僕のバッドエンドは突然に。
この物語を始める前に僕の自己紹介をしよう。僕の名前は長門司17歳 性別は男の高校2年生 背丈は平均的で髪も一般的な黒色 東京に住み何も特色のない日々を 当たり前のように当たり前にこなす人間だ。そしてそれにプラスアルファで彼女いない歴=年齢つまり童貞それこそが僕だ。
しかし今回だけはその平凡な日常を逸脱する!
「神様どうかお願いします。もし僕の願い事が叶うのなら明日 地球が滅びてもいいです。テストでこれからは赤点もとりません。小学校の時に図書館で借りた桃太郎も しっかり返します。これからは嫌いな人参もしっかり食べます。えーとあ、あ、あとこれからは母親に言われてた漫画雑誌買うな!をしっかり守りって ジャンプ買いません……え?といつつマガジン派に転向しないかって?もちろんそんなことしません!
これからはサンデー……ゴホゴホンゴホゴホンすいません。口が滑りそうになりました。え?別に深い意味はないですよ?いい意味で。あ、あとここ最近、ヤンキーに絡まれて困ってる男子の生徒にお小遣いの全てでさりげなくヤンキーを追い払いました。女の子でもないのにわざわざ追い払ったんですよ!偉くないですか?えーとえーと あ、あと最近、道に迷ってるお爺さんに道を教えてあげました!
そこを左に行ってその通りをまっすぐに行って突き当たりを右に曲がると老人ホームですよ!って言って
一応、間違えた時のために 最悪の場合地球は丸いんで歩きづづければ元の場所に戻るんでその時は また近くにいた人に聞いてください!って優しく教えてあげました!(現在は老人ホームがゲイバーになってたことは内緒です)
だからそろそろそのツケで幸運が舞い降りてもよろしいのではないでしょうか?だからお願いです!
話が長くなりましたがどうかどうかどうか人生はじめての告白だけは成功しますように…」
心の中で神さまのためにはならない交換条件をひたすら提示し神様に自分の善行?を出し どうにか 一度の成功を願う。そう僕はこれから一世一代の告白という決戦を向かえようとしていたのであった。
2019年5月10日 金曜日 僕が一世一代の告白を行う日は すんなりとやってくる。
鐘の音が聞こえる。それからほぼ同時の掛け声とともに一斉に教室中の学校の指定の学生服を着た男子や女子生徒が立つ。
「起 立 」 「気をつけ」 「礼」
鐘の音はは学生にとって授業の終わりを意味していた。
号令が終わると生徒たちは談笑したり帰りの支度を始めたりとそれぞれだが、なかには家が俺を呼んでいるかのように全速力で帰る帰宅部ガチ勢もいる。僕も帰り支度をしていると後ろから誰かが近づいてくる。
「よぉ、司〜。今日お前あの氷結の姫に告るんだろぉー? 大丈夫かー?(笑笑)」
いつものように学校が終わるたびにクラスメイトで幼馴染の小日向カケルは僕に話かけてくる。
どこでバレたのかはわからないがカケルには話していない僕の告白のことがバレていた。
しかしこのたまにアニメで見る展開に僕は全てを察する。
「え、え、なんで知ってるのー?みんなに告白知られるとか恥ずかしいすぎてー死にそうー(棒)」
と全力の真顔で応対する。実際も心臓麻痺起こしそうなぐらいヤバめなんだが こいつにだけはこの気持ちを悟られたくないのであえて大きな態度をとる。
「どうせこれから告白して爆死するんだから。変わらないだろー(笑)あとお前さ この告白の事を竜崎に話しただろ。あいつの他の奴には絶対話さないはいつもの定型文だからな。というか童貞どうしで相談することとかゼロだろ(笑笑)」
僕を貶すように笑い混じりに言ってくるカケルの顔を全力で殴りたいと思った。しかし理性で殴るのはよくないと思ったが考えるより先に体が動いていた。殺人犯がよく言う「悪気はなかった」が理解できるな。ちなみにこのような軽く殴るような対応はいつもどおりの証だ。
「痛ってえなー お、お前やりやがったなー。さすがの親父にもハンマーでは殴られたことないのに」
カケルはいつも通りの定型文?を口ずさんでくる。
「そんな捨て台詞はよして…と言うかいま 前提がおかしくなかったか!?まぁそれと竜崎の野郎はあとで始末するとして、さっきから気になったが氷結の姫って西条のことか?」
本名 西条シロ 髪は真っ白で目は真っ黒
まるでお人形さんのような容姿をした女の子。
クラスは自分の隣のクラスのC組で高校1年の時にこの学校に転入してきたみたいだ。
クラスでは いつも1人で 無愛想な佇まいでいてその透き通るような容姿は他の人を寄せ付けない異彩を放ち続けていた。
また噂ではロシア系のハーフと言われているが定かではない。そうこの西条シロこそが正真正銘の僕が初めて恋した女の子である!
