるといくぶん涼しくのどかである。

大滝の構想では、店舗数が二けたになった時点でフランチャイズ(FC)システムの構築に着手することになっていた。思えばその準備に取りかかり始めたさなかの、事実上の倒産であった。

事務所と、隣合わせの棟に小さいながら、セントラルキッチンがあった。

フランチャイズシステムの構築を考えて四年前に建てたものである。

セントラルキッチンは、原材料の加工を集中して行う施設である。

皮肉にも、店舗段階のコスト削減や品質の向上と標準化の融合に力を発揮し始めたところで稼働は停止された。多種多様なメニューも開発途上で止まった。

厨房設備や周辺機器、食器、食材などのすべても二束三文で処分した。

フェンスに囲まれた本部の敷地は約三千三百平方メートル、約一千坪である。

小さな建物のわりに敷地が広いのは、将来三ケタの店舗になったときに、対応できるよう土地を大きく確保していたからである。

場所は幹線道路から、直角に車で五分ほど入ったところである。距離にすれば五キロも入るわけだから、便利なわりに緑に囲まれている。なによりも土地の価格が安かったのが魅力であった。

フロンティアの店舗網の大多数は郊外にあった。

車社会のこの地域では仕入れ業者の納品や、社員の通勤には便利な場所であった。大滝が、チェーンの本部には理想的な立地だと惚れ込んで求めた場所である。

車社会といえば聞こえはいいが、電車や地下鉄などのインフラが充実していない地域ともいえる。そのせいか、栃木県は自家用車の普及率が全国有数である。

間もなく見納めとなる事務所の中は、殺風景なほどきれいに片づけられていた。

一つだけ、外し忘れた店舗のパースが斜めに傾いて壁にかけられていた。理想的な店舗をつくろうと考えに考えぬいて図面を起こしたが、日の目を見なかった新店舗の姿である。この店を見ることなく一敗血にまみれた悔しさが蘇る。

このパースを描いたあの人はいま、どうしていることであろう・・・。突然草野明美の瞳が大滝の脳裏に浮かんだ。

取引先のデザイン事務所の社員でありながら、クライアントである社長の大滝におもねることもなく、自分の意見を簡潔に述べる店舗デザイナーであった。なによりも彼女の持つ色彩感覚に舌を巻いたことを思い出す。

おもむろに、かつてデスクのあったあたりに眼をやる。そこに座っていた社員たちの面影を追った。そこには散り散りに別れていった彼らの息遣いがかすかに残されていた。

みんな、明日のために今日を犠牲にすることを惜しまない、気概に満ちた若者の集団であった。

なによりも、大滝のビジョンに共鳴して集まった男たちである。

夜の店長会議や、幹部による同業他社の新店の視察が終わる頃は、夜も白々と明けてくることも稀ではなかった。それでも皆当たり前の顔をしていた。

他店の視察の後、バックヤードの外のゴミ置き場からこっそり、生ごみや食材のパッケージの入ったゴミ袋を失敬して、ここに持ち帰り、食材の品質や銘柄を調べたこともあった。

そしてある時期は、朝の暗いうちに先進チェーンの新店舗の工事現場に出向き、工程にそって写真を撮り続けたこともあった。それは建築コストの低減や、効率的な設備などの研究に役立てるためである。

それもこれも、小が大になるための野望があったからこそやれた。

猛烈な勢いで拡大した外食産業も大滝が起業した十三年前にはピークに達していた。

外食産業同士の競合に加えて、コンビニエンスストア、弁当店やピザのデリバリーサービス、スーパーマーケットの総菜部門などの中食なかしょくと呼ばれる勢力は、レストランのパイを確実に侵食していった。中食と昼食とは違う。外食と家庭内食事の中間だということから中食という言葉ができたのであろう。

人間の食事は、一日三回が普通である。業態は違っても食事を提供する商売としては、みな競合していることになる。

外食産業の企業数はなお増え続けてはいたが、消費の伸びは鈍化し始めていた。

なぜ大滝がこの時期にレストラン業界に参入したかというと、効率ばかり追いかけるファストフードやファミリーレストランチェーン業界に、物足りなさを感じていたからである。

