京都 平安神宮界隈
平安神宮ではなくて、岡崎とも呼ばれているあのあたり界隈のおはなしです。
まずはじめは、京都市京セラ美術館。
先日、京セラ美術館を訪れたことは、『はるぶすと』シリーズの小説にも書かせていただきました。
今回思ったこと、それは……、ルーブル美術館展というものに、京セラ美術館さん、けっこう力を入れていたんですね~ということ。
だいたい特別展が開かれるのは北回廊だけなのですが、なんと今回は東山キューブと言うもう一つの会場を使うほどの大々的なコレクションでした。その分見応えは十二分にありましたので大満足ですが。
それと入場者はたぶん多かったのだと思いますが、会場がそんな感じで広いので分散されて、混んでる~と言う感じもあまりありませんでした。とは言え、訪れたのは平日の昼間でしたけどね。
さて、この京セラ美術館、前身は京都市美術館という名前だったなと記憶しています。
リニューアル前の京都市美術館の時に訪れたことあったかな~と、ネットサーフィンしていたら、とある写真に目がとまりました。
「ボストン美術館展」
あ、そう言えばこの展覧会、確か見に行ったよな、人も多かった! と思い出しました。
そこで蘇る記憶。
以前の建物は出入り口からしてものすごく重厚だったのですが、重厚すぎて敷居がすごく高いような気がして(これはあくまで私の感想です)。入り口を入るときに、けっこうドキドキしたりなんかして(笑)
京セラ美術館になってからは、その出入り口がなくなって、と言うか地下に掘り込んだおかげで元の出入り口は2階? みたいになってます。なので明るくお迎えしていただけるせいか、とっても入りやすくなりました(これもあくまで私の感想です 笑)
けれど建物内は無料で見学できるし、お庭も拝見できるし、カフェもショップもあるし、展覧会を観なくても半日は遊べるんじゃないかな。
もし興味がおありでしたら、是非訪れていただきたい美術館です。
お次はそのお向かいにある、京都国立近代美術館。
ここは以前、東山魁夷展を見に行きました。
このときはけっこうな人出で、でも東山魁夷大好きなので、もう堪能し尽くしました。
その時に買った「白馬の森」が描かれたメモ帳はマイ宝物です。もったいなくて使わずに飾ってあるくらい(笑)
東山魁夷の青が好きなんですよね。
私の小説に登場する鞍馬くんのイメージが青なのですが、東山魁夷の青がもつイメージを無意識に鞍馬くんと重ねているかもしれません。
いつか長野県立美術館にある、東山魁夷館に行ってみたいですね~。
で、この美術館にはものすごくインパクトのある思い出があるんです。
ひょんなことから、ポールスミス展が開かれていると知り、「そうだ! 京都、行こう!」と、予定のあいていたとある日に勇んで電車に乗り込んだはいいものの、途中でふと気が付いてしまったのですよ。
「うわあ! 今日は月曜日だったー!」
だいたい公営の美術館というものは、月曜日がお休みなんですよね。
けれど、もう向かってるし、もしや、もしかしたら何かの間違いで今日はあいてるかもしれないし? などと勝手な願望を胸に訪れたのですが……
閉まってました……、撃沈……
当たり前なんだけど、仕方がないんだけど、ああ、見たかったなあ。京都はそうそう来られる場所じゃないし。
で、ここからもう一つの物語が。
残念な思いから、一緒に行った連れとなかなかそこを離れられずにいると、お若いカップルがやってこられました。
で、看板に本日休館と書かれていたんですが、それがわかると……。一瞬動きが止まってましたよ。
え? 休館? ええっ嘘? って言う感じで。
なんで? なんでえー! みたいになってました。
ああ~あなたたちもか~、ウンウンわかるよその気持ち~。
なんとなく荒れ地で戦友? をみつけたみたいな感じになっていました。
皆様も休館日などは、きちんと調べてから行きましょうね。
仕方がないので、平安神宮にお参りして、お茶してからすごすごと帰ったのが、今ではなぜか良い思い出です。
でも、見たかったなあ、ポールスミス展。
私が生きてる間に、またやってくれないかなあ、京都国立近代美術館さん。
まあ、期待せずに待つことにします 笑
で、平安神宮はあまりにも有名なので、今回説明は割愛することにして(何でやねん)、昼食に訪れたうどん屋さんのお話を。
平安神宮の大鳥居が見える交差点に、前々から気になっていたうどん屋さんがあったんですよね。
お福と言う、おかめさんの絵が飾られている、本当に小さなうどん屋さんです。
いつもは時間が早すぎて? それとももしかしたら定休日だったりして? 閉まっていることが多かったんですが、今回はなんとのれんが掛かっていたのです。
〈わーあいてるー、けど、入ろうかなあ、どうしようかなあ〉
と、また優柔不断なわたくしはしばし交差点前で立ち止まっていました。
すると。
横断歩道の向こうにいた、今どきの、ロン毛をかっこよく結い上げたお兄さんが、店を眺めていたかと思うと、吸い込まれるように入って行ったんです!
〈おお、あんな今どきのお兄さんが!〉
と、なぜか心強くなった私も、行ってみよう! と、勇んでお店に突入してしまいました。
お店の中はそんなに広くなくて、レトロ~。お好きな席に座ると、テキパキとお姉さんが注文取ってくれます。
雰囲気は、昭和の町中にはだいたいあった、通りのうどん屋さんって言う感じです。高いところにテレビがついてたり。
厨房はおっちゃんがお一人で捌いているので、注文の品が出て来るまで時間はかかります(いつもおひとりなのかな?)
近頃はなんでもスピードスピードで、待つのがお嫌いな人が多いので、そう言う方には不向きなお店だと思いますよ、あしからず。
何にしようかなーとメニューを見て、お店の名前と同じ、「おふく」うどんを頼みました。お餅と揚げ玉入りと書いてあって、関西ではお餅の入ったうどんは、力うどんとか、カチンうどんとか言いますが、ここでは「おふく」 がそれにあたるようです。
暑い暑い日でしたが、冷房の効いたお店で頂く暖かいうどんは美味しかったあ。お餅も美味しかったあ。
しかも、お値段がこれでいいの? というほど良心的な650円!(2023年・令和5年・8月現在の価格です)
お兄さんに引っ張られて入って良かったなあ、と思えるお店でした。
けれど本当に小さいお店ですので、行くならお一人か、せめてカップルが良いと思いますよ。
あ、後で入ってきたカップルさんが「中華そば」を頼まれていました。ラーメンもあるんや! 今度来る機会があったら、食べてみようとまた決意を新たにしたのでした。
それにしても、思わぬところで念願がかなった、これも不思議のひとつなのかな。
平安神宮界隈は、美術館あり、公園あり、動物園もあり、空が広くてとても気持ちの良いところです。
秋の1日、晴れた日にでも、ゆっくりと訪れてみてはいかがでしょうか。




