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第15話 強襲!青チーム

アローネが忠告した時には、もう遅かった。

ズサッ。と、足音が聞こえる。


ダリアの周りには、青チームの生徒が四方を囲んでいた。


ツー。とダリアの頬に冷汗が伝う。


「青チームの全勢力に対して、こっちは六人....まずいな」


嫌々ながら構えをとる。

六人全員で円を作りながら、それぞれ杖を構えた。


「少し、どいてちょうだい」


生徒の中から、二人の生徒が現れる。

既視感のある青髪。

三年のBクラス、ロベリーとキャロルだ。


 彼女たちが前に出ただけで、周りの温度が下がったように感じた。


彼女らは冷汗をかくダリアを見つめ、フンと鼻を鳴らす。


「あれ、君もいたんだ。まさか少数精鋭の攻撃部隊に...ずいぶんと自信過剰なんだね。アローネさん?」


ロベリーが目を細め、口角を上げる。

その眼には、冷笑が混ざっていた。


「どうかな?この子たちは、君が思っている以上に強いと思うよ?」


それも...。とアローネは言葉を付け足す。


「君たちを倒せるほどには...ね」


その言葉で、ロベリーは我慢の限界を迎えた。

拳を強く握り、杖を構えようとする。


「やめなさい、ロベリー」


パシッ。と、キャロルはロベリーの手を取る。


「俗と同じレベルと言われるのは腹が立つけれど、起こる価値もないわ」


その代わりといわんばかりに、キャロルは手を突き出した。

鋭い眼光で、アローネを睨む。


「本当にそうかどうか、この私が確かめてあげる!」


行きなさい!

キャロルがそう命令を下し、青チームが一気に襲い掛かってくる。


「アルゼーヌ君」

「はい」


アローネはアルゼーヌを見た後に、ダリアに視線を飛ばす。


「頼んだよ」

「わかりました...!」


瞬間、ダリアの視界がぐにゃりと歪む。

浮遊感に包まれ、胃が浮くような感覚に陥る。












次に視界が明確になった時には、先ほどの青チームの軍勢はいない。

目の前には、キャロルとロベリーの姿。

彼女たちは互いに顔を見合い、不思議そうな表情を浮かべている。


「転移魔法......それも、かなり上等なものね。なかなかやるじゃない」


キャロルはアルゼーヌに視線を飛ばし、細い目で見据える。

その視線は氷のように冷たい。


「それじゃあ、行くわよ?」


ヒュン。

彼女が言った直後、ダリアの右ほほに切り裂くような痛みが走る。

指をあてる。

指には、血が付着していた。


「氷魔法か...基本魔法の水を応用したってわけね。だけど...!」


ポケットから石ころを取り出す。

そして勢いよく、投石した。


「お姉ちゃん...!」


石がキャロルに直撃する直前、ロベリーが割ってーーカキンッ!


