おとなしい顔の儚い系かと思いきや裏の顔をもつ幼馴染⁉︎
オレには、穂乃果という幼馴染がいる。
高校生になったオレたちは、別々の高校に通っている。
そして、互いに別々のお店でバイトをしている。
それは、穂乃果からの申し出だった。
バイト先は、絶対別にしてって言われたときは、心の中がチクっとした。
心って…ダメージをくらうものなんだって、このときはじめて知った。
穂乃果は、目に見えないものを破壊する怪物…もしくは、妖怪なんじゃないかって疑心暗鬼になったものだ。
しかし、よくよく聞いてみると…
バイトって、飲食店なら割引制度とかあるらしくて、お得に食を楽しめるのだとか。
ただの食欲モンスターだった。
そんなモンスターは、みためは色白で髪も黒艶で、腕とかも細くてキャシャだ。
はたからみたら、抱きしめたい儚い系女子だ。
しかし、実際の穂乃果は…とにかく一日何食くうんだよ⁉︎食い過ぎだろってくらい、吐かない?系女子なのだ。
そんな穂乃果は、いっつも彼氏ほしーなー…っていっている。
お腹すいたか、彼氏欲しいか基本どっちかの言葉を発している。
言葉って、もっとあるよ?
そんな穂乃果は、オレの部屋に頻繁にくる。
なぜなら、オレの部屋にはこたつがあるからだ。
ここは、休憩所じゃないんだがな…
穂乃果の家は、こたつを出さない。
それで一度、母親と喧嘩にもなったそうだ。
そんなにかよって思ったが、とにかく穂乃果は寒がりなので、どうしてもこたつが欲しかったのだろう。
泣きながらオレの部屋に来た時にオレは、いつでもオレの部屋のこたつ入ればいいじゃんって、ついうっかりいってしまったのだ。
だから、いまさら文句も言えない。
で…
ひとつ困ることは、あしをどこに伸ばすか問題なのだ。
よくよく考えて、考えぬいてやっと出た答え。
それは…
オレが、あぐらをかくだった。
そしたら、あしがあたらないもんね。
こたつ大好き食欲モンスター穂乃果は、最近…彼氏欲しいと言わない。
そのかわり、いつもおなかすいたなーって言って、めっちゃ食べて血糖値爆上がりでこたつで寝る。
…
自由人すぎる。
そんな自由人が最近…
よくおなかをさする。
あと、ふとおなかを触ってハッとした顔をする。
え?
どうしたんだ?
気になって、はらどうかしたの?って聞くと、ううん…別にってかえしてくる。
もしかして…
おなかに赤ちゃん…いるんじゃね⁉︎
そもそも、おもいかえしてみたら、辻褄が合う。
よく食べるし、彼氏欲しいって言わなくなったし…
もう、彼氏いる⁉︎
てか、いた⁉︎
そのへんは、わからないけど…
おなかに赤ちゃんいるんじゃね⁉︎
…
どうすんだよ穂乃果…
まだ高一で…
最近、頻繁にこたつ入りこないと思ってたら…
まさか、こんなことになっていたなんて…
ただの食いしん坊だと思っていたのに…
心配するあまりオレは、穂乃果に唐突に聞いた。
「おなか…大丈夫?」
って。
すると穂乃果は、少しムッとして
「みたんだ?勝手にみたんだ?それとも音でわかったの⁉︎」
と睨みを聞かせてきた。
え…
な、なにを…
チラッと穂乃果は、自分のバッグをみてはらに抱えた。
もしかして…
母子手帳とか、エコー写真とか入っているんじゃ…
「いや、オレは…なんにもみてないよ。でも、それはヤバくね?どうすんだよ」
「どうするって…どうすることもできないの。大切だし…ないといけないし…でも、やっぱりお金は、かかるよね。もっとバイトしてわたし…頑張る。」
「ひとりで?」
「うん。」
…
やっぱり彼氏とは、別れたのか⁉︎
それとも…逃げたのか⁉︎
「あのね…実はわたし…知ってしまったの。こたつ以外の温もりというあたたかさを。」
「あ…そ、そうなんだ。」
「うん、てかさわたし…できちゃったんだよね。もっと早く知っていればよかったなぁ」
あしを、スリスリさすりながら笑う穂乃果。
笑っている場合か⁉︎
てか、やっぱりできちゃったんだね…
…
これは、ひとりでどうこうできる問題ではない。
「病院は?」
「ううん。」
「行こう。その前に相手はだれなの?」
「かんぱ」
…
か、かんぱ?
あだ名?
あだ名で言われてもな…
「え、だれ?オレ知ってる?」
「当たり前じゃない」
…
オレの知ってるかんぱって…
だれ?
「あだ名じゃなくてさ、フルネームで言ってよ。」
「え?なに?」
…
あ、言いたくない系なのか…。
「ううん。それよりこれからどうすんの?」
「あー…これからは、もっと運動する」
「え、大丈夫?」
「わたしをみくびりすぎ」
「あ、すいません…。」
「もっとさ、早くに対処してればよかったなー。つらすぎて夜も寝れないよ」
…
だよな。
そんなとき、穂乃果の携帯がなった。
で…
めっちゃ音漏れしててさ…
「お前、浮気してんだろ」
って聞こえてきちゃってさ。
穂乃果ってば、軽い感じで
「ごめんなさぁーい。やっぱりこたつには、かないません」
ってかえしたんよ。
てか、よかったー。
たぶん、お腹の子の父親だよな。
一人じゃないじゃーん。
って…
ホッとしたのも束の間、電話ごしに
「今からそっちいくから覚悟しとけ‼︎」
って聞こえてきたんだよね…。
穂乃果の彼氏…って、穂乃果を大好きっぽいけど、穂乃果はなんか…軽すぎなんだよね。
だって、穂乃果ってば
「あはは!おけ。そんじゃね」
って、あっさり電話を切ったんだよね。
てかさ…
これって、今からオレの部屋に乗り込んでくるパティーン?
