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The Kingdom  作者: 春野隠者
ゴード暦528年 覇を統べる王5章
77/103

西域の主5

累計PV80,000HIT突破ありがとうございます。

執筆に時間がかかることがあると思いますが、完結までお付き合いくださいませ。

 “閃光”

 かつて、兇王ヴェルの率いた黒旗軍こっきぐん。その中の最精鋭を集めたのが、千人よりなる“王の剣”だった。ほとんど伝説の域にまで語られる彼らの中に、一騎当千と呼ばれるに相応しい者は幾人もいたが、その中で異彩を放つのは、女だてらに異名をとった一人の武人だった。

 速きこと瞬く光の如く、振るう細剣は敵を貫く。その意味を込めてついた渾名が閃光──閃光のロメリア。兇王ヴェルが戦地に倒れた当時二十歳を超えたばかりの彼女が、どのような思いでこの10年来を過ごしてきたかはわからない。だがその剣筋は、伝説を裏切るものではなかった。

 ゆるりと、剣先を下げた構えから突き出される突きは、三段を数える。腹部、胸部、咽喉を同時に狙う精度と速度を兼ね備えたその一撃のみで、シュセは目の前にいるのが、自分の技量では遠く及ばない存在なのだと解ってしまった。

 白亜の鎧が無ければ、今の一撃で即死していたであろう。正中線に沿って寸分の狂いも無く突き出されたその三段突きを、奇跡的に避ける。ロメリアの剣が掠った鎧は無残に貫かれ、血が滲む。防御というよりも逃げにまわした剣で、二撃目と三撃目を避けていなければ、彼女の命も無かったことだろう。

「……貴方は何者です!?」

 膝を突くシュセは、腰まである銀の髪を優雅に揺らしたロメリアに激しい口調で問いかけた。

「言ったでしょう、私はロメリアよ」

 ただの、ね。と小さく呟いた声はシュセの耳には入らなかった。

 見下ろすロメリアの翡翠の瞳は、宝玉のように硬く冷たい。

「貴女の技量では私に敵わない。大人しく、逃げ帰ったらいかが?」

 見上げるシュセの首筋に細剣を突きつけて、ロメリアは言う。

「……お断りします。役目を果たせずして、何のための騎士か!」

「長生きできない考え方ね」

「カル様の為なら、わたくしは命など要りません!」

 手にした細剣で、ロメリアの剣を力任せに払う。ふらつく足で立ち上がると、肩で息をしながら再びロメリアの前に立つ。

「では、貴女が引き上げざるを得ないようにしましょうか?」

 ぱちん、と指を鳴らすと店の奥から屈強な男達がのそりと現れる。

「表にいる私兵を殺しなさい。惨たらしく、ね」

「良いんですかい? 兄貴に相談しなくて」

 にやりと、男達は笑ってロメリアの指示に従う。

「構うものですか、死体は全部野良犬の餌よ」

「やめなさい!」

 男達に向かってシュセが前に出ようとするのを、ロメリアが許さない。突き出される細剣を、いなして巻き込み、跳ね上げる。出れば確実に命を失う、その直感がシュセを後ろに下がらせる。

「今すぐに追えば、貴女の部下の命は助かるわ。私は貴女を追わないし、悪い提案ではないと思うのだけれど」

「貴方は、何が望みなのです!?」

 後方を伺いながら、尚も眼前のロメリアへの警戒を緩めない。

「望み、か。信じてもらえるかわからないけれど、平穏よ。愛する人と、共に年老いて死んでいく。ただそれだけ」

「それだけの腕を持ちながら……」

 信じられないように、ロメリアを凝視するシュセにかつての英雄は微笑んだ。

「貴女もきっといつかそうなると思うわ……私はただ、今の平穏を誰にも邪魔されたくないだけ。例えそれが戦乙女と呼ばれる騎士でも、優しい少女でも、成り上がりの貴族の坊やにもね」

 ひゅん、と風を切りロメリアの細剣がシュセに向けられる。

「さあ、選びなさい。部下のために退くか、矜持のために部下を殺すか!」

 問う声は刃のように鋭く、隙は一部もないように思われた。その言葉を前にシュセは迷った。ロメリアの言葉通り、確かにここで退けば兵士たちの命は助かる。カルからの命を我武者羅に果たそうとしているのは、自身の矜持のためなのだろうか、と。

 否、と言い切れるほど彼女は自身をだませていない。王に対して、忠誠を誓う以上の感情を、シュセは確かに持っていたのだから。それが、幼い頃から一緒だったカルを想うゆえなのか、一人の男として彼を見ているのか、それはまだわからない。