「お前、知らねえのかよ。あの氷結の姫こと西条 シロはな。何人の男…いや漢たちの告白が奴のあの死ぬほど冷たい視線と態度に玉砕してきたことか?というか 隠キャ系陰キャのお前じゃ99.9%成功するのは無理だぜ」
陰キャ系陰キャ?
なんだその隠キャの権化みたいな言い方やめろ。
というか万一 僕が成功したときのために0.1%の保険をかけたことだけは褒めてやると思いつつ僕は冷静に答える。
「すまないが僕の家の掃除機の自称吸引率は99.9%だが きた当初からチリトリで直にとったほうがゴミ取れるぞ」
「それはそれで早く掃除機買い換えろよ!ってか99.9%にいちいち引っかかってくんな。
あーーめんどくせえ奴だな。というかな、俺が今一番言いたいことはな、いいか?当たり前だがな告白って言うのはな相手を本当に好きだからこそ言うのであってお前からは全くそれが感じられない。だからよー
そもそも何があって告ろうとしてんだ?」
この野郎好き放題言いやがって 僕が怒らないと思って言ってんのか。(さっき殴った)
「まぁ俺が好きになった経緯なんてどうでもいいだろ?まぁ心配してくれてるのはありがいけど僕 もう人生最大の決戦の お時間だから。じゃあなー」
割と素っ気なくそう言って僕は余裕ある風を装い席を立つ。カケルが「別に心配なんかしてねぇし」
とかツンデレ発言をしてるみたいだったが僕は耳にヘッドホンをつけ全力無視でその場を去る。そして今から西条を呼び出した約束の場所に向かうために廊下を歩きながらふと考える。
一目惚れだった。1年生の時の夏 僕はただ西条と廊下ですれ違い目があっただけだった。他の奴らは笑うかもしれない。だけどどこにでもいる一般人の僕からしたら十分だった…
「う、うぅう!?」
急激な頭痛に襲われ頭を抱えてうずくまる。
いつも何故か西条のことを深く考える度に酷く頭痛が起こる。まるで僕から西条を遠ざけるかみたいだ。
それは流石に考えすぎか…
そしていつもどおりしばらくすると痛みが引いて
歩けるようになった。地味に周りからの視線が集まっていた。地味に隠キャの権化と言われた(先ほど)
僕には辛かった。毎度のこの痛みがさらに
西条を気にし始めたわけなんだが…僕はすぐにその場から脱出し その勢いのまま告白場所に足を進めた。
曇り空の下 お世辞にも告白日和とは言えない
ような天気の下、告白場所あるあるNo.1の
他に誰もいない屋上の下で綺麗な白百合の花のように見える少女は待っていた。意外と格好は制服の黒いブレーザーの下に白いパーカーを着たり 黒いスカートの下には白いタイツ履いていたりと ラフな格好するのだなと見惚れてしまった…
どうやら相手の方が先に来てたみたいだ。
緊張はしていたが他の奴らも玉砕してたらしいんで気持ち的には楽だと落ちつかせる。
僕はいつもより緊張で重く感じる足を必死に動かし その少女に近づく。そして相手もそれに気づき 目があう。
この時たぶん僕の心臓は止まりかけてただろう。そのくらいヤバかった。僕が口を開く前に 西条の方が先に開く。
「キミが私の下駄箱に 手紙入れて呼んだ自殺志願者33号くんという認識でいい?」
うん?自殺志願者? 僕の推測だがこれは僕以外に32人も告白して玉砕してきたのだろう…
「先に言っとくわ。あなたなんてミジンコよりも興味ないし、というかまずキミのことを全く知らないわ」
早速僕は 何も言わずに1ターンキル
されそうになっているが余裕のある(自称)人間の僕はまず自己紹介をしようと思う。
「まず僕の名前は長門司でクラスはキミの隣のクラスのC組です。たぶん…呼び出した理由は察していると思うけど僕はあなたのことが好きです…友達からでもいいのでお願いしましゅ!」
やばい最後噛んだ。なりふり構わず告白してしまった僕だが この際気にしない。
「自己紹介してもらったのに悪いけど興味ないわ。そしてこの世界に友達はいらないのよ。わかったなら とっとと失せなさい」
瞬殺だった。初告白は爆死だった。
頑張ったな僕。勇気出したな僕。また明日からも強く生きろよ僕。何か言いたい気はしたが よくよく考えてみれば そこまでイケメンじゃない僕が 話したこともない女子から好意を抱かれてるほうがすごいなとうすうす気づいてはいたが…。いさぎの良さだけは一流の僕は このとき下手に食いついても しつこい男だと思われるのが落ちなので今回は帰ることにする。
これからまた 西条と関わった時にワンチャン何か起こることを信じて すんなり告白が失敗したことに後悔しながら とぼとぼと屋上から出ようとしていた。
「あーー!、私としたことが一つ確認することを忘れていたわ」
ととぼとぼ歩いて屋上から出ようとしていた僕の背後から西条の声が聞こえる。
「突然だけど今から一つ実験をするわ。実験内容は簡単。少しの間 私の目を見続けて。それだけよ。万が一の確率で見てくれたら私の気が変わるかもよ。」
意味がわからない。だけど気が変わるとか言ってくれるわけだしここは男としてのってあげようとするが一応聞いてみる
「どうして目なんて見る必要があるんだ?
