公約その肆 生徒会長はドM!?
これと次の話で一章は終わりです。(予定)
「コンコン」
俺は口でドアノックをすると返事も待たずに生徒会室に入った。
「待っていたわ。」
怜香は生徒会長専用席に深々と座ってる状態で偉そうにそう言った。
「・・・・・」
俺が黙って出て行こうとしたら怜香が涙目になりながら待ってと言って生徒会長専用席から立ち上がった。
「俺さ・・・あんたのこと嫌いなんだよね」
「はう・・・もっと罵って!!」
なんだと?!こいつはドMの真髄だと!!
「てか、なんだって俺を呼んだんだ?」
俺は怜香をもっと罵りたいと思いながらも疑問をぶつけた。
「あなたに生徒会副会長になっていただきたいのです!!」
ドン!!という効果音が聞こえてきそうな感じで怜香はそう言った。
「なるほどね・・・いいよ。」
「やっぱりだめですよね・・・ん?ってぇぇぇぇぇ!?」
「いや、だからやってもいいって言ったんだよ。」
想像した通りの反応で俺は思わず笑いそうになったがなんとか堪えた。
「まぁ、やるだけな。」
「まさに、外道!!」
うーん、これ以上コント続けてもつまんないしさっさと帰るかな。
でも、その前に・・・
「なぁ、生徒会のメンバー(候補)のリスト見せてくれない。」
「はい、これよ。」
そう言って渡された紙には生徒会役職の隣に色々な人物の名前が書かれてた。
『生徒会長』:刻阪怜香
『生徒会副会長』:御霊東條
『生徒会書記』:富月浪花 ,西園寺華憐
『生徒会会計』:朱崎佐倉,遠山冬美
『生徒会庶務』:朱崎椿
なるほど、生徒会副会長と生徒会長と生徒会庶務以外は二人ずつか・・・ん?なんで華憐が!?
俺は見知った人物の名前が候補に上がっていることに驚いた。
どのくらい驚いたかと言うと田舎のじいちゃんばあちゃんがタブレットを若者よりも使いこなしてることを知ったときくらい?
まぁ、それはさておき・・・
「どうすればいいんだ?あくまでも候補だよな。」
俺は紙を怜香にかえすとそう言った。
「このリストに載っている人たち一人ずつと会い、どのような人物かを確かめるのです。」
「・・・なるほど」
確かに確りとした生徒会をつくるためには確りとしたメンバーが必要だからな。
「んで?まずは誰から会うんだ?」
「そうねまずは――――」
☆☆☆
「ここか。」
朱崎佐倉――朱崎姉妹の姉で2学年トップだ。
英語にドイツ語・・・全部で9か国の言葉を話せる。
さらに、御霊学院の御霊クイーン二年連続で選ばれるほどの美人・・・らしい。
興味なんてないが・・・
閑話休題
俺は上記したこと以外については朱崎佐倉という人物をよく知らない。
ということで2-Aの教室前まで来てる。
「朱崎佐倉はいるか?」
俺はトイレから戻ってきた一人の男子生徒に声をかけるとそう聞いた。
「佐倉さんなら――」
「私に何のようかしら?」
偉く、高飛車な女だな。
それが俺の佐倉に対する第一印象だった。
「・・・・」
性格、しゃべり方、口癖は・・・
「(どうかしたの?まさか、問題でも!)」
「いや・・・こいつは生徒会会計にむいてない。」
「!」
俺の言葉に怜香は驚きを隠せなかった。
「どういう・・・「次のやつのとこにいくぞ。」・・・・」
「ふざけないで!!あなたに・・・あんたなんかに何がわかるの!!」
「!?」
「・・・わからねぇなぁ、ただのヒステリックお嬢様の気持ちなんか」
「っ!」
俺の言ったことが正論なため佐倉は反論できずに悔しそうだった。
「ちょっ!」
俺と佐倉の一触即発の雰囲気に流石に不味いと思ったのか怜香が割って入ってきた。
「・・・・」
俺は教室の方に視線をずらすと、あら不思議。
皆さん、佐倉を睨んでいるではありませんか。
そんななかでも特に突き刺さるような視線で佐倉を睨んでる女子生徒がいた。
「なぁ、怜香・・・佐倉のやついじめにあってんぞ」
俺は生徒会室に戻ってきてソファーに座るなりそう言った。
「どういうこと?」
「クラスのやつらの佐倉を見る視線が異常だった。」
「異常?」
「ああ・・・まるで、存在価値を否定するようなそんな感じだった。」
「そんな・・・!?」
残念ながら本当だ。
俺の言葉に怜香は項垂れていじめに気づかないなんて私は生徒会長失格だわと呟いてた。
「・・・・」
俺はそれを見てやれやれと呆れながらもソファーから立ち上がると生徒会室を出て2-Aのクラスに向かった。
「やっぱりか・・・」
俺はいじめにあってる佐倉の姿を見て顔をゆがめた。
「・・・・」
仕方ない・・・助けてやりますか。
「もしもし・・・ああ、俺だ。頼みたいことが」
さて、潰してやりますか。
俺は電話をきると口角をあげてニヤリと笑った。
可憐→華憐へ変更