 だが、それでも。

「わたくしは退くわけにはいきません」

「貴女の矜持のために、兵士の命を危険にさらすのね?」

「陛下より戴いた勅命、それを果たそうとするわたくしが、忠誠心だけであると、わたくしには自信がない。それが、わたくしの矜持のためであるかも、わからない。ですが……彼らだけの命を、危険には晒しません」

 一度開いた間合いの中へ、シュセは自ら足を踏み出した。隔絶した技量の差、ロメリアの細剣の間合いの内側へ、死地にシュセは勇を振るって一歩を踏み出した。

「それが貴女の答え?」

 若いわね、と笑ってロメリアは細剣を構えなおす。立ち昇るは、必殺の気。

「手加減はしないわ」

「望むところ」

 張り詰めていく空気が、硬質な硝子のように悲鳴を上げる。

「おいおい、俺の店の中でこいつは、一体何の騒ぎだ?」

 二人の気をそらしたのは、宿の入り口に立つ巨躯の男だった。

「ベイシュ!?」

 間合いをきったロメリアと、警戒を怠らないシュセにベイシュは苦笑して頭を掻いた。

「ゴロツキどもが、店の前で言い争いをしてやがったから何事かと思ったら、何遊んでやがるんだか」

「いや、でもあの!」

 ロメリアがしどろもどろに言い訳しようとするのを、ベイシュは手で制した。

「まぁ何はともあれ、お前もそちらのお嬢さんも物騒なものはしまいな」

 どっかりと、店の椅子に腰掛ける。ただそこにいるだけで圧倒的な存在感を放つベイシュの存在に、シュセは細剣を握った手に汗をにじませていた。

 不承不承剣を収めるロメリアに、シュセも剣を引いた。

「さて、お嬢ちゃん。ものは相談なんだがこのまま剣を引いちゃくれないか。こちらにも行き過ぎがあったことは認めるが、問答無用で剣を抜くころはあるまいよ。ましてやそっちは今までここいら一帯の治安を放置していわけだからな」

 痛いところを突いて来る。シュセは唇をかみ締めてベイシュの口上を聞いていた。確かに、ロクサーヌの無法地帯を放置していたのは、施政者たる貴族の責任。例え、カルにその実権がなかったと言えども、貴族と生れ落ちたならば、それは自然とついて回る責であった。

「では、陛下の定めた法に従い、しかるべき税を納めていただけるのですね?」

「ああ、別にかまわないさ」

 その言葉に目をむいたのはロメリアだった。だが、言葉にはせずベイシュを睨むに留める。

「……それでしたらわたくしに不服はございません。では、今後この地区は衛士の指示に従っていただきます」

「ちゃんとした奴をよこしてくれよな」

「もちろんです。王とわたくしの名に誓って」

 ベイシュとロメリアに背を向けるシュセ。出迎えるのは、クラウゼ、ユイルイらの彼女の部下達だった。

「ご無事ですか!?」

 色めきたつクラウゼの声に、軽く頷く。鎧に入ったひび割れ、滲む血の赤。無言の内に、クラウゼ、ユイルイらの視線が刃のように鋭くなる。

「斬り込む! 止めるなよ、ユイルイ!」

「無論だ!」

 剣を抜き放つ二人に、控える私兵達も殺気立つ。

「止めなさい!」

 制止の声は、その殺気を霧散させてしまうほどに、強く張りがあった。

「ですがっ!」

 食い下がるクラウゼを一睨みで黙らせると、シュセは一言だけ言い放った。

「話は付きました。それ以上の成果は無用!」

 ユイルイは宿を睨みながら、不承不承剣をしまう。

 シュセの言葉に、私兵達からどよめきにも似た声があがる。クラウゼは悔しさに歯をかみ締める。

「帰ります」

 王城に向かって進むように指示をすると、シュセ自身は最後尾を進む。

「いかがなされました?」

 一度だけ振り返り、宿を見たシュセに、ユイルイが声をかけた。

「……いえ、なんでもありません」

 細剣の柄を握り締めた手が、悔しさで震えているのをシュセは部下に気づかれぬよう、きびすを返した。

「なんで、止めたの?」

「なぁに、大したことじゃない。あと5年もすれば、良い腕になりそうだと思ったら、ついな。それにあそこまで一途だと、殺すのも惜しくなっちまうだろう?」

「うそつき……」

 シュセと私兵たちの引き上げた宿の奥、かつて“英雄”と呼ばれた者達がひっそりと語り合っていた。




 初夏といえど、ベルガディの夜はまだ冷える。夏の日差しが消えた分、大河ルプレの冷気が染み入ってくるためだ。梢を揺らす風の音を聞きながら、ナルニアはなんとなく仲間の元へ向かうのが躊躇われた。気分の向くままに、屋敷の中庭を当てもなく歩いていた。

 翳る月を供に歩く彼女は、戸惑っていた。

 理由は残忍な領主であるはずの、トゥメルの対応だった。てっきり一人呼び出されたときは、一時の気まぐれに抱かれるのだと思った。事実それを待っていた。それをてこに取り入り、西都に火の手を揚げる。

