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第18話 閉幕!第二次試験

ジーノルタスの襲撃は終わった。

もちろん試験は中止。

代わりとして、筆記試験をやることに決まった。


襲撃者の三人は逃亡を選択。

残りの二人については、別室で拷問を受けている。


時は夜。

平穏な教室で、殺伐とした拷問が行われようとしていた。

二人を拷問をするのは、ディエール。

彼は冷たい目で二人を見下ろし、手にあるナイフをちらつかせる。


「かの有名なジーノルタスさんの幹部が、まさか縄を巻かれて拘束」


フン。と、冷笑する。

目は笑っていない。


「なんともまあ、無様なもんだな」

「俺たちから何かを聞き出そうとしても、無駄だよ」


開いている口で、ネルスが言う。


「だとしても...だ」


ネルスに近づく。そして――

ベリッ!

嫌な音ともに、地面に一枚の爪が落ちる。


 小指の爪が、剝がれていた。


空気に触れるたびに、ひんやりとした痛みが襲う。

ドクドクと、血が流れていく。


「ああぁっ...!!」

「...!」


つんざくをような雄たけびに、ベリルは目をつぶる。

直後、ベリルにも同様の痛み。

それでも、両者共に口は割らなかった。


「次はもう片方の小指だ。その次は薬指...中指...。最後には全部の爪をはいだ後に...」


血濡れたナイフを、くるくると回す。


「その手を斬り落としてやる」


ディエールから放たれる、明確な殺意。

格上による殺意は、ベリルにとってトラウマであった。


「全部...全部言う!」

「おい――」


ベリッ!

今度は、もう片方の小指の爪が剥がれる。


「せっかく教えてくれるようになったんだ。止めてくれるな」


視線をベリルに飛ばす。


「場所は...かつて魔王の隠れ家と言われていた『ダンジョン』です...」

「......そうか。もういい」


ボトリ。

二つの首が、同時に地面に落ちる。


 教室には、再び静寂が訪れた。


血の池から目をそらすように、踵を返す。

バタンッ!

いつも以上に強く、扉を閉めた。


















拷問の夜は終わった。

翌日。

Dクラスの教室で、ダリアは机に溶けるようにして横たわる。


「はぁ...どうしてこんなことに......」

「どうかしたんですか...?」


そんな彼の元に、ヘルメス。

彼女は心配そうな目で、ダリアを見つめていた。


「いや...さ。試験が中止になって、筆記試験になったじゃん?」

「そうですね。それがどうかしたんですか?」


はぁ。とため息をつく。


「僕、勉強が苦手なんだよね...しかも赤点が存在するとか......」


再びため息をつく。

もうおしまいだ。という絶望が、ダリアを押しつぶそうとしていた。


「わ、私が勉強を教えます...!」

「え...ほんと?」


ダリアは机から起き上がり、きらきらとした目でヘルメスを見た。


「一応...私は勉強ができるほうなので」


ヘルメスは顔が熱くなるのを感じ、たまらず視線を逸らす。


(ダリア君と一緒にいたいから...退学してほしくない)


そんな思いを胸にしまい、ダリアの手を取る。


「任せてください...!私、全力でダリア君の勉強をサポートします!」

「ありがとう。これからよろしくね!」


ヘルメスの手を握り返す。

瞬間、殺意を感知する。

振り向くと、そこにはゼーラたちがいた。


「話は聞かせてもらったわ」

「このディエーゴ、お前の勉強をサポートしてやるぜ!」

「ダリア君、僕のことも頼っていいからね」


ぞろぞろと、ダリアの机の周りに集まってくる仲間たち。


(こんなに多くなくてもいいけど...まあいっか)


周りを見渡す。

仲間に囲まれ、自然と口角が上がった。


「みんな、よろしく!」


と。
















それから毎日、勉強を教えてもらった。

魔法の発動方法。魔力の流れ――。

それらの知識は、着々とダリアに身についていた。


筆記試験当日。

「はじめ!」という試験監督の合図とともに、ペンを走らせるように書く。


はずだった。

『魔法は合計何種類の魔法があるでしょう?一から四で答えなさい』

その問いが、ダリアを悩ませる。


(やっべ...まったくわかんない)


何度も目をぱちぱちと、閉ざしたり開けたりする。

しかし、問題は変わらない。


(くそっ...!こいつ、モネやアローネさんよりも強敵だ!)


