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バッドエンドからのニューゲーム

「おーい 長門くーん。起きてー 早く起きないと君をコンクリート詰めにして東京湾にポイしちゃうよー」

脳内に響き渡るように 聞いた覚えがあるような声が聞こえる。 それと同時に僕の意識は覚醒し 目をゆっくりと開ける。

「ぐほぉ!?西条さん顔が ち、近い!!」

僕の目の前のすぐ近くに悪い笑みをした西条の顔があった。あまりの衝撃に体が仰け反る。童貞の僕には 想像以上に刺激が強すぎる。しかし おかしいな?何故だが何かに縛られているように手を動かせない。

「あははは、照れんなって」

西条ってこんなキャラだったけ?

と思いつつ 現状を理解しようと周りを見渡す。

「というかどこなんだよここはぁーー?」

思わず大声でツッコミをいれてしまいそうになるというかなった。いま自分がいる場所はひらけた大部屋のような場所だった。 地面には赤いカーペットに壁には高そうな絵画、まるでここは王宮のような場所だ。その部屋の中央に僕は座らせている。そして手を動かせないのは どうやら後ろで縛られて拘束されているみたいだ。

さらに後ろを見ると槍を持った RPGゲームで言ったら廃課金者のような装備を持った二人に どう見ても初期装備の特に特徴も無い学校の制服のままの僕を監視している。 そして僕の前に立っている西条の奥には階段状になった段差の上に偉そうに高そうな椅子に座り冠を被った筋肉質ではあるが長い白い髭を垂らしたジジイ…おっと口が滑りそうになった、偉い貴族のような格好をした王様のような奴がいる。そしてその両脇に一列に並ぶように高級そうな中世のヨーロッパの貴族みたいな服をきたような観衆が僕を睨みながら押し黙っている。この多くの視線には流石に自称陽キャよりの陰キャの僕でも怖い。というかちびりそう。


全く理解できない連続のこの状況を理解するためになんとか気持ちを落ち着けて自分の状況を整理してみることにする。


僕は西条が異空移動?を発動したあと どうやら気を失っていた。

そしてこの現代の日本で 海外の歴史ドラマとかでしか見ないこの光景は

西条の言っていることが正しいのならばここは異世界ということなのだろう。しかしだがわからないことだらけだった。

「多分、キミが考えてることは まずここは異世界なのかー?なんで手を縛られているのかー?これから僕に何が起こるのかー?とかでしょ?」

だいたい僕が頭の中で思ったことを西条はこちらを向きながらニヤニヤと悪い笑みを絶やさずに言ってくる。

「じゃあ キミが思う疑問の答えを率直に私が言ってあげるわ。まずここはキミがいた世界とは別の世界。つまり異世界よ。

そしてここは世界二台大国の一つ 魔術国家アレキサンドライトの首都であるイカロスの中の王宮。で、ここの大部屋はアレキサンドライトの王達が直々に尋問するときに使われる

[正義の間]よ。つまりね キミは今から我々の王直々にキミは軽い尋問をされるのよ。

この国が出来てから 数百年、よほどの大罪人でしか使われないこの部屋は 本来持っていた目的で利用されるのは私が生きてきた中で初めてのことなのよ。だから光栄に思いなさい」

尋問?アレキサンドライト?正義の間?情報量が多すぎて頭がパンクしそうだ!

さっきから見覚えがない光景だなとは思ってたけど やっぱりここは異世界なのか?というか なんで光栄に思わなきゃいけないんだよ。もしかして僕に 殺人鬼の人格でもあって殺人でもおかしちゃったのかな?

いやそんなわけないだろ。

「なぜ手を縛られているのか?そしてなぜ尋問を受けなければないのか?の理由はね。あなたが能力者だからよ。それ以上でもそれ以下でもないわ」

僕の考えが追いつくまえに素っ気なく西条は言う。僕が能力者??まぁこれに関しては カッコいい響きだから今は保留にしておこう。この際、尋問なども置いておく。

なぜなら一つこの場をぐっと理解するための解決策を思いついたからだ。

「ここが異世界?西条さん、こんな大きな部屋も用意したりギャラリーも呼んだり 凝った設定もあったり どうせこんなのドッキリのテレビの撮影でしょ?

もうわかったから早くドッキリ大成功の看板持ってきてよ。それでも もしここが異世界だっていうなら 証拠を出してよ!」

そうだ、よく某掲示板サイトとかでもよく見る他人に論破されそうになった時に一死報いる魔法の言葉

「証拠出せよ」だ。この言葉 有能すぎる(笑)

「じゃあ聞くわ。あなたが思う異世界とは何? 可能なら見せてあげるわ」

西条は急に真剣な表情になり 僕の要求を聞こうとする。なるほどまだ異世界とまだ言い張るつもりみたいだ。しかしなー異世界かー?どうしたものか。もし僕の世界と全く同じような世界の異世界だとしたら 証拠とかないだろうに。西条には可哀想だがありきたりで異世界じゃなきゃ不可能なのを言ってみるとするか…

「わかったよ。西条さんが ここを異世界だって言うのなら 魔法を使って見せてよ!

