↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】俺と最強白狐娘の異世界“ながら”侵攻記~スマホの全魔法収蔵『魔法大全』アプリを持って、保護した姉妹を育成し“ながら”異世界魔王にカウンター食らわせる腹づもり~  作者: 柳生潤兵衛
第1章 突入! エベレストダンジョン!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/121

第35話 大一番、迫る。


「のう、まだ怒っておるのか? 昨日から大分経っておるぞ? いい加減許してくれても良かろう?」

「お姉ちゃ~ん、機嫌なおしてよ~」

「……」

「疲れておるのか? おぶってやろうか?」

「肩たたきしてあげる?」


 1泊して、53、54階層を攻略して昼休憩を取っているのだが、ミケやアニタは、アニカのご機嫌取りに余念がない。

 何故なら……


「アニカ、ハッカ飴くれないか?」

「はい。どうぞ、ユウトさん」

「「あー!」」、「我にも~」「アニタにも~」

「……」


 アニカが飴の管理をしているからに他ならない。

 後先考えずにイタズラを仕掛けるからこうなるんだ。


「頼むー! 我にも飴を! 飴をくれーい!」

「ちょ~だいちょ~だいちょ~だ~い!」

「……はーっ! 手を出して」

「「やったー!」」



 休憩を終え、55階層へと下りる。


「むっ!」


 ミケが何かに気づき、階層を奥に向かっていく。


「2人は無理せずに狩っていてくれ」


 アニカ達に言い残して、俺もミケを追う。



 追いついて見ると、腹ばいにした魔人の背中を、ミケが足で踏んずけて抑えていた。


「こやつが1人でおった。……ほれ、我が抑えておるので、ユウトはスロープを塞いでくるがいい」

「ぐっ! は、離せ!」



「……で、お前はここに1人で何をしておったのじゃ?」

「うるせぇ! 誰が言うか! ……ぐぇ、イデデデデ!」


 俺が戻って来ると、すでに尋問が始まっていた。


「……で、お前はここに1人で何をしておったのじゃ?」

「……」

「ユウトよ、こ奴がしゃべらんから、その刀で足を斬り落としてくれんか?」

「ああ、どっちにする?」

「1本ずつやっても時間の無駄じゃ、りょう」

「――わ、わかった! 言う! 言うから……」


 こいつはグンダリデの配下で、この魔王軍を率いているガンダーという男にミケの存在を報告に行き、隊に戻る途中だった。


「もう報告した後だったか。……まあ、仕方ないな」

「うむ。どうせ獣人がいたという程度の報告じゃっただろうて」


 そして、刀をチラつかせたりミケが強く踏んだり、脅しながら情報を吐かせているとアニカ達が追いついてしまった。


 ガンダーは5,000の本隊を連れていて、その中のモンスターはハイオーガとジャイアントライノで、これまでよりも強く巨大になっている事。

 下の階層は徐々に広くなっている上に、マグマ地帯が多く点在している事。

 5,000の隊は狭い道幅で必然的に進軍速度が遅くならざるを得なかった、ということが判った。


「ぐぐぅぅおー!」

「あっ! 抜けおった!」


 話をさせる為に抑える力を緩めていたのをいいことに、その魔人はミケの拘束から抜け出し、アニタを人質にとった。


「ハッハー、動くなよ!」

「何を無駄な事を……武器も持たずに」


 俺はため息交じりに言うが、聞く耳を持っていない。


「さぁ、そこをどけ! お、俺を見逃せば、こいつの命は助けてやる。早く俺を下に行かせろ!」


 俺達が来た事で、グンダリデに何かが起こった事を悟ったようで、下に逃がす事を要求してきた。


「「「はーっ」」」


 みんながため息をついた。

 アニタに目配せをすると、アニタは頷いて、行動を起こした。


「ぐぉ!」


 アニタは、ストレージに仕舞ってあったナイフを取り出して、逆手に持って魔人の脇腹を刺して脱出した。

 アニタが離れるや否や、ミケの手加減した雷で動きを止め、アニカが貫通撃を突き刺して魔人は命を失った。


「アニタ! 大丈夫だった? どこか痛くない?」

「へーきへーき。みんながいたから怖くなかったよ!」


「しかし、魔王軍がすぐ下におるようじゃのぉ? どうする?」

「とりあえず、ここのモンスターを片付けてから考えよう」



「さて、下の56階層にいるガンダー軍をどうするかの話の前に、ガンダーについて知っている事がある。少しだけどな」

「バハムートとやらの記憶か?」

「そうだ。バハムートが命を落とした戦場に、ガンダーもいた」


 その時の魔王の軍勢は、第1軍団長に現魔王のメルガンという武力、魔法を兼ね備えた魔王の娘がいた。

 その妹が第3軍団長のメルティナ。魔法に長け、魔法師とそれを守る盾役のいる軍団だった。


 そして、ガンダー。そいつは第2軍団長で圧倒的な武力でのし上がったらしい。

 ガンダーは自分が敵わなかった魔王に絶対の忠誠を誓っていた。

 そのガンダーが、今第1軍団長として遠征しているという事は、娘のメルガンが現魔王であり、確実にガンダーより強いという事。


「恐らく、バハムートのいなくなったカストポルクスで、個人の戦力としては2番目の実力者という事だ」


 アニカとアニタは息を呑んだ。


「もし見付けても俺もミケも、もちろん2人も、迂闊に手を出すんじゃない。いいな」

「しょうがないのぅ」

「「はい!」」


 皆に釘を刺したところで本題に戻る。


「とりあえず、下で戦うのは良くないよな?」

「うむ。流石に5,000に突っ込む馬鹿はいないじゃろ」


 戦いになると、結構イケイケになるアニタが一瞬ギクッとしていた。


「スロープを抜けてくる敵を狩り続けるか?」

「それも物量に押されれば、分断されるぞ。アニカとアニタが分断されてしまえば厄介じゃ」


「分断か……! そうだな、分断しよう」

「蓋をするのか?」

「もちろん蓋はするが、それは57階層へ続くスロープにだ。分断はここでする」

「ここで? どうするのじゃ!」

「迷路だよ。俺達も第2階層から第9階層まで、分かれ道が結構あっただろ? それを出来る限り作るんだ」


 分かれ道があれば、確実性を求めるなら隊を分けざるを得ない。細い分かれ道にすれば調べるのは魔人になる。つまり敵を限定できるってことだ。


「奴らにとって手前になる迷路ほど高く厚い壁にする。マグマがある所は行き止まりに利用できるしな。皆には手伝ってもらうぞ?」

「了解じゃ!」

「「はい!」」


 《ロックウォール》やストレージに収納してある瓦礫を利用して、高く厚い壁を設置する。

 迷路の構成はミケにも手伝ってもらいながら考え、アニタとアニカには《フライ》を掛けて、上層の瓦礫や岩を取って来てもらい迷路を完成させた。

 念の為に天井近くの高い位置に“巣”も設置した。




「ふ~、これくらいでいいか」


 結構魔力を消費してしまったな。


「いい感じに出来たんじゃないかのぅ」

「お疲れ様です」

「みんながんばったね~」



 ダンジョンに入って9日、最大の山場と言える戦いを控える中、ケーキで乾杯を交わす。


「じゃあ行ってくる。ちょっとの間頼むぞ!」

「「「おー!」」」

「無茶するでないぞー!」


 ミケの声を背に受け、俺は56階層を目指した。


お読み頂きありがとうございます。

長編小説です。

ブックマーク頂けると嬉しいです。しおり機能等も便利です!


良きところで評価して頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。