 だが、トゥメルの要求してきたのは彼女の歌声のみ。ナルニアが歌っている間中、トゥメルはただ無心にその歌声に聞き入るのみだったのだ。

 それのみか、再び機会があれば歌を求められたのだ。

「ルカンド……」

 背負いきれないものを救おうとする、優しく笑う少年に向けて、救いを求めるように呟いた声は、夜の風に攫われて消えた。



「ちっ……遅いな」

 エレガはぶどう酒の瓶を呷りながら、夜の風が吹く窓辺に腰掛けていた。ガドリアを出てから、30日ほども経っただろうか。もともとジルの娼館にいる時から、ナルニアのことを、妹のように可愛がっていたエレガは、不機嫌の絶頂にいた。

 もともと今回の旅に、エレガ自身は反対していたのだ。奴隷の身から拾われて、娼婦になることなどガドリアではよくあること。むしろ幸運とさえ呼べた。黙って男に抱かれていれば、旨い物は食えるし、安心して眠ることもできる。

 ガドリアの夜を仕切っていた艶花は、娼婦の扱いに細心の注意を払ってくれた。まるでどこぞの貴婦人かと思うほどに、客の下に出向くときはしっかりと、雪華の護衛をつけてくれたし、お抱えの医者も多数擁していた。

 ほかの娼館と比べれば、格段の違いと言って良い。客に媚を売り、愛想を振りまき、身を任せれば万事こともなし。

「バカな私たちには、お似合い……」

 憤りとともに、酒を喉に流し込む。だが、ナルニアは賢すぎたのだろう。娼館にいたときから、彼女の才覚はエレガや他の娼婦とは肌色が違って見えた。エレガを含めた娼婦が金を稼ぐことに血道をあげている中、彼女は店のことを考えて行動する。誰もやりたがらない呼び込みを積極的に引き受け、店に多くの客を呼び込んだ。

 それでいて、自身では稼ぎもほとんどないから、いつまでもジルの侍女みたいなことをしていたのだ。

 誰でも自身の身が可愛い。なのにあの子は、自分よりも他人を優先してしまう。回りが幸せなら、自分も笑っていられるのだと、そう言って笑っていたのだ。

「ちっ……」

 そんなナルニアが、エレガには眩し過ぎた。あまりにも純粋なその心が、暗い自身の心を浮かび上がらせてしまうように、憎くさえあった。ナルニアが周囲の反対を押し切って来たこの旅で、彼女が失敗し、心身ともに傷ついてさえしまえば、他人よりも自分を優先する“当たり前の人間”に……自身のいる場所まで堕ちてくるのではないか、と。

 心暗い期待を寄せていたのに、なぜこんなにも不機嫌になるのか。

 舌打ちをしてまた酒を流し込む。

 わかっている。きっとそんなことでは、彼女は自身の側まで堕ちて来たりはしない。領主の所へ向かう儚く笑う彼女を見ていたら気づいてしまったのだ。

 ああ、あの子はきっと私達がいつの間にか捨ててしまった大事なものを、まだ捨てていないのだと。

 だから、だからこそ、悔しさに唇をかみ締める。

 酒を流し込まねばやっていられない。

 とめられない自分自身に、その力がない自分自身に。

「……っく!」

 気づけば、酒はすでに空だった。

「酒、酒っと……」

 酩酊する思考で、揺れる視界で次の酒を捜し求める。空虚な快楽でも、身を苛む屈辱に押しつぶされそうなこの夜を、一人で過ごすのに比べれば、幾分かはマシだった。

 ふらつく足を前にだし、酒を探しに荷物を漁る。テーブルの上に荷物を持ち上げ、うろんな瞳で物色していると。

「っと……」

 ふとしたひょうしに、まとめてあった荷物が崩れて落ちる。

「……ったく!」

 床に転げ落ちた荷物の中に、酒の瓶を見つけて手を伸ばし、視界の先に誰かの靴のつま先を見つけて、視線を上げていく。

「あんまり飲みすぎると、体に毒ですよ」

 やさしく微笑むナルニアに、エレガは、今までの暗い感情が全て押し流された。

「ナルニア!」

 抱きつくエレガに、困惑するナルニア。大切なものを手放さないように、がむしゃらにすがりつく。

「エレガさん?」

 エレガの目元に光るものを見つけて、ナルニアは困惑する。

「大丈夫だったかい?」

「うん……でも」

 困惑したナルニアに、エレガはナルニアの髪を撫でる。

「でも?」

「領主を誘惑するのは、失敗しちゃったみたい……その、ゴメン」

 しゅん、と項垂れる彼女をエレガはやさしく包み込む。

「良いんだよ。あんたさえ無事なら」

「エレガさん?」

「良いんだ。やっぱり私は、あんたが好きらしいからね」

「……えっと、うん、その、ありがと」

 薄っすらと頬を染めるナルニアを、心底可愛いと思いながら、エレガは彼女を抱きしめていた。




 初夏の日差しをさえぎる梢は、新緑の若葉に覆われている。ベルガディでは比較的よく見かける日差しよけの街路樹。いつもと違うのは、その街路樹に人だかりができていることだった。中央の市場のすぐ近く、人通りの多い場所にその人だかりがあった。