どのまちへ出かけても、同じような看板と店に同じようなメニューとサービスである。 理論的には標準化や単純化はチェーン化の基本ではある。しかし、これはあくまでも、売る側の論理である。すべての消費者に支持される店などは考えられない。もちろん、さまざまな来店動機のすべてにふさわしい店もあるはずがない。

能率や合理性を超え、生活を彩る多種多様なレストランの出現を待ち望んでいる顧客は少なからずいるはずである。

大滝は個性的でアトモスフェアなレストランチェーンの構築を考えていた。

それらのお客を取り込むこと、それは新たな顧客創造になるという強い思いがあった。 大滝がターゲットとする客は、既存のファミリーレストランから脱皮した、個性的な商品とサービス、そして非日常的な時間と空間が欲しい客である。

よく言われる消費者のニーズとは、不足するものを充足することを意味するが、それを超えた欲求、すなわち、ニーズではなく、ウォンツをすくいあげるマーケッターでありたい。そして、大滝が狙う客層に合ったライフスタイルの提案をし続ける企業でありたい。

長いこと夢に見たこのコンセプトの店づくりはもう少しで実現できると思えてきた。

店舗開発に寝食を忘れて取り組んだ深井芳郎。

会計事務所からスカウトした財務担当の宇梶公一。

強引に口説き落として入社させた、証券会社にいた早坂洋介。彼は立地調査のノウハウの蓄積かたわら、将来の株式上場を見据えて準備をしていた。

メニュー開発や技術指導に成果をあげた、ホテルクラウンから、はせ参じた調理長の菊田和也。誰もがみな得難い人材であった。

みんなが夢を共有して、激しく燃えたことを思い出し、大滝の胸はうずく。

大滝は、懐かしさと無念さの交錯する過去を封印するかのように現実の世界へ戻った。

「いよいよ来週は契約だ。そうか、火曜日は大安吉日か。契約書と権利書、それに印鑑証明書を忘れないようにもう一度確かめておかなければ・・・」

このところ、大滝に独り言が増えたのは孤独な生活が板についたせいであろう。

幸いなことに、本部のあったこの土地と建物の任意売買が決まり、その契約が来週火曜日に迫っていたのである。

大滝は事実上の倒産をしながら、自己破産を避けて任意に会社や個人の資産を売りながら整理を進めてきた。そのため担保権者の光陽銀行は任意売買に同意してくれたのである。

不動産仲介業の大木から、運よく買い手が見つかり、金額は一億五千万円で折り合いがついたという報告を受けたのは、半月ほど前のことである。しかも、そのうち一千五百万円は裏金で払いたい意向だという。

大滝は、世の中捨てたものではないと、久方ぶりの朗報に喜んだものである。

それにしても、いまどき裏金を持っている人がいると聞いたときは、わが耳を疑った。

ダメでもともとと思いなが裏金の条件をつけたことが、幸運を呼んだ。それを飲める人に巡り会うことは奇跡にちかい出来事である。

しかし、不動産会社の大木から、買主は手広く犬の牧場を経営していたが最近廃業した人だという話を聞いて、納得がいった。それは、大滝が以前犬好きの友人から聞いた話だが、ブリーダーも獣医の資格と技術があれば自分で犬を効率よく増やし、育てることができるという。つまり、犬の交配に出産、飼育、健康管理を他人まかせでなく、自分でこなすことにより大きい利益を得られる。せいぜい、犬好きの若者を数人住み込みで雇用すれば事足りるのだという。

原価を低く抑えることができ、大きな利益を生むうえに、特定の仕入れ先や得意先が少ないので、その気になれば脱税がしやすい商売であるとも聞いた。

世の中、癒しを求めてのペットブームが久しく続いている。成功する経営戦略の重要な条件の一つは、時流に乗ることだと言われているが、まさに時流に乗ったといえるのであろう。

