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飴が無いならキスをしろ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

性癖ぐっちゃぐちゃにされると、こうなるんですよ。

同居人。何時もはぼんやりしている。それは何物にも無関心な事から来るものなのか、肝が座っているからなのか、其れは此方が預かり知らぬものではない。

しかし、ある日突然、何か気でも触れた様に、瞳孔かっ開いて、指を噛む。ガジガジ、ガジガジ、ガジガジと、血でも出るのでは無いかと思わせる程、人差し指の第二関節に歯を立てる。

そうして、震える声で願うのだ。

「飴ちゃん、頂戴。出来れば棒付きが良い。ないならキスして」

発作でも起こした様に息を荒あげて、肩で息をして、俺の肩を掴む。そこに何時もの彼女の顔は無く、あるのはただ狂った獣だった。

生憎、棒付き飴は愚か、粒状の飴も持ち合わせていない。だから俺は目を閉ざして彼女にキスを落とした。ただ唇を押し付けて髪を撫でる。しかし其れが気に入ら無かったのか、彼女の舌は苛立った様に此方の口腔に入り込んで来た。

頬の裏柄を舌先で抉る。犬が人の頬を舐める様に何度も、猫が肉を削ぎ落とす様に執拗に。まるで自分がそうして欲しい。そうしなくては熱が治まらないという様に。

キスは嵐のように過ぎ去った。唇が離れる時にはもう、先程までの獰猛さはなく、あるのは何時もの薄ぼんやりとした瞳だけ。


心に興奮の火が灯ると、体全体の落ち着きが無くなる。突然走り出したくも、叫びたくも、暴れ出したくもなる。兎にも角にも頬の内側が痒くて仕方がない。何かで擦り上げたくて仕方がなくなる。

「それ……」

「ん?」

「突然、キスするの、何?」

文言的には責めている様に感じるかも知れないが、声色的にはそうでもなく、困惑した響きが含まれている。付き合い初めて三年、同居して一ヶ月、上手く隠して来たつもりだけれど、遂にバレてしまったか。

「ん………んー……ん。好きな物見ると、つい」

身体中が痒くなるの。だから身体中を好きな物で擦り付けたくなるの。ベロア生地でも、布団でも、彼氏でも。猫が匂い付けする様に。

「嫌だったかな」

悪気は無いんだよ。悪気は。ただスイッチが切り替わってるだけ。

性癖ぐっちゃぐちゃになって気が昂ると、口腔の後側が痒くなるんですよ。

『ねぇー!! 最高なんだけどぉー!!』って。


で、感情を押さえ付けるのもそれなりに疲れるから、手っ取り早く飴でも舐めようという思考回路。

今まで隠していたのは、二人きりになる場面が少なかったから。

人混みでそんな事やる度胸はないよ。という事。

どれだけ、ぽやんとしていても、そこはちゃんとしてる。


彼と似た子でも見たのかな。

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