第25話 別れは辛くない[後編]
久々の投稿
和樹は片手にパンを食べながら会社に向かっていた。
数日前の事を考えながら仕事先に向かっていた。
自分が大切に育てた宇美と別れた事に。
ーーー沖縄電気工事会社ーーー
和樹は書類を書きながらふと宇美の事を思い出していた。
「もう、終わった事だ!」
そう自分に言い聞かせて忘れようとしていた。
自分から決別をした事を今でも少し悔やんでいるが宇美の幸せを願うならこれが正しいと思っているのだった。
ーーー明石家ーーー
宇美は涙を流しながらずっと下を向いて座っていた。
「和樹さん」
宇美はずっとご飯を食べずにただ涙を流していた。
ーーー末武家ーーー
和樹は片手に包丁を持ちふと後ろを見た。
「宇美ちゃん」
和樹は片手を前に出して少し寂しくなっていた。
「やっぱり、忘れられないよな」
和樹は包丁を持って料理を作り始めた。
宇美という少女が自分にどれだけ大切な人だったかよくわかった。
だが彼女の幸せは彼女が決めてほしいと思っていた。
「俺は、やっぱり」
プルルルルルルルルルルルルル。
いきなり電話が鳴り和樹は歩き始めた。
「誰だ?」
そう言って和樹は受話器を取った。
「はい、もしもし」
和樹は電話に出た。
「末武和樹か?」
そう電話の相手は宇美の母方の祖母の松子だった。
「何んですか?」
和樹はそう宇美の祖母の松子に聞いた。
「貴方にお願いがあります!」
松子はそう和樹に頼んできた。
ーーー赤石家ーーー
和樹は赤石家に着き事情を聞いていた。
「宇美ちゃんに飯を食べさせるために俺の力が必要なんすか?」
和樹はそう松子と惣次郎に聞いた。
「おい、あんたらふざけんなよ!」
後ろには慶と剛が立っていた。
「お二人は宇美ちゃんと和ちゃんを引き離した元凶ですよね!だから宇美ちゃんが出てこなくなったんじゃないんですか?」
剛はそう赤石夫妻に言った。
「私たちは宇美の幸せを考えて」
松子はそう反論しようとした。
「あなた方は!宇美ちゃんを1年以上放置していたのに今更保護者面すんじゃねえよ!」
慶はそう赤石に怒鳴った。
「てめえ等は和樹を理解しなかった。だが和樹は宇美ちゃんの為にいつも笑顔で居てあげるために笑顔で優しく暖かな料理で宇美ちゃんの傷を癒してきたんだ!それをあんたらは理解せずに二人を引き離した。お前らがどんなに頑張っても宇美ちゃんが選ぶのは和樹っていう愛した人なんだよ!」
慶の言葉を聞いて俺は本常先輩が教師に怒鳴った時を思い出していた。
「慶さん、あの宇美ちゃんの部屋に案内してください」
和樹はそう言って二人をじっと見た。
「わかりました」
ーーー宇美の部屋の前ーーー
和樹はゆっくりと扉に触れた。
「宇美ちゃん。開けてくれないか」
和樹は優しくそう言った。
「か、和樹さん?」
宇美の声が扉の奥から聞こえて和樹はゆっくりと距離を取った。
スー。
「宇美ちゃん」
宇美の顔を見た和樹は片目から涙を流しながらそれを拭き取り宇美の頭を撫でた。
「どうして来てくれたんですか?」
宇美の体は目は充血して少し細くなっていた。
「迎えに来たんだよ!」
和樹は宇美の頭を優しく撫でながら言った。
「う、うぁああああああああああん」
宇美は和樹に抱き付き涙を流していた。
ーーー15分後ーーー
宇美は泣き止みキッチンに向かった。
「それじゃあ、今から俺のフルメニューを作ろうか!」
和樹はそう言って片手にエプロンを持ち頭に赤いバンダナを巻いて料理を作り始めた。
まず1つ目の料理はアジの身を細切れにして少々のわさびとネギを混ぜて作った。
和樹の地元は漁師町だったので漁師飯のなめろうを作った。
「じゃあ、二品目だ!」
和樹は若鳥を使い小麦粉で揚げて更にタルタルソースを自分流で作りチキン南蛮を作った。
「三品目はいくよ!」
和樹は海苔の中心に茶そばを乗せてそれを海苔で巻き山口の名産そば寿司を作った。
「最後の品を作るよ!」
和樹はホットケーキミックスを使いあるお菓子を作っていた。
それはチョコどら焼きだった。
「さぁ、宇美ちゃん皆さん食べてみてください」
和樹はそう全員に言った。
「「「「「いただきます!」」」」」
全員が手を合わせて食べ始めた。
「美味い!」
慶はそう言ってガツガツと食べていた。
「うん、和ちゃんの味はこれだね!」
そう剛は言った。
「なぁ、松子」
惣次郎はそば寿司を食べながら松子を見た。
「何ですか?」
松子は惣次郎を見た。
「宇美はやっぱりこの青年に任せた方がいいんじゃないか?」
惣次郎はそう言った。
「その様ですね」
松子は宇美が和樹の作る料理を食べて笑顔で居るのに少し妬けていた。
ーーー19時50分ーーー
和樹は松子に呼ばれて広い奥座敷で話をしていた。
「貴方は宇美の事をどう思ってますか?」
そう松子は和樹に聞いた。
「俺は、宇美ちゃんの事が好きです!異性として!」
和樹はそう松子に言った。
その目は迷いや嘘ではない真っ直ぐな瞳だった。
「そうですか、なら貴方に宇美の事を任せましょう」
そう松子は和樹に言った。
ーーー21時ーーー
和樹は宇美の手を繋ぎ一緒に帰り始めた。
「あの、和樹さん」
宇美は和樹を呼び止めた。
「ん?」
和樹は宇美を見た。
「あの、しゃがんでもらっていいですか?」
宇美はそう和樹に聞いた。
「ああ、構わないが」
和樹はそう言って姿勢を低くした。
すると宇美は和樹の唇にキスをした。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
和樹はあまりの事に驚いていた。
「あの、私!和樹さんの事が大好きです!だからもし私が大人になったら・・・・結婚してください!」
宇美はそう和樹に言った。
「ああ!こんな俺でよかったら」
そう言って和樹は宇美の頭を撫でた。
宇美と和樹の気持ちが1つ近づいた。
続く
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