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第16話 崩壊!魔法結界

時は夜。

食料調達部隊が一日中働いて、集めた大量の食料。

それらを、むさぼるようにして食べる。


「明日、旗を取りに行くんですよね。アローネさん」


ダリアは手を止め、アローネに視線を飛ばす。


「そうだ。相手には、そう体力もない。自分たちが万全かつ、相手が衰弱している明日が、確実だ」

「なら、明日のために早く休んだほうがいいですよね」


ゼーラが尋ねた。


「もちろんだ。食事を終え次第、すぐ睡眠につきなさい」


よいしょ。

アローネは立ち上がり、自らのテントに戻っていく。

背中を見つめながら、ダリアは果実を一口かじった。


「正直、ディエーゴとゼーラ。そしてヘルメスは疲れたでしょ?」


ダリアが尋ねる。

へへへ。とディエーゴは乾いた笑いを浮かべた。


「まあな。それに、俺たちは万が一に備えてここにいる必要がある」


だから。

言葉を付け足し、ディエーゴはゼーラたちの顔色を伺う。


「明日はアルゼーヌとお前。そしてアローネさんだけで行ってきてくれないか」

「......わかった。そっちも十分気を着けて」


しんみりした空気が漂う。

その時、ちょっと待った!と、アルゼーヌが叫んだ。


「僕も行くの!?ただの足手まといにしかならないと思うんだけど」

「違うよ」


ダリアが反論した。


「君は僕を助けてくれる...あの時みたいに」


瞬間、アルゼーヌはさっきの戦いを思い出す。

ダリアを転移する戦術。

そして、敵の位置を転移して自爆させる戦術。


 ダリアはアルゼーヌに拳を突き出す。

 そしてにっこりと、朗らかに笑う。


「だから、一緒に来てくれ。今の僕には、君が必要なんだ」


目が徐々に見開かれる。

彼が決断を下す前に、体は動いていた。

ガツン。

アルゼーヌとダリアの拳がぶつかり合う。


「もちろん...!」


星空の下、一つの友情が深く、深まった。














三日目。

アルゼーヌの転移魔法により、青チームの拠点にまで到着した。

目の前には、ダリアをたちを見下ろすほどの城。

少し古臭い石煉瓦と、一番高い場所に建てられている青旗。


 (僕も青チームに入りたかった...)


軽い足取りで、重厚な茶色の扉を開ける。

バタンッ!

薄暗いロビーでは、青チームの精鋭部隊が作戦会議をしていた。


「もう来たのか!?」「くそっ、こうなったら!」


生徒たちは目を見開き、それぞれの杖を構えた。


「やめなさい」


一人の少女が、生徒たちを制止した。

コツン。と靴の音を響かせ、前に進み出る。

キャロルだ。


「旗は、あなたたちにあげるわ」


その場にいた全員が、あっけにとられた。

「どうして!?」「これをとられれば、私たちは...!」

生徒たちの、わめき声に近い反論の声がこだまする。


「黙りなさい!」


たった一言。キャロルは叫んだ。

あたりは一瞬で静かになり、生徒たちは口を小さく開けている。


「確かに、この子たちが居ない隙を狙おうという話はしていたわ」


でも...。と、キャロルは言葉を付け足す。

彼女の拳は、強く握られていた。


「だけど...この子たちが来てしまった。もう、遅いのよ」


震え声に近いため息をつく。

彼女の目は、揺れていた。


「『怪物ども』に見つかってしまったエサは、食べられる運命なのだから」


と、その瞬間。


 バリィンッ!!

 ガラスが割れたような音が、試験会場に響いた。














その音は、ディエールの耳にも届いていた。

慌てるように走りこんできたオリベルが、全教員に告げる。

それは、叫び声に等しかった。


「ジ...ジーノルタスだ......!ジーノルタスが、攻めてきた!」


全員の目が見開かれる。

最悪の事態。

ゴクリと、教員たちが固唾をのんだ。


「敵は?」


そんな中、低い声でディエールがオリベルに尋ねる。


「敵は五人だけれど...」

「よし。それじゃあ行ってくる」


観客席を飛び越え、結界に一直線へ歩く。


「待ちなさい...!その結界はあたし以外入れないのよ!?」

「あ?知ってるよ」


ディエールは眉をひそめる。


「だけど、それだと面倒だ」


結界の前にまで来ると、ディエールは静かに構えをとる。

にやりと笑い、オリベルのほうを向く。


「こっちのほうが、手っ取り早いだろ」


バリィィン!!!

