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後編
「実はむこうで南米の呪術師と知り合ってね、カメレオンの術を教えて貰ったんだ」
壁に同化して大家さんを追い払った後、神谷先輩はそう言った。
「だから、どこにいても体の色を背景に変化させることが出来る」
先輩が気味悪くて、ぼくはそそくさとおいとました。
あれから何年経つだろう。
卒業しタレントになったぼくにレポーターの仕事が来た。
事故物件や怪奇現象の起こる場所を取材する番組だ。
その中に
「部屋の物が勝手に移動したり、食べ物が消えてしまう」
というアパートの部屋の件があった。
出かけてみると、なんとなく覚えのある場所、そうだ神谷先輩が住んでいた部屋だ。
「部屋の鍵も何度も変えましたし、外からは誰も入れないはずなんですが、おかしな現象がおさまらなくて住む人が居つかないんです」
そう嘆くのは、すっかり歳をとったが神谷先輩が住んでた頃の大家さんに間違いない。
相変わらず壁には日の丸の旗を貼ったままだった。
「そういうわけで、この怪現象の理由は全くわかっていません」
日の丸の前に立ってカメラに向かってレポートする。
放送された時によく見ると、背後の日の丸の中で一瞬神谷先輩の眼が開き目くばせするのが見えた。先輩はまだそこに住んでるらしい。




