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第10話 終結!第一次試験

数個のベッドが並ぶ部屋の中、ゆっくりと、ダリアは目を開けた。


目を開けば、どこか既視感のある天井が広がっていた。

恐る恐る、周りを見渡す。

すると目を開けたことに気が付いたゼーラが、ダリアにハグをした。


 無論、この場所にはゼーラとダリアしかいなかった。


予想外の出来事に、ダリアの意識が完全に覚醒する。


「ちょ...ちょっとゼーラ!?何してるの!」

「なにって...ハグだけど」

「それが問題なんだよ!!いいから僕から離れて!」


ダリアの元気な声が部屋に響き渡る。


「ちょ、ちょっと...一体何してるんですか!?」


え......。

ダリアが横を向く。

そこには、二人が戯れあっている光景を見つめる仲間たちがいた。

ヘルメスが顔を真っ赤にして、顔を覆い隠す。


「まあ、お前たちの関係はどうだっていい...だがさすがにハグは場所を選んでやってくれ」


ディエールははぁとため息をつき、ポリポリと頭を掻いた。


 そういえば...。ふとダリアは疑問に思った。


「あの後はどうなったの?」

「僕が説明するよ」


アルゼーヌが自ら名乗りを上げる。

浮かないを顔をしながら、彼はダリアに説明を始めた。


「あの後、ダリアが気を失ったからアローネ先輩の勝ちになって...そのあとは...」


下を向くアルゼーヌ。

彼の腕に巻かれた包帯を見て、ダリアは理解する。

ゼーラ以外、全員怪我の一つや二つを負っていた。


「負けたんだね」


で、でもね...。とアルゼーヌは言葉を付け加える。


「決勝戦に行ったから、僕たちはEクラスからDクラスに行くことになったんだ」

「おめでとう、お前たち」


ディエールは、ここにいる生徒五人に祝いの拍手を送った。

しかしダリアにとって、その知らせは素直に喜べないものであった。


 Dクラスになるのはうれしいけれど...ディエール先生と離れることになるのは、少し寂しいかも。


Dクラスとも渡り合えるほど強くしてくれた先生に、ダリアは恩義を感じていた。


「だが、気を抜くなよ。俺がお前の担任である限り、気を緩めることは許さないからな」


ディエールは腕を組み、全員を見渡した。


「ちょっと待ってください...今、なんと?」


違和感に気が付き、ダリアはディエールに尋ねる。

すると、彼はいたずらっぽく笑った。


「俺も、Eクラスの生徒をここまで育て上げた実績が認められてな。晴れてDクラスの担任になることになったんだ」

「「「「「ええーー!?」」」」」


五人の声が、部屋全体に響き渡る。


「これからもよろしくな」


こうして、ディエールは再びダリアたちの担任になることになるのだった。











ダリアが目覚めた後のことである。

幸福なひと時を味わう学園長をよそに、扉がノックされた。

どうぞ。と、オリベルは短く言った。


 ガチャリ。と、扉がゆっくりと開く。


訪問者は、ディエールであった。


「ちょうどいい時間に来たわね。話している途中でどこか行ってしまったから、まだ話足りていなかったのよ」

「そいつは悪かったな...とりあえず言っておくが、俺はCクラスの担任になる気はないぞ」


彼女は紅茶を一口、口に含んだ。


「理解できないわね。せっかく昇級できるチャンスなのに、なぜDクラスなの?」

「まあ、俺なりの事情があるんだよ」


ふーん。

そう言って、オリベルはまた紅茶を一口。


「それは、あの子たちに関係しているの?」


核心をついた言葉に、ディエールはへへ。と笑った。

頭をかきながら、ディエールは肯定した。


「まあな。あいつらには、俺が必要なんだよ」

「そう...なら、もうこれ以上は意味がないわね。行っていいわよ」


オリベルは冷たく言い放ち、ディエールに退出の命令を下した。

ドアノブに手をかけようとした時、何かを思い出したかのように振り返る。


「そうだ、学園長」


退出する瞬間、ディエールはオリベルに助言をすることにした。


「もし何かあっても、すぐに行動をとらないこと...約束してくれるか?」

「...何を言っているかわからないけれど...わかったわ」


その言葉を聞くと、ディエールは学園長室から速やかに退出した。











その日の夜このことだ。

ダリアがぐっすりと眠る施設に、一つの忍び寄る影があった。