耳を切り裂くような音とともに、結界はいとも簡単に壊れた。

魔力がこもっていない一撃。

そこにいた全員が、声を上げざるを得なかった。


「それじゃあ、先に失礼するぜ」


オリベルはただ、ひたすらにディエールの背中姿を見送る。

やがて姿が見えなくなって、ようやく一息ついた。


(生徒はダリアを『怪物』と呼ぶ...ならあいつは...。あいつは...!)


オリベルは苦笑いを浮かべる。

その笑いには、恐怖と焦りが見えた。


(あいつは...『獣』だ......!)


と。













緊急事態。

ダリアたちは旗をとらず、急いで拠点に転移する。

着くなり、鉄の匂いが鼻をつんざく。


(なんだ...この匂い)


背中に走る緊張感。

恐る恐る、ダリアはその目を開けた。


そして目の前に広がっていた光景。

それは、赤に染まる仲間たちの姿だった。


腕から出血しているディエーゴ。歯を食いしばるゼーラ。


 そして...ヘルメスの首にナイフを突き立てるフードの少年。


「み...んな?」

「ダリア!今は来るな...!」


ディエーゴがゴフッ。と吐血する。


「ディエーゴ...?何言っ――」

「うるせえ!今すぐお前はここから消えろ!!」


ダリア。その言葉に、少年は敏感であった。

少年はダリアを視認。


 少年の目が、見開かれる。


爪が食い込むほどに強く、ヘルメスの首をつかむ。

タラリ。と、血が流れた。


「ダリア...ハハハ!ダリアァ......!!」


狂気にも近い言葉で、ダリアの名前を叫ぶ。


「こいつ、さっきからダリア!ダリア!って言ってたの...!」


ゼーラが杖を構えながら言った。

少年はスンッ。と急に無表情になり、口を開ける。


「まさか、もう俺のことを忘れたのかぁ!?」

「知らない。君のことなんて、知るもんか」


その言葉が、少年の怒りのトリガーを、引いた。

あ?と、威嚇するように言う。


「これでもかぁ!?」


少年は、フードをとる。

そこにいたのは、見覚えのある顔。

ダリアは目を見開く。


 村で天才と呼ばれていた少年、ベリルが、そこにいた。


「お前は...ベリル。どうしてここに?」


強く、こぶしを握り締める。

ふつふつと、体が熱くなっていくのを感じた。


「なんでって、決まってるじゃねぇか!」


開いている片腕で、ナイフをちらつかせる。

ついでと言わんばかりに、ニタリと気色の悪い笑みを浮かべた。


「お前に復讐するためだよ!俺を村一番の天才から、村一番恥さらしにしたオマエをなぁ!!」

「知らないよ!そんなの、アンタの自業自得じゃないか!」


(しまった...!思わず!)


目を見開き、とっさに口を覆う。

しかし、時すでに遅い。


「なんだとぉ...!?」


ベリルの目が血走り、血管が浮き出る。

あてがうナイフが、さらにヘルメスの首に食い込んだ。


「動くなよ...動いたらこいつの命はないからなぁ...!ハハハハハッッ!!」

「く、くそったれめ...!」


歯ぎしりをする。

しかし、ダリアの心の中は冷静であった。


(イメージ...イメージしろ)


身体強化の魔法を、目に。

徐々に、ベリルの肩の動きが遅くなっていく。


(思い出せ...!ゼーラとペアを組んだ時みたいに、『隙』を...!)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

読者様には主人公が最強に成り上がっていく、そのさまを長い目で見守ってくれたらなと思います!


何かおかしな点があれば報告してください!通知が来たら爆速で書き直しますので(笑)

☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします!!

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