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第二章 第2話:獣戦士団の牙と祈りの光

ガルザニア城の訓練場は、朝日よりも熱く活気づいていた。

獣人の咆哮が木々を震わせ、その場にいるだけで“強者の気配”が肌に刺さる。


「り、理央……なんか、空気が違うね……!」


「お、おう……ゴリゴリの修羅場感がある……」


ルルと理央は訓練場を見渡しながら圧に負けそうになっていた。


そこへグラウド王が現れる。


「理央、ルルよ。

 そなたらの力を、我が精鋭が試したいと言っておる。

 まずは一戦交えよ」


現れたのは、

虎獣人の戦士・ガルド。

そして隣には、狼獣人の女戦士・フェリナ。


「まず俺が理央の相手な!」

「では私はルル殿と一戦を」


双方の獣戦士が軽やかに笑う。


◆ ■ 理央 vs ガルド ―― “理外の技”で対抗する


「いくぜ!」


ガルドが突っ込んでくる。

その一歩が地を抉り、爆発音のような衝撃が走る。


速い――

以前ルル達の村で倒した魔族とも、違う意味で速い。


ガルド

「本気出すからなァッ!」


理央

「じゃあ、俺もいくぞ!」


理央は剣だけでなく、

魔法と神聖魔法も絡めて攻防を構築。


「マジックミサイルッ!」


光弾が飛ぶ。

ガルドはそれを紙一重で避ける。


「神聖破ッ──!」


「っと危ねぇッ!」


ガルドは笑いながら剣撃を打ち込んでくる。

理央は受け流し、後退しながら再び魔法を放つ。


(俺、確かに強くなってる。

 でもこいつ……まだ上がある……!)


一撃ずつ光が灯り、

最後の攻防――


ガルドの拳が顔面を掠める瞬間、

理央の剣がガルドの肩を光らせた。


二撃目!!


ガルド

「……参った!」


訓練場が沸いた。


◆ ■ ルル vs フェリナ ―― “勇者”の底力


その横で、ルルはフェリナと激しく打ち合っていた。


金属音が狩猟のように響く。

ルルの身体強化にフェリナが応じるように本気を出す。


フェリナ

「強い……! 人族の娘とは思えぬ!」


ルル

「ふふん! まだまだいけるよ!」


ルルの剣が光り、

フェリナに三撃目が入る。


フェリナ

「負けだ……! あなた、ただ者ではないな……!」


観客が驚きの声をあげる。


ルルは胸を張った。


「理央の模擬戦で鍛えられたからね!」


理央

「お、俺のおかげ……?」


ルルは笑って親指を立てる。

そしてそのまま、自然な手つきで理央に手をかざした。


「ヒール!」


ふわり、と優しい光が理央を包む。

痛みがスーッと引いていく。


理央

「……ありがとう。

 って、ルル……いつの間に?」


ルル

「あれ? 言ってなかった?

 なんか最近、できるようになったんだよね。

 リミットブレイクリンクも、自分にかけられるし!」


ミアが聞いたら絶叫するであろう変化だ。


ガルドも驚く。


「回復魔法を……人族の勇者が?

 そんなの聞いたことねぇぞ……!」


グラウド王は深く頷いた。


「ルル……そなたも“枷”が緩んでいるのだな。

 理央の祈りが、周囲へ影響し始めている……」


理央の視線は王の胸元へ。

黒い鎖が、さっきより“わずかに太く”なっていた。


(……いやな予感がする)


◆ ■ ガルドの評価と、衝撃の実力差


模擬戦を終え、ガルドが肩を回しながら言った。


「理央、ルル。

 二人ともめちゃくちゃ強ぇよ。

 本音で言うと、普通の獣戦士なら勝てねぇレベルだ」


理央

「……そっか。ちょっと自信ついたかも」


ガルドは笑う。

だが、すぐに真顔になった。


「でもな……俺で真ん中くらいだ」


「………………え?」


ルルが固まる。

理央も固まる。


フェリナが補足する。


「獣戦士団の上位層は“理の修正”で異常に強化されました。

 中には……魔族の気配すら帯びる者も」


理央の背筋が冷たくなる。


ガルド

「王も……昔と比べ物にならねぇくらい強くなってる。

 ただ……最近は、目つきがちょっと……」


グラウド王が胸を押さえた。


「……すまぬ。

 少し眩暈がしてな……」


その目が、一瞬だけ赤く光る。


黒い鎖が、きしむ。


理央は息を呑んだ。


(……これ、やばくないか)

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