もし魔法が使えるのなら さっきまでの話を信じるよ」

魔法とか科学的にありえないし

極端に言えば僕の世界の数学者はこの世界の全てを数学で表せるとか言ってる世界で 僕は幽霊とか超常現象も信じてない。その 世界のトップに立つ数学者や 物理学者も魔法とか聞いたら 大笑いしてバカにされるだろうな。まぁ早く家帰ってゲームしよ…

「そんなの無理だわ。魔法なんて、私達人間ができるわけないじゃない」

ほら、出来ないじゃないか。初恋の相手とは言ってもいい加減 西条の妄言には疲れてきたな…


「だけどね、魔法は無理でも"魔術"なら見せられるわ」


うん?魔術? 今この子魔術って言ったの?


「しょうがないから とっておきなのを見せてあげるわよ」

と言い残した西条は両手を広げ この正義の間に声が響き渡るような大声を出し始める。


【召喚獣よ我の声を聞き 汝の行動を持って示せ 。我は汝の力を欲する。その対価として

我がこの世界に一時的な現出の改変を許す。

さあ その姿を表せ 鷲獅子(グリフォン)!!】


その西条の声が聞こえた瞬間、彼女の近くから凄まじいほど暴風と目を閉じるほどの強烈なほどの光が僕を襲う。理解できない。意味がわからない。だってまるで西条の声に風と光が反応したみたいじゃないか。しばらくすると風と光が止み僕は恐る恐る目を開けてみる。すると目の前には先ほどより少し澄まし顔の西条がいた。それはいい。しかし視線を右にずらしていくと強烈な違和感に気づいてしまったのである。

「ねぇ!西条さん!キミのとなりに 羽が生えた見るからにヤバイ獣がいるんだけど! ?早く逃げて!!」

あまりの衝撃のあまり僕も人生で出したことのないぐらいの大声を出してしまう。なんだって西条の隣には 凶暴な3メートルはあるライオンに羽が生えたような獣が突如出現していたのだった! こんなんビックリしない方がおかしいだろ!思わず尻餅をつく。

しかし何故かさっきから僕と西条のやり取りを黙って聞いていた貴族らしき観衆達から嘲笑が起こる。

「ブハハハ、今 あの少年はシロ殿の魔術に腰を抜かしそうになってたわい。愉快 愉快だわぃ」

しかし多くの貴族が腹を抱えて笑っているが僕には理解できない。なんだって か弱い女の子の隣に凶暴な獣がいるのに 笑ってるとかこいつら狂ってるのか?

「フフフ、その顔を見たかったのよ!

まぁ長門くん落ちついて。このあなたが思うだろうにライオンみたいな子は今、私が召喚したの。そしてさっきの魔術は召喚魔術。元から契約している魔獣を精神世界からこの世界に召喚する。これが召喚魔術。

そして召喚獣は召喚主に逆らえないし襲えない。これはこの世界の常識よ。

だから私が命令しない限りこの子はキミを襲わないわよ。」

この状況を理解できない僕に説明するように笑い混じりの西条の声が聞こえてくる。

「まぁそれもそうよね。生まれて初めて魔術を見たのだもね。 まぁ用は済んだし、こうしてグリフォンを召喚しててもあなたが怯えて話は進まなそうだし 一旦 解除するわ」

その言葉と同時に さっきまでいたグリフォンという獣は 一瞬にして姿を消した。

もうだめだ!わからない!と僕は心の中で叫ぶ。


「さっきからいろいろありすぎて頭が追いついてこないんだけど 。とりあえずここが今までいた世界じゃないってことは今の召喚魔術?ってのでよーくわかった。あれは僕の知ってる知識と記憶じゃ理解できない。

だけどねもう一つだけ聞いてもいい? 」

「ええ、いいわよ」

「キミがさっきの獣を召喚した。そこまでは理解できる。だけどキミは魔法は使えないと言ったよね?僕が思うにこれは魔法じゃないのか?そもそも 僕はそういう違いは全くわからないんだ。僕がわかるように魔法と魔術は何が違うんだ?」