ソレはゆっくりと、足音を聞かれないようにしてそろそろと歩いていく。


 しかし、それではごまかせなかった。


「よお...また性懲りもなく襲いに来たようだな...せっかく解放してやってのに...粘着質なんだな」


ソレの背筋が凍り付き、冷汗をかく。

ゆっくりと後ろを振り向く。


 目の前には、自身を一撃で沈めたディエールの姿があった。


しかし、以前とはまるで雰囲気が違った。

あたりには死のにおいと静寂が蔓延っており、ソレは一歩ずつ後ずさりをする。

ディエールはにやりと笑みを浮かべ、真実を告げる。


「前回お前がダリアに反撃した時の魔法と、決勝戦でお前が見せた魔法...どっちも、魔力の流れが一緒なんだが。どうしてか説明してもらおうか」


ドクンッ。と、心臓がはねる。

ソレは口を開け、自身の犯したミスに気が付いた。


 ダリアの攻撃から、身を守るために使った魔法のセレクトである。


ハハハ。と、ソレはフードを取り外し、ついに正体を明かした。

見慣れた瞳の色。いつもは嘲るような笑みを浮かべている彼女の表情は、笑ってはおらず、無であった。


「まあ...だろうな。犯人がモネだってことは、初めから気が付いていたよ。そしてあの膨大な魔力量は、ジーノルタスに加わったことによる報酬といったところだろうな...?」


モネは一度驚きのあまりに目をカッと見開いた。


 この先生...一体どこまで...?


モネの反応をよそに、ディエールは背を向ける。

隙だらけ。そのはずなのに、まるで金縛りにかかったように、モネは動けずにいた。

ディエールの鋭い眼光が、モネの体を突き刺す。


「お前がダリアを殺そうとしたのは...あの魔力量をみたからだな?」

「ええ...最初は魔力量がなんだ。と思っていたわ。だけど、決勝戦を通じて理解したわ」


モネはあの光景を思い出す。

彼女の脳裏には、あの怪物の姿がはっきりと映っていた。

そして訴えるような目で、恐れるように言う。


「あの『怪物』は、いつか私たちを邪魔してくるかもしれないって」


そう言って、モネは強く拳を握り締めた。

それを聞いたディエールは、ふぅ。と息をついた。


「そうか...知っちまったんなら、もうお前は『生徒』じゃねえ...ただの『妨害』だ」


ディエールの雰囲気が、さらに変わる。

今度は絶対に獲物を逃さない、そんな肉食動物の目のような鋭さだった。


 魔力の代わりと言わんばかりに、湧き上がる殺気のようなものをモネは感じ取った。


あまりの恐怖に、一歩、また一歩と後ずさりをする。

恐怖で顔が引きつっているモネに、ディエールはその重たい拳を振り上げた。


 

 直後、ゴンッ。という鈍い音ともに、あたりには返り血が勢いよく飛散する。


 モネの叫び声は聞こえない。

 ただそこにあったのは、汚れた血をぬぐうディエールの姿だけであった。


「これも教育的指導...だからな」


 そのあとは、静かな夜が続いた。












翌日。

ダリアの日課である特訓に、なぜかディエーゴたちが参戦していた。


「なんでディエーゴが?」ダリアが尋ねる。

「知らねぇよ。俺たちはディエール先生に呼ばれてきたんだ。詳しいことは先生に聞け」


後ろでは、ゼーラが残念そうにため息をついている。


「どうした?この俺がなんだ?」


噂をすれば影、と言わんばかりに、彼らの後ろからディエールが現れた。

しかし彼の表情には、いつもの気怠さはない。


 捨てきれていなかった殺気のようなものが、にじみ出ていた。


 先生、なんか今日は怖いな...。


「先生、今度は何をする気ですか?まさか五人反省会ですか?」

「違うぞ。はぁ...二次試験の詳細が決まったんでな。ちょっとした対策をしようとおもってな」


パンッ。とディエールは両手を叩く。


「まずは二人一組になれ。そこから話を始めるぞ」


と。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

読者様には主人公が最強に成り上がっていく、そのさまを長い目で見守ってくれたらなと思います!


何かおかしな点があれば報告してください!通知が来たら爆速で書き直しますので(笑)

☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします!!

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