表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

第9話 進化!これがダリアの真骨頂

防戦一方の試合を、ディエールは楽しそうに見ていた。

瞬きをしながら、まだかまだかとその時を待つ。


「あら、防戦一方のようね。これならモネの圧勝は間違いないわ...やっぱり教え子のすごさは教師のすごさってことよね?」


その戦いを見ながら、エーテルはディエールを嘲笑う。


「ぬかせ、どうせ今のうちだ...」

「負け惜しみね。あーあ、Eクラスになると下手な負け惜しみもできないのね」


エーテルが必要に以上に挑発するが、ディエールはただひたすらにダリアを見つめる。

苦戦するダリアの瞳には、まだ勝利への渇望があった。

ディエールはエーテルのほうを振り向き、フンと鼻を鳴らす。


「入学時に出されたクラスなんて、特に意味はない。大事なのは、その後どうするか...それを怠る奴は、とことん下に落ちる。それがこの学園の仕組みなんだ」

「まだ負け惜しみをするつもり?それで、何が言いたいわけ?」


苛立つエーテルを横目に、ディエールはダリアのほうを見つめた。


ディエールは笑みを浮かべた。


「俺が言うまでもない...あれを見てみるんだな」


そう言って、ディエールは彼女にダリアたちの戦いを見るよう促した。

エーテルが会場のほうに視線を落とした、その時だった。


 ダリアはモネの攻撃をすんでのところで回避し始めていた。












ずっと攻撃を食らってきて、わかってきた。


ダリアはモネの攻撃を見ていくうちに、だんだんと似たような何かをつかみ始めていた。


 目の前に移る光景が、森で木の実を採っていた光景と重なる。


目の前に来る木々を避けていくあの感触。

そして、今までディエールとの特訓で身についた、次に人が狙ってくる箇所。

それらが合わさって、どこに攻撃が来るのかがすべて見える。


 いける...!次回避して、そこから一気に勝負をかける...!


モネの攻撃がダリアの前に来る。

ダリアが回避すると同時に、ヒュン。と、空振りの音が会場に響く。


「なんなのよ...」


さっきまで防戦一方だったじゃない...なのに、急に攻撃を回避し始めた...。普通ダメージを食らえば食らうほど、弱体化していくものでしょう?


モネは歯ぎしりをする。


偶然ではない。一発、二発、そして三発。全て攻撃を鮮やかに回避していく。

目の前にいる男は、確実に進化していた。


彼女の瞳は、絶望に満ちていた。


 なのにどうして、目の前にいるコイツは強くなっていくの...?目の前にいるのは、れっきとした『生き物』でしょう...!?


不可侵の攻撃は、いつの間にかすべてダリアにかわされていた。

モネの懐に、ついにダリアがもぐりこむ。

その瞬間モネは敗北を確信し、脱力するようにフッと笑った。


「ああ...私は怪物を目覚めさせてしまったのね」


直後、拳が彼女を突き抜けるようにめり込む。

グラリと視界が歪んでいき、彼女はその場で気絶した。



「勝者、ダリア・メルデス選手!よってこの勝負、チーム『361』の勝利!」


え、僕たちのチーム名って『361』なの?