「うーーん。実にいい質問だわ!」

西条は手を顎元に近づけ首を前に曲げ目をつむりながら真剣そうに考えている。すると考えがまとまったように 僕に何故か少し得意げに面と向かって答える。

「まぁキミが分かるように簡単に説明すると 魔法とは無より有を生み出すもの。魔術は無いように見える場所から有を見えるようにするもののことよ。

つまり魔術にはもともと無いものは生み出せない。君たちの世界にいた学者達は全ての事を数学で表せると言っていたわ。たしかにそれは正しいわ。だけどねその計算には

《世界の理は不変である》という定義が存在するの。たしかにそれは我々人間の手ではこの世界の理を改変できない。

なら人間以外の力でこの世界の理を変える

方法を探し出せばいい!と考えたこの世界の人間の先祖達は見つけ出した。精神世界に存在する精霊達を。私達は精霊達の力を利用して"理"を変える。このことはキミがいた世界の古い数学では表すことのできない。だけど私達の世界で見つけ出した新しい法則を組み込むことで魔術も数学で表すことはできる!そしてその極限に迫るのが魔術!これは学問なのよ!もちろん魔術にも変えられないことはあるわ。例えば不老不死。これは 私達のような人間にはそもそもの 限界がある。魔術でその限界を工夫することで長く生きられることはできるかもしれないけど 必ず死ぬわ。根本的に不変なものは不変なのよ」


西条は 何故か少し嬉しそうだ。そしてこの随分長い西条からの説明のおかげでわかったことが一つだけあった。それは「わからない」ということであった。いやいやだって齢17歳の僕が ただでさえ頭が追いついて無い状況で

あんな長い説明 ただ眠くなるだけでしょ…

しかし 流石にそろそろ相槌をいれないとまずいので今回も魔法のような言葉で対応する。

「それな」

「それで魔術にはね…あなた いま絶対 私の話聞いてなかったでしょ?」

やばいバレた。西条嘘見抜くのうますぎでしょ。(自分が下手すぎるだけ)

「まぁ寛容な私は怒らないわ。だって困るのはキミだもの。そしてもうそろそろキミにこの状況説明するために私が与えられた時間は終わりだわ。随分私はキミと話してしまったから。今から私と話し手を交換して王様に変わってもらうわ。無礼な態度をしたらわかってるわよね?」

さっき僕が尋問されることについて考えるのを放棄したツケがもうやってくるらしい。

何となく 王様からの尋問部屋とか言ってたから 察してはいたがこれから僕は 西条が王様と慕ってるおっさんから尋問されるらしい。

というか間違いなく いまの僕はヤバイ奴らに誘拐されてるみたいだとか思いながら西条の質問に丁寧に答える。

「うん。殺されるよね!(大声)」

ヤベェ心の声そのまま漏れた…

「フフフ、よく分かってるじゃない。じゃあ変わ…」

だんだん冷静になってきた僕は当たり前の事に疑問を持っていなかった。思わず西条の発言を妨げる形になったが構わず質問する。

「今思ったけど、そもそもこの世界で日本語は通じるの?」

さっき貴族みたいな人が僕を煽ってたときは頭が追いついてなくて考えられなかったけど 貴族の人が言ってた言語は日本語だった。

つまり この世界も言語には困らないのだろうか?いやまだドッキリという線もあるな…

だけどさっきの召喚魔術?は説明できない。つまりここが僕の世界でない確率の方が高そうだな。

「私の能力の【異空移動】は私と私が連れてきた人には 勝手に その世界に意思疎通の言語は適応する。というおまけ付きなのよ。ちなみに文字はそれに対応しない。だから私はあなたの世界にいた時 苦労したことよ」

なるほど。しっかり空間移動した後のその人のアフターケアもしっかり知っているんだなと感心してしまう。

「なら私からいうことはないんで 王様にバトンタッチしますーー」

さっき僕には無礼を働くなとか言ってたくせに、

すごい軽い態度で西条いわく一国の王と呼ばれてる人に接している。大丈夫なのだろうか?

しかしさっきから つまらなそうにこちらを睨んでいた王は やっと重苦しい口を開く。

「シロよ。大変に大儀であった。しかしな、

私が貴様の能力を認めているから処罰しないとしても 民のためにも少しは礼儀をわきまえてくれ」

西条はその言葉には苦笑いしながらしっかりとうなづく。流石に王様の威風であった。

正直 会話に割り込める隙がない。

「そして新たに異界から来た者よ。シロが確認したとはいえ、我と我の重臣は貴様の能力を有無を確認できていない。よってその能力と それが我が国にとって使えるものなのか試させてもらう。よって貴様には…」

話の歯止めをする者がいないため 話が流れるように進んでいく。試す? また目と目を合わして西条が言ってた能力とか言う奴の副作用でも起こさせるのかな?

あれ死にそうなぐらい痛いんだけど とは思いつつも常に余裕のある(自称)僕は何があっても受け止める覚悟を決める。


「今から我が国の兵士と戦ってもらう事にする」










あ、これ死ぬ奴やん。


と長門司(17歳)の脳の直感が小学二年生並みの感想を呟くのであった。


初めての小説投稿なんで 文章も拙いながらこれからもよろしくお願いします。

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