金属と金属がはじかれたような音が、あたり一帯に響く。

目を見開きながら、目の前に広がる光景をまじまじと見つめる。


 ロベリーが展開した防御魔法。


「そういえば、防御魔法なんてあったっけな...授業中寝てたからわかんないや」


ハハハ。と乾いた笑みを浮かべる。

軽口を言っているが、ダリアの頬には数滴の冷汗が頬を伝っていた。


「もう終わり?それじゃあ...」


キャロルは杖を構える。


「今度はこっちの番ね」


ドスッ。

鈍い音とともに、腹に衝撃が走る。

鋭利な氷は、ダリアの腹をえぐらんとしていた。


「くそっ...だけど!」


氷をつかむ。次の瞬間。

バリンッ。という音とともに、氷が砕けた。


「はぁ...はぁ...近づくことができない」


近づこうとすればキャロルの氷魔法。

遠くから攻撃すれば、ロベリーの防御魔法。


脱力するように、ダリアは息をつく。


「どうすればいいんだ...」

「ダリア君、反射神経はいいほう?」

「え?」


突拍子もない質問。

ダリアは口をポカンと開け、隣にいたアルゼーヌのほうを見る。

頬に冷汗を垂らしながら、杖を構えた。


「近づければいいんだね...?」

「うん。そうだけど...」


じゃあ。とアルゼーヌは言って、ダリアの背中を押す。


「行って!」


勢いに負け、ダリアは疾駆する。

その光景を嘲笑いながら、キャロルは杖を構えた。


「やっぱり、俗は俗なのね...バイバイ」


ヒュン。という音とともに、再び氷塊が発射される。

しかし定めたはずの標的の姿が、そこにもなかった。

目を見開く。


 その時、視界の端に白いものが写りこんだ。


直後、彼女の左ほほに鈍器で殴られたかのような痛みが走る。

勢いを殺せず、遠くの地面まで吹き飛んだ。


「アルゼーヌ...そういうことね」


ダリアはにやりと笑い、目の前に広がる光景を見つめる。

目の前には、目を見開き、口をあんぐりと開けるロベリーの姿があった。


「あなた...」


口と手を震わせ、ダリアを指さす。


「いったい...何したの...!?」

「なにをした...か」


直後、点と点を移動したかのようにダリアが視界の端に映る。

とっさに防御魔法を展開する。

ガキンッ。

しかし勢いは殺せず、ほんの数秒、宙に浮くようにして吹き飛ぶ。


「後ろにいるあの子か...仕組みが分かれば簡単」


ロベリーはアルゼーヌめがけて、炎魔法を放った。

ソレがアルゼーヌに直撃する瞬間。


 再び、ロベリーの視界が暗転する。

 それは、先ほどアルゼーヌの転移魔法を喰らった時の感覚と似ていた。


気が付けば、目の前には自身が放ったはずの炎魔法。

もろに、彼女に直撃した。












観客席でディエールは、胡坐をかきながらその光景を見つめていた。

へへ。と、いたずらに笑う。

彼は無意識に口角を上げていた。


「こいつはまた凶悪だな...」


背中を伸ばし、一息つく。


「アルゼーヌの転移魔法でダリア、または相手を移動させる戦法。実に見事だ」


そして...。と、ディエールは言葉を付け足す。


「それに対応したダリアも、さすがというべきか」


彼の脳裏に、再び一人の少年の姿がよぎる。


 確か、あいつも最初はこんな戦い方をしてたっけな...。


目を細め、へっ。とディエールは鼻で笑った。

その眼は、過去を見ているようだった。















太陽が頂上でダリアたちを見下す頃。

疲弊した体で、元の場所に戻る。

あたりは気絶した青チームが円をなしていて、中央にはアローネたちがいた。


「おう。そっちもやったんだな。元気そうで何よりだぜ」

「ありがとうディエーゴ。でも、結構疲れたよ」


ダリアは気持ちが和らぎ、力が抜けるように座り込む。

対するディエーゴたちだが、彼は肩で息をしていた。


「どうする?今から青チームの旗、取りに行く?」


そわそわしながら、ゼーラが全員に尋ねた。


「確かに、それが一番いい方法かもな。どうだ、アローネさん」

「うーん。やめたほうがいいと、私は思う」


顎に手を置き、あたりに散らばる青チームの生徒たちを見渡す。


「青チームは拠点に人を置いてるはずだ。かといって離れれば、気絶した生徒が旗をとってしまう可能性がある」


はぁ。とアローネはため息をつく。

その眼には、諦めの意思がこもっていた。


「私には魔力を分け与える譲渡魔法がある。アルゼーヌ君、疲れると思うが引き受けてくれるかい?」

「いいですよ。みんなの役に立てれれば」


そうして、アルゼーヌとアローネで青チームの生徒を転移する。

そんな地味な作業が始まったのだった。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

読者様には主人公が最強に成り上がっていく、そのさまを長い目で見守ってくれたらなと思います!


何かおかしな点があれば報告してください!通知が来たら爆速で書き直しますので(笑)

☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします!!

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