桜の季節に
今回は旅するではないのですが、日常の中でふと思ったことを。
もう、桜吹雪の季節です。
あと一度雨が降れば、ほぼ散ってしまいそうな、なごりの桜ですね。
で、何が不思議かというと。
私の住んでいるところは、駅からかなり離れたお山の上なんですが、ここへ越してきてから四季が色濃く感じられるようになりました。
まず、桜の木で気づいたのは、彼ら彼女らは生きているという事。
なにを今さら、と言われるかもしれませんが、3月初めのまだ寒ーい時期に、ふと見上げた桜に色がついているような気がして、まるで長い冬眠から目覚めたんだよ~と言われているような錯覚に陥りました。人が感じられないような微妙な変化も、きっと彼らには感じられるんだ! と、思い。
「この子たちは生きてるんだなあ」
と、改めて認識したというか。
今まで何を見ていたんだろう、と、ちょっぴりの恥ずかしさと共に、嬉しさも感じられた事でした。
そして、このあたりは、
春は桜をはじめとして、ユキヤナギ、ツリガネソウ、桔梗、その他、恥ずかしながら花の名前をほとんど知りませんので、名前のわからん花々が、今を盛りと咲き出します。
夏というより初夏は、青紅葉が、それはもう美しい!
ある日、些細なことでしょうが、なにかで落ち込んでいたのか、下ばかり向いて歩いていたとき、ふっと目を上げたそこにあった青紅葉。あまりの艶やかさに感激して下手な句を詠んでしまうほど。
急いでも 同じでしょうと 青紅葉
呼ばれた気がして ふと 立ち止まる
そのあとは気分晴れ晴れ、落ち込んでるのが馬鹿らしくなって、足取りが軽くなったものです。
秋は言わずもがな、紅葉です。
ベランダから見える山が、日ごとに色づき変わって行く様は、本当に木々たちが、山が、ひいてはこの地球が生きているんだなあ、と、感慨深くなってしまいます。なんてそんな、大げさなもんか。
でーも、本当に綺麗なんですよ。
冬は・・・、うーん、ただ、ただ、寒い! (笑)
お山の上の方だから、下界とは2度くらい気温差があるんですよね。
とは言え、雪はあまり降りませんが。
ただ、冬は空気が澄んでいて、月や星が、美しい。
久しぶりにオリオン座が見えたときは、うわあ、と感激してしばし見上げて、首が痛くなりました。
そして。
ここに住んでいれば、お花見も紅葉狩りも、わざわざ出かけなくてもここで充分事足りるんですよね。
こんなに綺麗なんだから。
けれど、世間を見ると人間っていうのは、わざわざ激混みしている有名処へ出かけていく。
なんでなんですかね?
名所と呼ばれるところは、そりゃあここに比べれば、相当美しいのはわかりますが。
大勢の人が周りにいて、わあ、とか、凄い、とかを共有したいと言う集団意識? なんでしょうか。
人は、ひとりでも充分に楽しめる人と、誰かと一緒じゃなければ嫌だ~と言う人がいるんでしょうが、私は確実に前者ですね。歳をとってきて、それが顕著になってきた感があります。誰かと行くにしても、お供していただくのは1人かせいぜい2人まで。
それに、有名ではないしささやかだけれど、歩いて行けるところに梅林もあるし、本当に小さな桜の公園もありーの、薔薇の美しい公園もありーの。
もうひとつ、最近は動画配信サイトが充実していて、4Kなんかのもあるので「行ったつもり~」になれるから、というのも大きいかな。
今年はうちのお山の桜がことのほか綺麗だったので、ふと思った事でした。
あ、でも、京都の有名処だけは、インバウンドが収まれば行ってみたいかなあ。
そんな日は、来るのでしょうか。
最近は、そんなこんなでお出かけする機会がなくて、なかなか不思議とも出会えませんが、また疑問に思うことなんかも書いていきますね。
どうぞ、首をながーーーーーくしてお待ち下さい。




