大学の学園祭で暴走車!俺の人生はここで終わりなのか…!?
僕、柏倉参議は、大学の学園祭の時期を迎えていた。
大学生活にも慣れていた頃、ようやく大学の同級生たちとも打ち解け、まさにこれからリア充生活を満喫するぞ、と期待に胸踊らせていた。
が、しかし、僕の人生は、あの事件によって暗転する。
ドガシャーン!
いきなり暴走車が、学園祭の会場に突っ込んできた。
悲鳴があがる。一方で、怒号も聞こえる。
「おい!何やってるんだ!早く逃げろ!ひき殺されるぞ!」
同級生が声をかけるが、なぜか僕は恐怖で足がすくんだのか、全くその場を動けない。その間にも暴走車は、次々と会場にいる人たちをはねる。
そして暴走車は、まるで狙い済ましたかのように、僕の方へ突っ込んできた。
ドカーン!
僕の体はあっけなくはね飛ばされる。
そして僕はその場に倒れ込む。
意識がもうろうとする中、まもなく国防軍が到着。
この事態を鎮圧するために、国防軍が投入されたのだった。
まもなく暴走車に乗っていたテロリストは、国防軍の銃弾に当たり、射殺される。
が、僕はそのまま意識を失い、そしてそのまま目を開くことなく、あの世行きとなった。
その時、ふと、星名由希と、星名亜希の顔が、声が、そして笑い声、あの頃過ごしたさまざまな思い出が浮かんだ。
なぜだ、なぜなんだ、なぜこんなことに…。
僕の人生はこのままここで終わりなのか…。
由希にも、亜希にも、このままもう、二度と会えないままに…。
いったい、どれほどの時間、さまよっていたのか…。
再び気がついた時には、そこは見たことのない光景。
何やら城が見える、城下町が見える、そしてそこは、広大な原っぱ…。
ここはいったい…。ここは、ついさっきまで僕らがいた世界とは、違う世界なのか?
ここで今までの経緯を振り返ってみた。僕は確か、大学の学園祭に参加して、その辺を適当に歩き回っていた。
大学のミス・キャンパスが今年は誰になるのか、僕は大学1年生で、同じ大学1年生の子がファイナリストに残っていたため、その子を応援していた。
結局ミス・キャンパスには別の大学3年生の子が選ばれ、僕が応援していた子は、準ミスだった。
それから、会場では出店とかをやっていたので、何か軽く飲食しようか、という時に、あの暴走車が突っ込んできて、僕はその暴走車にはねられて死んだというわけだ。
僕の記憶が正しければ、そういうことになるな…。
そして気がついたら、この世界に来ていた。
そんな時、馬車が通りかかった。そしてその馬車には、双子と思われる、美少女姉妹が乗っていた。
双子の美少女姉妹…。
僕はすぐにピンときた。まさか、あの星名姉妹、星名由希と、星名亜希のことなのか?
すると、その双子の美少女姉妹は馬車をおりてきた。そして近習の者が声をかける。
「ささ、ユキ様、アキ様、お降りください。
それにしても、今日はまことに、雲一つない、快晴ですなあ。」
その近習はかなりの高齢だが、年のわりには元気なようだ。
「じいや、ご苦労さん。あー!外に出たのは久々だなあー!」
その近習はどうやら、じいやと呼ばれている、古くから仕えている近習のようだ。
どうやらこっちがユキのようだ。
「あー!気持ちいい!今日はほんとにのどかだわ。
風が気持ちいい。まさにお出かけ日和ね。」
そしてこっちがアキのようだ。
しかし驚いた。まさにこの双子の美少女姉妹は、星名由希と星名亜希にそっくり、まったく同じ顔をしている。
そして、名前も同じ、ユキとアキという。もしや本当に、星名姉妹なのか?と、一瞬思ったが、
いやいや、やっぱり違うな。後から聞いたところ、こちらの双子の美少女姉妹は、アイリス姉妹といい、このあたりを治める城の城主の娘たちだという。
名前も、アイリス・ユキと、アイリス・アキというそうだ。
しかし、どこからどう見ても、あの星名姉妹にそっくりだ。
星名由希と、星名亜希にそっくりじゃないか。
いったいこれは、なにがどうなっているのか、僕はただただ、戸惑うばかりだった。
「しかし、これからどうしようかなあ…。」
僕は途方に暮れていたが、とりあえずは、あのアイリス姉妹のいる城の、城下町へと向かい、そこで情報収集をすることにしたのだった。