第2話:引っかかる事
朝、兄ちゃんよりも遅い朝食をとりながら、僕は大きな欠伸をした。
昨日は、遅い時間まで兄ちゃんとTRPGのキャラメイクをしていたのだけど、全く決まらなかった。
兄ちゃんのキャラに合わせようとしてるのに、中々決めてくれない。
それで昨日は潰してしまった。
「うーん、どうしたのかな……」
こういう時、兄ちゃんならすぐにパッと作るはずなのに。
そんな事を考えていると、時計の針に目が止まった。
そろそろで出さないと遅刻してしまう時間だ。
「考えても仕方ないか」
そう呟いて、何時もの変わらない日常の舞台……学校へと向かう。
外に出ると強い日差しが僕の肌に直撃して、こんがり焼いてこようとしている。
それに鬱陶しく感じるも、そのまま僕は歩き続けていた。
途中で熱中症になりかけのような、めまいにも似た感覚に陥ったけれど、学校についた頃には既に治まっていたので、何ともないだろう。
――――ガヤガヤと騒がしい声。
中学校の内装は、まるで新しく建てたかとも思えてしまう。
下駄箱、廊下や教室などはピカピカであり、掃除が行き届いているのだと感じる。
還元 慈のいるべき教室は2階にある2-3にある。
全校生徒約400人、1年、2年で約300人で3年が100人という割合になっている。
伝統やら何やらがまだまだあるが、それはまたの機会に書くとしよう。
因みに2-3のクラスメイトの数は40人である。
その中で還元 慈は、1人寂しく朝を退屈していた――――。
1人でいることは別にいいけど……退屈なんだよな……。
本も読まないし、スマホなんて持ってないし、勉強だってやる気ないし……。
そう言えば、もう2年生なんだっけ。
これからどうするかも決めないといけないけど……兄ちゃんと同じ、県立の高校にしようかな。
――――自分の進路をボンヤリと考えていると、周りのガヤガヤという声が静まった。
先生が席につけー、なんて言いながら教室に入ってきたので、どうやらホームルームが始まるようだ。
その中で、先生はこんな事を言った。
まず、夏休みが近いからといって、勉強をサボらないこと。
残りの1週間も元気に過ごそうとか、当たり障りのない事を言いながら言った。
そして、大切なお知らせがあるという。
このクラスメイトの1人、雪国 透さんがしばらく学校を休むらしい。
それだけ言うと、ホームルームは終わり、学校に日常が戻った――――。
僕はホームルームでの話が真実かどうかを見て、キョロキョロと当たりを見渡す。
……トオルさんは、確か明るい女の子っていう感じがする人だ。
周りからも人気の部類に入る人だったハズ。
一瞬でも見れば、その人がトオルさんかどうか、分かるのだけれど、生憎、僕と他のクラスメイトはいるのに、そのトオルさんだけ見つからなかった。
やっぱり、真実だったらしい。
……でも、ちょっと気になるな。
先生はトオルさんが休むとだけしか言ってない。
トオルさんの親が先生にそう伝えたのか、それとも何か悪い出来事があったんじゃないかな。
――――還元 慈がうんうんと唸り始める中、女子は何処かに行き、男子は着替え始めていた。
慈はその様子に気づかなかった上に、友達が誰もいないので、次の授業が体育である事など、全くもって気づかなかった――――。