なんでもその金持ちは、長野県のある山麓でブリーダーを事業としてはじまった男だが、みるみる拡大して、大きく儲けたところであっさりすべてを売り払って廃業したという。

そのとき、インターネットで犬の特別価格による展示会を知らされた多くの愛犬家が犬を見に来たが、その6割が買って帰ったそうだ。しかも、その多くは値引きを条件に領収書なしで買ってくれたという。お蔭でいまでは驚くほどのタンス預金を持っているという。

あらためて大滝は思う。世の中どうしてこうも努力が報われる人と、いくらがんばっても、ムダな努力に終わる人がいるのであろうか。

ともあれ大滝は、担保設定者である光陽銀行に対して、一億三千五百万円で買ってくれる人がいるのでぜひ売りたい、ついては、その金額で担保を解いてくれるよう申し入れた。

その金額では五千万円ほど残債になるので最初は渋っていた光陽銀行も、いつまでもフロンティアに対する債権額にこだわっていると、このまま売れなくなると考えたのか、時価よりはいくぶん安かったが妥協してくれたのである。安いとはいえ競売になれば、価格は格段に安くなるはずである。

取引が成立すれば、手数料等を差し引いた約一億三千万円は、光陽銀行へ消えていく。

しかし、一千五百万円が大滝の手に入ることになる。裏金に対する罪悪感を覚えるほど、いまの大滝にゆとりはなかった。むしろ、光陽銀行の星野政男の顔を思い浮かべながら、これは、銀行に対する報復の一つにすぎない、と自分に言った。大滝はいまでも星野政男を、自分にこの世の不条理を思い知らせ、地獄へ突き落した張本人だと思っている。

ともあれ、この裏金を最大限に活かすことが、大滝のこれからの運命を占うことになりそうだ。

これまで、大滝が動かしてきた金に比べればさほどの金額ではない。

しかし、その日の食事代や車のガソリン代に苦労した経験は大滝にとって、一千五百万円という金の価値は大きかった。

この金こそ大滝が復活するための、そして、誇りを取り戻すための軍資金である。


その夜大滝は、宇都宮駅の近くにある居酒屋“花車”で独り酒を飲んでいた。社員たちと時々飲みにきた店である。なぜかむしょうにここで飲みたくなったのである。

再出発の前祝いにしては、たった一人であるが、むしろいまの大滝にはふさわしい。

雑居ビルの二階にあるこの店は、チェーン店にしては、中高年層に好まれるメニューであり、落ち着きのある渋い色の木材を基調としたしつらえである。

他人から見れば、喧騒の中で一人酒を飲みながら、考え事をしている風情の中年男は孤独に見えることであろう。ただ、大滝にとってこの店は、仕切り系の店であまり人目につかないのが救いであった。

最近地域の知り合いに会うのが億劫になっていた大滝である。それは、「その後どうしています」「いまどちらにいるのですか」「いま、何をやられているのですか」などの質問に答えることに疲れていたからである。

中には心から心配してくれる人もいたようだが、多くはやじ馬根性であることが分かる。

“ひとの不幸は蜜の味”ということわざがある。大滝は、他人の不幸を喜ぶ脳内メカニズムが科学的に証明されたという話を聞いたことがある。また、妬みの感情と他人の不幸を喜ぶ感情の関連性があることも解明されたという。

とにかく、いまの大滝にとっては、目立たぬように一人で飲む酒がいちばんうまい。

飲みながらしきりに考える。不思議にもあの日から今日まで、俺は誰にも一言も愚痴をこぼさなかった、妻の京香にさえも・・・。これはどうしたことなのか。

安っぽいテレビドラマを見て、いともたやすく涙を流す自分が、これまでの人生で最も無念さと、悲しむべきことを味わったはずなのに不思議に涙も出てこないのはなぜなのか。愚痴を言ったり、涙を流したりした瞬間、自ら崩れてしまうことを恐れたからか。

大滝は酔った頭で考え続けることが面倒になり、ひとまず「他人ごとであれば泣けるが、自分自身のことだから泣けない」という結論を出した。確かにこれから背負っていかなければならないものが大きければ、悲しんでいるゆとりなど、ないはずである。