しばらく考える。

だが、考えは思い浮かばない。


(こうなったら...!)


解答用紙に、適当に二と書く。

ダリアは満足げに鼻を鳴らした。


(心理戦!教師側は大体二を答えにするはずだ!)


その後もすべて心理戦。

解答用紙は、すべて二で埋め尽くされていた。

















試験が終わってしばらく。

廊下には、大きく張り紙が出されていた。

ダリアたちは張り紙を確認して、各々の順位を確認する。


「やった!私は24位!」


ゼーラは嬉しそうに飛び跳ね、流れるようにダリアに抱き着く。


「ちょっと...ほかの生徒もいるから」


離そうとする。

しかし周りには大勢の生徒。

ダリアはただ、受け入れるしかなかった。


「よし、俺は52位!アルゼーヌはどうだ?」

「僕は43位」

「私は32位でした...」


全員が、ダリアへ視線を飛ばす。


「僕は...」


張り紙を左から右へ。

10...40...100...。


「あった」


ダリア・メルデスの上には、120位と書かれていた。

赤点は125位から。

ほっ。と、ダリアは胸をなでおろす。


「やったな!」

「やりましたね!ダリア君!」


こうして、なんとかダリアは赤点を回避することができたのだった。
















太陽が沈むころ。

学園長室で、オリベルとディエールが話していた。

カコンと。オリベルはカップを置く。


「幹部を拷問して、なにかわかったことはある?」

「まあな」


ソファに座ったまま、軽く一伸び。

ふわぁ。とあくびをした。


「ダンジョンが、あいつらの隠れ家らしい」

「へぇ...あんな遺跡みたいなところに住んでるのね」


腕を組み、目を細める。


「それで、人員はアローネ率いるAクラスがいいと思うのだけれど」

「へっ」


ディエールが鼻で笑う。

まるで馬鹿を見るような目で、オリベルを見つめた。


「俺はダリアたちを推薦する...あいつらはキャロルたちを簡単に倒しただろ?」

「...確かにそうだけれど」


それに。とディエールは言葉を付け足す。


「幹部と戦った俺だから言える...Aクラスじゃあ、あいつらには勝てん」

「じゃあ、あの子たちならなおさら――」

「逆だ」


机に視線を落とす。

はぁ。とため息をつき、再びオリベルに視線を飛ばした。


「アローネはともかく、ダリアとアルゼーヌの連携。あれを見たアンタなら、俺の言いたいことがよくわかるはずだ」


彼女の脳裏に、あの時の戦いの光景がちらつく。

経験上、確かにAクラスよりも凶悪な連携だった。

ふぅ。と、脱力するように息をつく。


「わかったわよ。本拠地に潜入する人員は、私とあなた。そしてダリアたちとアローネで決定よ」

「へへっ、ありがとな。学園長様」


よいしょ。と、ディエールは立ち上がる。

ドアノブに手をかけて、パタン。と丁寧に扉を閉じた。


薄暗い廊下を歩きながら、思考を巡らせる。

カンッ。カンッ。と、靴の音がやけに響く。


「そろそろ...だな」


口をつぐむ。


(大丈夫だ。もう、同じへまはしない...絶対にだ)


静まり返った廊下を、足早に通っていくのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

読者様には主人公が最強に成り上がっていく、そのさまを長い目で見守ってくれたらなと思います!


何かおかしな点があれば報告してください!通知が来たら爆速で書き直しますので(笑)

☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします!!

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