こちとら失恋したばっかに好きな人の顔見るとか 地味に僕のメンタルが崩壊していくんだが…」
「小さいこと気にする男は好みじゃないわ。
面倒だからすぐやるわよ」
なすすべなく なされるがままに目と目が合わさる。
なんだこの贅沢すぎる状況!?童貞の僕にはちょっと刺激が強すぎる…
というか西条の目って近くから見ても真っ黒なんだな… とか思っていると目の色が黒から 光る紫の目に一瞬変わったような気がする…
「う、うぉううぇ!?」
この状況で頭に銃弾を打たれ続けるかのような激しい痛みに急激に襲われ膝をつく。
まるで西条の目をみたのが原因みたいだ…
「は?、まじ?え………嘘ぉ…そんなわけ…いい?もう一度私の目をしっかり見て!」
急に西条は普段から興味なさそうに人を見下している目を精一杯開き 驚いた態度に一変して動揺している。
そして もう一度 西条と目が合いまた意識が飛びそうになるぐらいの痛みが僕を襲い手で頭を抱える。
「まさか…あなた女の子と目があったら死んじゃう病気とかは持ってないわよね?」
「そ、そんなわけ…ないですよ…」
意識が朦朧する中 僕は必死に質問に答える。
というかそんな人見知りのステージ4みたいな病気存在するのかよ…
「なら本当に見つけてしまったわね… ならやるしかないわね… 確か長門くんと言ったわね?」
西条はまだ動揺を隠せていない。
地味に名前覚えてくれてることに 嬉しく思おうと思うが頭が痛すぎて あまり嬉しくない。
やっぱり時と場所は大事だな…
だんだん痛みがひいてきたので 質問に答えてみる。
「さっき言ったとおり僕の名前は長門司だけど キミの目といい この頭痛といい正直 現状が理解できんないんですけど?」
「これは能力者同士に無意識下に起こる一種の防衛反応なの。キミにも何かしらの能力があるみたいなのだけど 平和ボケしてるこの世界のキミは自分の能力を使おうとする時に脳の中で無意識に止めているの。そのための副作用としてその酷いぐらいの痛みが起こっているだと思うわ。詳しいことは 追い追い話すとして今からキミに一つの提案をするわ。すごーく簡単なことよ。ちなみにキミの答えによっては私はキミの希望通りに友達になるわ」と西条は澄まし顔で言ってくる。能力?副作用?なんだこの中ニ病が喜ぶ設定。
ということは西条の目が紫色に光ったのも何かの能力なのだろうか?