大滝は独り酒にしてはいつもより飲んだ。酒がまわってきたせいか、いささか感傷的になりそうなのをかろうじてこらえていた。

トイレに入った。出るとき鏡の中の自分に対し「お前もよくここまで突っ張ってきたなー、いい玉だぜ」と自分をほめてやったものである。それは、本格的な復活戦に臨もうとしている自分に対する激励でもあった。

席に戻って間もなく「大滝社長・で・す・ね」突然肩越しに声をかけられた。振り向いた大滝の眼に懐かしい顔があった。外食産業の専門雑誌「月刊フードサービス」の記者小山であった。

「やあ、久しぶりですねー。なんですか今日は?」

「やっぱり社長でしたね。いやー似ている人がいるなーと思いまして、声をかけて正解でした。今日は取材で宇都宮の居酒屋を数件訪ねたのですが、その帰りなのです。特集を組みまして、北関東をはじめ地方の居酒屋の動向を探っています」

以前“地域で光る個性的なレストラン”という特集で五社を取り上げたとき、そのうちの一社としてフロンティアを取材してくれたのが小山であった。また、大滝が月刊フードサービス社企画のアメリカのレストランチェーンの視察セミナーに参加したとき、講師のコンサルタントと一緒に添乗員として、なにかと世話をやいてくれたのも彼であった。

「急成長しはじめた矢先に廃業した、と聞いて驚いていたのですが、お元気そうでなによりです」小山は心なし、遠慮がちに言った。

「あの節はお世話になりました。一杯どうですか」大滝は、この男なら乾いた話ができると思い酒をすすめた。

「お一人ですか」と小山は座席を見渡した。

「はい、ご覧のとおりです」

「そうですか、それでは少しだけ頂きます、電車の時間がありますので・・・」

宇都宮駅から東京駅まで新幹線なら五十分で着く。最終は十一時に近いのがあるはずだ。

大滝は、フロンティアが倒産に至った経緯を手短に淡々と話した。

それは、アナウンサーが、ニュースを読み上げるように言葉を節約した事務的なものであった。

小山は、その感情を押し殺した話し方に大滝の傷の深さを知った。

大滝にとっては、小山が下手に同情することもなく、聞いてくれたたことは、救いであった。

それから二人は、外食産業の情報交換にはじまり、いまだに抜け出したとはいえないデフレ時代における消費者の動向、少子高齢化社会における立地の変化、成熟化社会のライフスタイルなどの話に熱が入った。

一時間を過ぎた頃、小山は時計に目をやりながら、「申し訳ありません。そろそろ時間ですのでこれで失礼します」といって立ち上がった。

帰り際に「いやあ、社長はもともと勉強家だとは思っていましたが、コンサルタントになられていよいよ磨きをかけていらっしゃいますねー」

「とんでもありません、それより忙しいところお引き留めしてすいませんでした」

「いいえ、ごちそうさまでした。今日は本当に勉強になりました」

大滝も、忘れかけていた、かつての幹部社員とのディベートをほうふつさせるものがあり楽しい時間となった。

小山は「お言葉にあまえて、今日はご馳走なっておきますが、今度ぜひ、東京で飲みましょう」といって握手を求めてから店を出て行った。


小山は帰りの新幹線の中で、淡々と語る大滝の話を思い浮かべていた。一敗地にまみれた男とはいえ経営に対する見識の深さに感心することしきりであった。そして、別れ際にいったことばが強烈に印象に残った。

それは「このままでは、死んでも死にきれません。ダメな私を一度壊して必ず復活します」と絞り出すようにつぶやいた一言である。


小山と会う前は、一人で飲むのを楽しんでいた風情の大滝も、一人残されると所在なく、すぐさま店員に代行車を呼ぶよう頼んだ。車社会のこの地域では、飲んだ帰りは代行車の厄介になるのが普通である。

帰路の車中で、不景気でさっぱり運転代行を頼む客が少なくなったことを嘆く運転手の話を聞くともなしに聞きながら、大滝は小山と話をしたことで、なぜか静かな闘志がわいてくるのを感じていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