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会議の間で

 「では皆集まったな」


そう、言葉を切り、たとえ部下であろうと聞かれることを防ぐため、この部屋を異空間化し、現実と分断した後に、改めてノエルは周りを見渡すと、


「では我ら使徒会議を行う、本日議長を務めさせてもらうのはこの使徒筆頭のノエルだ。宜しく頼む。」


皆の軽い会釈を肯定と捉えると、


「では本日は、ノア様に関する情報交換を行う。皆がこれまでにノア様に感じた事を包み隠さず話、議論する事で今日もノア様への愛、そして理解を深めよう。では何か意見のある者は?」


「感じた事というよりも疑問なんだけど、いいかな?」


そういうと第一使徒であるフィンは、ノエルの答えを待たず、


「何故ノア様は僕たちの眠りを解いてくれたのかな。今まで、僕たちが眠っていたのは、僕たちが使えない奴とノア様は思っていらっしゃるから封印されていたわけで」


「その答えは一つしかないだろう」

第六使徒のヒューが間髪入れずにいう。


「なんだい」


「我々の働きを期待し、かつ忠誠の心を認めてくださったからであろう」


「確かに、それ以外考えられないね、ありがとう、ヒュー」


「一先ずその問題は解決したようだな、他に何か意見のある者は?」

ノエルは第一と六使徒が固い握手をしているのを横目で冷たい目で見ながら


「では、私が」


「どうぞ第三の使徒、サーシャ」


「私達が地上に出てノア様を見つけたとき、何かとても体調が悪そうだったわ。その........その,,,,なんというかまるで地上に落下されるように落ちて行かれたから、あれはまるで,,,,,見ているとノア様がいなくなるような感覚に襲われたの。今でも思い出すと胸が締め付けれらるわ」


「よく言ってくれた、それは皆が思っていたが誰も言い出すのが怖くて言い出せなかった問題なんだ。まるで言ってしまうと、なんというか......本当になってしまうような気がしてね、しかしこれに関しては使徒筆頭である私にも正直わからないんだ。君はどう思う、第二使徒、コニー」


「僕にも正直まだわからないですね、それに何より情報が少なすぎます。これを考えるにはもっとノア様の情報を集めなければなりません。だから、ノエル、あなたは天空城内のシステム整備を任されてるでしょ。私をノア様の身辺に任命しなさい。そうすれば情報を最も効率よく収集し、その答えに最も早くたどり着けるわ」


単単とコニーはトレードマークの眼鏡を人差し指でクイッと押し上げながらそう話すが、話している最中に急激に温度が下がっていくような雰囲気になり、ノエルを除く何人かの使徒が皆、身構えた。それはノエルが暴れた際に彼を押さえつけるためだ。コニーの話している内容は正しいかもしれないが、ノア様の側に一番近いと誇りにしているノエルにその、「ノア様の一番近くがいい=私の愛が一番大きい>使徒筆頭」という欲求をしてくるサシャはいつもだが、今日もまた許せなかった。一部の使徒はいつもの事だと傍観しているが、ヒューやサーシャ、第五使徒のルークはいつも争いが起きるのではハラハラしている。皆がノエルを注視する中、ノエルは


「改めて言いたい。我々使徒は他の天使よりも力、知恵、魔法が多く使えるという理由だけで決して使徒という栄ある役目に任ぜられたのではない。最も使徒に必要な要因、それは主、ノア様への愛の大きさなのだ。そしてその中でも特にその愛を認められたものが使徒筆頭なのだ。わかるかな、小娘。そんな私を差し置いてノア様の側に侍りたいなど反吐が出るわ!!!!」


そして机が壊れるかと思うほど大きくたたいた。一方コニーもコニーで


「背と胸の事は言うな、背と胸のことは!!」


と互いに譲らず、お互いが罵り合う口喧嘩に発生してしまった。結局この日の会議はこれで終了となってしまった。

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