ちょっと何言ってるのかわからない。
いやちょっとというか だいぶわからない。というか
友達?? 僕は自分の言った言葉を思い返してみる。
そういえば さっき友達からとか言っちゃったような…
やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。やらかした。
さっき絶対 付き合ってくださいって言っとけば提案の内容次第で
西条は僕の彼女になってたかもしれないだろーーー。
脳内お花畑の僕の頭の中で花あらしが起こる。しかし慌てるのは内容を聞いてからだ。
もし一生私の連帯保証人になりなさい!とか無理難題だったらさすがの余裕のある人間の僕も無理だし…ってかある意味このセリフはプロポーズだな…とか思いながら 物事に整理をつけ とりあえず聞いてみることにする
「西条さんの提案ってどんな無理難題でしょうか?」
やばい口が滑った。西条は目を吊り上げ少しイラッとした態度で答える。
「無理難題って…いい?私からの提案はね
今から私と一緒に異世界転移しなさいっていう超簡単な提案じゃない?」
「ハッハッハ 西条さん冗談好きなんだね?」
僕は喧嘩腰に全力の真顔で対応する。
その僕の態度にさらにイラッとした西条は少しだけ目の色を紫に変える
「痛い、痛いです。西条さん…西条様勘弁してください!」
地面に右往左往転がりながら 僕は目の存在を少し忘れていたことに後悔する。
「さきに言っておくわ。私の固有能力は
異空転移。この能力は自分と自分が張った結界の中にいる人間を異世界に干渉させるという能力よ。そして私はこの世界の住民じゃないのよ。私はある目的のためにこちらの世界に干渉してきた。そしてさっきから目が紫に光るのはその能力の発動準備状態。ちなみにこの能力に殺傷能力はないわ。ただもし相手が能力者だった場合は 無意識の間に能力の防衛反応起こすか 何かしらの変化を起こすわ。つまりこれは能力者のキミが無意識に何かしらの能力を開花させて私の能力の使用を防ごうしてる自業自得なのよ。つまり わたしはそこまで悪くないの。アンダスタン?」
「アイキャントアンダスタン。そもそも能力?の存在のことは この痛みやキミの目の色のこともあるし 信じるか信じないかはさておいたとしても 僕が異世界に行く意味が全くわからない。」
全く理解できないという態度を示した僕に
疲れたように西条は溜め息をつきながら口を開く。
「はぁ、一から説明するのはめんどくさいから 要所要所 説明すると まず能力者は この世界以外の他の世界 全世界を探してもほとんどいないわ。そもそも人間以外の能力者は発見されたこともない。だけどね……キミは私が能力者を必要としていることから感づいてしまったかもしれないけど 私の世界は能力者を必要とするぐらい危機的な状況に陥っている。それも他の世界にも歪みをかけるようなことが起こっている。私の世界にはあの魔神王の封印がとけようとしているの!だから私と一緒に異世界に来て欲しいの!」
「はぁー、そうですか ー(棒)それは大変ですね。応援してます。頑張ってください」
と言い残し 僕はその場を立ち去ろうとする。だって
この西条って言う女 地雷臭しかしないだもん。
「え、いやちょっと! 待ちなさ…待ってくださいー お願いします」
西条がキャラ崩壊しながら僕の膝に抱きついて必死に止めようとする。
「いやだって能力とか魔神王とか言ってるしやばいやつ認定されてもおかしくないでしょぉー。中2病ならぬ高2病ですかー。
っていうか膝から手を離せー 家が僕を呼んでるんだぁー(大嘘)」
全力で抵抗する。こいつに関わったらやばい予感しかしない。俺の第六感あたりの警告のサイレンが甲子園の試合開始の時に鳴る音並みに響いてる。そもそも初恋の相手ではあるが 地雷だったということで いち早く帰ろうと改めて決意したところで120%の力を足に込めて なんとか
西条を振りほどくがその勢いで僕は1人で倒れてしまう。すると僕の背後から殺意?のような念を感じ うつ伏せになった状態から ゆっくり顔だけを後ろに向ける。そこには仁王立ちで立った鬼の形相の西条がいた…
「はぁーー。まだ能力も信じてないのね?
そして必死に私が足に抱きついてあげてたのにそれを振りほどくとか
あーあーこの西条さん怒らしちゃった。もう知ーらない。謝っても遅いからね?一応、あなたの答えを聞いてから 強制的に私の世界に来て貰う予定だったけど考えが変わったわ! 聞かないで強制的に連れて行くことにするわ。あなたの能力の症状では気を失っちゃうかもしれないけど死にはしないから大丈夫よね? じゃあいくよー♡カウントダウンスタート 5 …………4……」
西条を怒らしてしまった僕は謎のカウントダウンが始まってしまったことに 理由はわからないけど これはやばいと感じる。
「というか勝手に話を進めるなー。 あ!カケルにマンガ返すの忘れてたぁー(嘘)急がないとやばいから、縁があったらまた今度なーー」
全力で立ち上がり全力ダッシュで逃走を試みる。しかし…
「3.210(早口)」
その瞬間西条の目が強烈な紫に光ると同時に半径5メートルぐらいの円型の紫の結界が出現する。その結界の中に
まだいた僕は結界の外壁に頭から勢いよくぶつかる。
「ごふぉぇー!?」
変な声が出てしまった恥ずかしいー(涙目) どうやらこの結界から出れないと理解すると同時に いつもの能力症状(さっき言われた)と思われる頭痛が出てくる。
しかし今までの比ではない! 尋常じゃないほどの痛みで意識を失おうとしているなか最後に西条の声がぼくの頭の中に響き渡る…
「これから ズッ友だね(煽り) じゃあよろしくー♩
それでは
【能力】異空飛行 を発動!!!
第10029番世界→第574番世界に転移を開始」
その言葉が聞こえた後
西条シロの能力【異空移動】が発動完了し長門司はこの世界から 姿を消したのであった…
そして 僕の本当の物語はここから始まる。