どよめきと歓声が入り混じる会場、そこでダリアはふと思った。

もちろん、名づけ親はディエーゴである。




観客席に戻ったダリア、彼の帰還とともに、ゼーラたちは彼を手厚く迎え入れた。

おめでとー!そう言って、ゼーラはダリアに抱き着いた。


「ちょっと、ゼーラ!?」


ダリアは赤面し、ゼーラを引き離そうとする。

しかしゼーラは魔法でも使っているのか、彼女はダリアの体から離れない。


「それにしても、よく勝てたよね」アルゼーヌが言う。

「まあね。けど、結構ぎりぎりだったんだ。魔力も結構削られたと思うし...もしかしたら、あともうちょっとでやられてたかも」


自信なく答えるダリア。

しかしその光景を見ていたディエーゴは、不満いっぱいの顔であった。


 正直、俺はあいつに嫉妬してる。これからは仲間じゃなくて、俺はオマエをライバルとして見てやるよ。


「嘘つけ、限界だったらもっと苦戦するはずだろ。このディエーゴが保証するぜ」

「ん-まあ...なんかいけたんだよ。過去の経験があったから...みたいな?」


煮え切らない回答に、ディエーゴは納得できなかった。


「そういえば、どうしてチーム名を361にしたの?ディエーゴ」

「あ?もしかして気がついてなかったのか?」


へへ。と乾いた笑いをする。


「語呂だよ、語呂」


ダリアは考える。

アルファベット、音訓読み、思いついたものに当てはめてみる。

しかし、どれもピンとこない。


「鈍いな、お前」


ニヤリと、アルゼーヌが笑う。

わかったと言わんばかりの顔で、ダリアに耳打ちする。


「361、つまりダリアって意味だよ」

「え?」


チラリとディエーゴの方を見る。

彼に顔は、明らかに赤面していた。


「ほ、ほら...あれだ。 3はABCのCだけどあえてDにして、6はなんか...『リ』って読めるだろ?それで1は五十音の最初の『ア』を意識してんだよ!」

「苦しいよ、ディエーゴ...」

「ウルセェ!」


牙を向けて、アルゼーヌに怒号を浴びせた。

しかし、彼は堪えるように腹を押さえて笑っていた。


「やあ、ダリア君」


 鈴のような声が響く。

 その正体はもちろんアローネだ。


彼女は呆然とするダリアの表情を見て、くすっと笑う。

そして周りにも聞こえるように大きな声で、ダリアに言った。


「一回戦突破おめでとう。これでようやく、私とあなたで戦えるね」

「ああ...はい。ですができれば、手加減してくれると嬉しいです...」


彼女はどうかなー。と言って、いたずらっぽく笑う。


 あー...絶対手加減してくれない。どうしよう...僕、最悪死ぬかもしれない。


内心呆然としているダリアをよそに、アローネは風に髪を乗せて去ってしまった。


「どうしましょうか...次の対戦相手はAクラスですが、編成でも変えますか?」

ヘルメスが言う。


「ああ、そうだな。このディエーゴに言わせてみれば、最初にダリア、次にゼーラ、その次にアルゼーヌ。四番目は俺、そして最後はヘルメスでどうだ?」

「うん、僕もこれでいいとおもう。まあ、最初なのは少し緊張するけれど...」


初戦はやっぱり大事だもんな...できることなら最初に勝って士気を上げたいところだけど...。


ダリアの脳内に、アローネの姿が横切る。


たぶん無理だよなぁ...。


心の中で、すでにダリアは勝負をあきらめかけていた。










来る二戦目。


ダリアは目の前にいる敵に絶望しながら、静かに戦闘態勢に入る。


 なんでよりにもよってアローネさんなんだ...!?


「おいおい、なんで最初があの人なんだよ!?」


ディエーゴの悲鳴に近い声がつんざく。

対戦相手のアローネは、杖を取り出して構えた。


「奇遇だね...私も君と一緒で『最初から本気で叩き潰す』のが大好きなんだ」


獲物を見つけた猛獣の目で、ダリアを見つめる。

静かな静寂がしばらく流れる。

しばらくして、審判がようやく開始の合図をした。


「はじめ!」という言葉とともに、ダリアは一瞬でアローネの懐に潜り込む。

ダリアは思い切りその拳をふるった。

瞬間、ダリアの体勢は崩れ、まるで磁石のようにくっつくようにして地面に伏せた。

重苦しさで、思わず呼吸を忘れそうになる。


 「なんだ...?まさか、重力...?」


「ご名答だよ。これが私が得意とする魔法の一つの、重力魔法だ。まあただ、君ならすぐ重力魔法を抜けられるだろう?」


彼女の目には、ダリアの内に秘める可能性が見えていた。

しかし彼女の期待とは裏腹に、ダリアの体は先ほどの疲労によって限界を迎えつつあった。

ダリアはボロボロの体を何とか持ち上げる。


 そして重苦しい空気の中、今一度構えをとった。


「さすがだね...じゃあ、これはどうかな?」


直後、数百を優に超える魔法陣が展開される。

重力魔法の次は炎、雷といった無数の基本魔法の連続だった。

パチン。と乾いた音が響き渡る。

それを合図に、ソレは放たれた。

ダリアは腕を交差させ、防御しようとする。


 しかし魔法の量が多すぎるがゆえに、ダリアの腕だけでは足りなかった。


攻撃が止んで、舞った土煙の中からダリアが現れる。

しかし、彼の服はすでにぼろ布のようになっていた。


 腕からは大量の血が流れ出ており、見ている観客は思わず目を背けた。


薄れゆく視界の中、ダリアは苦笑いを浮かべる。


「やっぱり強化魔法じゃ...勝てないのか。これが強化魔法の限界...なの?」


そんな中、無情にもアローネは次の魔法を発動させていた。

パチン。と、再び乾いた音が響き渡る。


 その魔法は放たれてダリアに直撃した。


 くっそぉ...もっと力を...いや、遠距離にも対応できる何かが欲しい...!


ダリアはついに気を失った。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

読者様には主人公が最強に成り上がっていく、そのさまを長い目で見守ってくれたらなと思います!


何かおかしな点があれば報告してください!通知が来たら爆速で書き直しますので(笑)

☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