 人だかりの中心にあるのは、看板。走り書きの文字で、領主トゥメルの無能と、ガシュベルの性癖を揶揄する内容の文章が書きなぐってあった。

 その内容に眉をひそめる者、口には出さないが同意をする者と様々だったが、みな一様にざわざわと騒ぐだけで、真っ向から否定しようという者はいなかった。それはうわさの域を出ないその殴り書きに、ベルガディの民が知る領主の一側面を確実に捉えていたからだ。

「衛士が来るまで、もう少し見物してようか」

 人だかりから離れてた位置から、クシュレアは人々の反応をうかがう。

「上々なのです」

 カーナはにっこり微笑んで、人だかりを眺めていた。

「どんな反応をするかと思ってたけど、やっぱり領主の悪行ってのはみんなの関心を呼ぶもんだねぇ。特に弟のほうの醜聞ってのは、恰好のネタだ」

 落書きを注視はしても、反論する者がいないところを見ると、本当に好かれてないと見える。

「貴様ら何をしているか!」

 騒ぎを聞きつけた衛士達が駆け付け、人だかりを追い立てるようにして解散させた。蜘蛛の子を散らすように逃げていく民衆。民衆を追い散らすと、遠巻きに見ている彼らに向かって睨みを効かせる。

「良いか! ベルガディの平穏があるのは御領主様のおかげ! その恩を仇で返そうとする輩は、皆こうなるのだ!」

 叫ぶや看板を叩き割り、油をかけて燃やす。赤々と燃える炎に、黒々とした煙を吐き出す看板を背に、隊長らしき衛士は民衆をねめつけた。

「おい、そこの浮浪者! 貴様が犯人だろう!」

 衛士が目を留めたのは、まだ幼い少年の浮浪者だ。獲物を追い詰める猫のような残虐さで、衛士は笑った。

「大人しくつかまれば良し、さもなくばここにいる全員を共謀の罪でひっとらえる事になるぞ」

 彼の背後で衛士達が武器を構える。皆一様に、剣を鞘から抜き去る様子に、民衆は思わず指名された少年を見た。背後に妹を庇った少年は、舌打ちしながら周囲の大人達の背筋を凍らせるような視線と、背後の守るべき温もりを感じていた。

「お兄ちゃん……」

 妹がボロボロの兄の服の裾をつかむ。

「セリア。俺があいつらの注意を引く。その間にお前だけでも、貧民窟に逃げ込め。頼る人はわかっているな?」

 小声で囁くと、妹を押しやり衛士の前に出る。妹の呼ぶ声に、身を引き裂かれる思いを押し殺し、衛士の巨体を睨む。

「子供にしてはなかなか殊勝ではないか。身も知らぬ他人の為に、わざわざ殺されに来るとは」

「俺は、お前らのような卑怯者じゃない!」

 その小さな身体全てを使って叫ぶ少年に、衛士はひやついた笑みを浮かべた。

「おめでたいガキだ。正直や誇りで飯が食えるか?」

 衛士達が少年を取り囲む。手には剣の代わりに棍棒を持っていた。それを思い切り少年にたたきつける。鈍い音とともに少年が倒れこみ、それを見て衛士達はまた笑った。

「おいおい殺しちまうなよ。領主様への侮辱罪で生きたまま、引き出さねばならないからな」

 へらへらと笑う衛士達は少年を縛り上げると、意気揚々と引き上げていく。

「これは、随分面白いものが見れたねぇ」

 散っていく群衆の影から、クシュレアがカーナに声をかける。

「こんな意気地なしの人達で、本当に大丈夫なのでしょうか?」

 幾分か落ち込んだカーナの声に、クシュレアは嫣然と微笑みを返す。

「自分に火の粉がかからない限りは、人間ってのはいくらでも卑劣になれるのさ」

 低く笑って、視線を路地に向ければ、泣き崩れている少女の姿。

「まぁ、情報を引き出すには良いかもねぇ。カーナ」

「はいです!」

 カーナはトタトタと少女──セリアに駆け寄って声をかけた。

「ジル姉さんの見立て通り、まだまだナルニアじゃ主役は張れないだろうからねぇ」

 カーナにさえも聞こえない声で、クシュレアは哂った。





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