こわい…
お前浮気してんじゃねーぞコラ‼︎って、胸ぐらつかまれるパティーン?
パティーンとかふざけてる場合じゃないよな。
「あの…彼氏にオレって…ボコボコに…」
「彼氏じゃないよ。やっぱりこたつには、かなわない部分ってあるよねー」
と、のびのびする穂乃果。
彼氏…こっちくるんじゃないの?
ボコられるのって…オレだから穂乃果は、無関心…なの?
い、いつ…
どの辺から彼氏は、やってくるんだろうか?
押入れから?それとも机の引き出し…とかじゃないんだよ…
近いのか遠いのかってことだよな。
「…あの、穂乃果の彼氏ってあとどれくらいで来るの…?」
「彼氏なんかいないよ?てか、こないよ。もしかして電話の聞こえた?あれは冗談だから大丈夫」
…
これは…強がり?
穂乃果は、笑ってそう言ってるけど…実は泣き出したり…するんじゃね⁉︎
穂乃果の顔を覗き込むと、穂乃果が顔を真っ赤にした。
「えっ⁉︎えっ⁉︎これは…ついにうまれちゃう⁉︎」
そう言いながら、赤面して慌てる穂乃果。
ついにとは…どういうことだ⁇
「穂乃果⁉︎どうした⁉︎大丈夫か‼︎」
「え、だって…遼也が…」
「ん?」
…
数秒の沈黙のあと、穂乃果は
「わたしの勘違いかも」
と、スン顔した。
「いや、穂乃果…もしかして調子悪いんじゃないの?やっぱり病院行かないと。早くしないと取り返しのつかないことになるよ⁉︎」
「え?腐るとか?」
「腐る…?いや、それどころの騒ぎじゃなくなるって。一生後悔したくないでしょ?」
「…うん。」
「なら、病院行こ」
「うん。」
オレは、穂乃果を連れて病院に行った。
受付で何科ですか?って聞かれた穂乃果は、まさかの皮膚科とこたえた。
「えっ⁉︎皮膚科⁉︎産婦人科でしょ⁉︎」
「そうなの⁉︎しもやけって産婦人科なの⁉︎」
クスクス笑う受付の人と、待合席の人。
…
「しもやけですね?とりあえず皮膚科かな」
受付の人が笑いをこらえながら皮膚科をおすすめしてくれた。
病院では静かにしないとだから、おりこうさんにまつオレ。
で…
やっとお薬をもらって帰り道…
「穂乃果…妊娠のことなんだけど…」
「えっ⁉︎えええっ⁉︎遼也いつのまに彼女できたの⁉︎しかも妊娠なんて…」
青ざめた穂乃果に急いで訂正した。
「いや、オレは彼女いないし…妊娠してるのって穂乃果じゃん」
「わたし⁉︎してないよ」
「でも、できちゃったとか言ってたし…おなかさすったり触ったりしてたし…」
「ん?カイロ貼りまくってるのみたんじゃないの⁉︎おなかのやつ、もうあったかくなくてシャカシャカいってて、その音でバレたんじゃなくて?バッグにも足用とか貼るやつ、貼らないやつめっちゃ持ち歩いてるからさ…貼らないやつウデに忍ばせたりもしてるの。で、できたのは、しもやけね?」
「え…じゃあ、ついにうまれちゃうってのは?」
「愛じゃん…さっきキス…されそうになった…っていうか…」
「でも、結構こわめのかんぱって彼氏いるじゃん…」
「あれは女友達がふざけて言っただけだって。こたつかカイロどっちかにしろ!浮気だ!ってね。面白い友達なの。てか、かんぱって彼氏じゃなくて寒いやつの寒波ね。」
…
いろいろ紛らわしいな…。
「ほんとに妊娠してない?」
「してないって」
「でも、おなか触ってハッとした顔するじゃん」
「あー、あれはカイロ貼ってるの忘れてて、何⁉︎と思って触って、あ…カイロか。あったか〜って、やってるだけだよ?」
「へー…」
ただの天然やん…。
「てかさ、その…穂乃果って、オレにキスされてもいいの?」
「えと…はい」
「オレのこと好き?こたつよりも?」
「そりゃもちろん‼︎」
「え、オレも大好き。では、遠慮なくするよ?」
「うん」
チュ〜♡
ギュ〜♡
「え…遼也、ヤバ…こたつよりカイロよりあったかいのみつけたかも♡幸せすぎる」
「なら、よかったじゃん♡オレもあったかくて幸せだよ♡」
ギュ〜♡
穂乃果は、オレに抱きしめられると、全身がボワってあったまるらしい。
そんなこと言われたら、ずっと抱きしめていたくなるよね。
「離したくない♡」
「離れたくない♡」
の繰り返しイチャイチャで、この冬はあたたかポカポカで乗り切れそうです♡
おしまい♡




